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目が覚めたら知らない場所だった、なんて使い古され表現を思い浮かべてしまう程度には馴染みのない天井だった。


体を起こしてボンヤリと思考を巡らせる。


父親は貿易を担う港湾都市を所領に持つ辣腕領主で、母親は過去に王族が降嫁したこともある由緒正しい青い血の持ち主。

そんな両親の子供として生まれたのが私、アンネリーゼ・ミルワイヤ。


そしてもう一つ。

地球という惑星の日本という国で平凡に暮らしていた社会人女性の記憶。

いわゆる、前世の記憶を思い出していた。


待て待て待て…。

いや本当にどうしてこうなった!?

正直に最期の記憶なんて覚えてないし、前世(仮)にて死んでしまうような覚えもない。

冴えない生活ではあったが普通に健康で平凡な社会人生活だったはずだ。

強いて言うなら推し活にかなりのめり込んでいた、ぐらいだろうか?

本当に覚えがないのにどうしてこんなことに…。



正直言って思い当たる節は全くないのだが、これはもしかして今流行りの「悪役令嬢転生」なのでは?

先ほどチラッと確認したが見事なほどに手入れの行き届いた美しい金髪は豊かに波打っており、キュッと吊り上がったキツそうな印象の猫目は血のように紅い。

何よりこの…。


 ――ニコ!


鏡に対して微笑んだ際の、幼いながらに完成された悪女スマイルっ!!!

間違いない。絶対に悪役令嬢系だ。

すごく性格が悪そうというか、ナチュラルに人を見下したスマイルだった。我ながら恐ろしい…。


勘違いだったらいいけど、もしこれで性格がすごく我が儘だったり使用人に当たり散らしていたりしたら、悪役令嬢確定なのかもしれない…。


そんなの絶対嫌すぎるッ!!!


断固拒否!!絶対にバッドエンドを回避して幸せになってやるんだから!

よし!その為にも、ここはテンプレだけど王道の「慈悲深くて貞淑な令嬢」を目指そう!

孤児院に寄付に行ったり子供たちと遊んだり、淑女教育も頑張らないとダメでしょ?

あとは冤罪対策に人脈を広げつつも、決して悪事に手を染めるような人物じゃないと思ってもらわないと…。

そうだな、中世ヨーロッパ風の世界なら前世の記憶を使って知識チートとかもできるかも!


課題は沢山あるかもしれないけど、これもバッドエンド回避の為っ!

目指せ!脱・悪役令嬢!!


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