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ゼロワールド  作者: kaito
三章 暴の祭編
24/43

戦士達よ!立ち上がれ!

 第一回戦試合、一番手はゼロチーム対コンゴウチーム。

 ゼロは参加予選での戦いが大きく注目されていたこともあり、観客席は熱気で溢れてた。

 ゼロチームはイゼがまず一番手として出ることになり、ゼロとアルクは応援に回っていた。


 「よーし!トーナメント戦初勝利は私が手に入れちゃうよ〜!」

 「頑張れよイゼ!」

 「油断はするなよ!」

 「私に任せなさ〜い!コロシアムの戦乙女イゼ!いっきま〜す!」


 意気揚々とイゼは入場していく。対戦相手は小刀を片手に持つタトゥーの目立つ男だった。無駄に筋肉を見せつけており、相当自身の身体に自信があるのだろうか。

 お互い体勢を整え、試合開始の宣言を待つ。


 「対戦よろしくね!」

 「ブチコロ!」

 「やる気満々ね〜!私は負ける気ないわよ!」

 「ブチコロ!」

 「いい意気込みじゃない!少しは手応えありそうね!」


 あれは会話なのだろうか?さっきから「ブチコロ!」としか言われてないぞ?それともイゼにはあの言葉の本当の意味が伝わってきているのだろうか?

 ゼロはそんなことを考えながら応援席でイゼを眺めていると、国王が立ち上がる。ようやく試合開始の宣言をされるらしい。


 「さぁ!早速始めようではないか!勇敢なる戦士よ!全力で力を振るえ!第一回戦試合…開始!」


 開始の宣言と同時に小刀男は小刀を振り回しながらイゼに突き進んで行く。


 「ブチコロォォォスッ!」


 イゼは拳に魔力を込めいい笑顔で小刀男を見つめる。そしてイゼも小刀男に急接近をし…


 「よーいしょ!!!」


 拳を顔面に叩き込む。そして勢いのままイゼは小刀男を殴り飛ばした。

 小刀男は空を舞い、コロシアムの壁に埋まる勢いで吹っ飛ばされる。

 明らかに勝負ありだ。国王は立ち上がり言い放った。


 「勝負あり!戦士を讃えよ!」


 観客達は歓声を上げ、イゼに称賛の嵐を与える。


 「わーい!やったー!私の勝ちだ〜!」

 「とりあえず色々言いたいが…勝利は勝利だな。よく頑張ったなイゼ!」

 「イゼは無事に勝利か…さて、次は私だな。」


 イゼの試合が終わり数十分後、次はアルクの試合が始まった。


 「試合…開始ッ!」


 対戦相手はガッチリした体型の巨男だった。巨男は厳つい笑みを浮かべ何かを話し始める。


 「俺には必殺技が百通りある!お前のような嬢ちゃんが舐めてると一瞬で…」


 次の瞬間、強烈な回し蹴りが巨男を襲う。脳は今の一撃で失神してしまい、巨男は地面に倒れてしまう。


 「勝負あり!」


 苦戦もなく余裕の勝利だった。あまりにも手応えがない。あとはゼロがリーダー戦で勝つだけだ。


 「敵の前でペラペラ話すバカはいないわよ。」

 「やったー!勝利〜!アルクちゃんやったね〜!」

 「アルクもよく頑張ったな!さて、あとは俺がリーダー戦で勝てば第一回戦は突破だ!」


 立ち上がりリーダー戦に向けて準備をする。今のところ難なく勝っているが、油断は禁物だ。


 数十分後、リーダー戦の準備が完了する。ゼロはコロシアムに入場すると観客からの歓声を雨のように浴びる。


 正直ここまでの歓声は恥ずかしい…もう少し抑えてほしいものだ。


 「お前が対戦相手だな。」

 「あぁそうだ!俺はこのチームのリーダーコンゴウ様だ!俺の弟二人は惨敗だったが…ここで兄である俺が偉大さを知らしめてやる。お前をぶっ飛ばしてな!」


 お互い体勢を整え、国王による開始宣言を待つ。

 先程の二人とは明らかに様子が違う。これは最初から全力で挑むべきだろう。


 「試合…開始ッ!」

 「ダイヤモンドタンク!」

 「…ッ!」


 俺様は身体をダイヤモンドに変えることができるのだ!いくらこのガキでも打ち破られることは無い!さぁどうするつもりだ!

 と考えるが、コンゴウはゼロの強さを甘く見ていた。


 「ッ…ゴハァ!?」

 「強悪の身体に比べればこんなのどうってことはねぇな!」


 ゼロは魔力の溜め込んだ拳を胴体に叩き込む。コンゴウは成すすべもなく吹っ飛ばされ、身体も元の状態に戻ってしまう。


 「このガキ…一体…なにモンなんだよ…」


 コンゴウはそう言うと起き上がることは無く気絶してしまう。圧倒的実力差で完全勝利だ。


 「勝負あり!この対戦の戦士は…!ゼロチームッ!」


 予測していたが、やはり観客達の歓声が上がった。それに今回はゼロコールまでされている。


 「ゼロの大勝利〜!やったやったやった〜!私たちとっても強いね〜!」

 「これで第一回戦は突破…やったなゼロ!」

 「嬉しいけど…俺の名前コールはやめてくれないか?」


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 全チームの第一回戦終了後、ゼロ達はコロシアムを去り宿に戻っていた。

 ゼロチームの他にはザックチームやメルドサズチームが勝ち上がっており、次の試合では激闘になることが容易に想像できた。

 ゼロ達が宿で休んでいると、来客者が訪れる。


 「よーよーお前達〜!」

 「ザック?急に来てどうしたんだ?」

 「いや〜!ライバルが無事に勝ち上がったからよ!お祝いに一緒に飯食わないか!?」

 「ご飯!?食べる食べる〜!」

 「はしゃぎ過ぎだ…」

 「言われてみればもう夕食時だな…わかった。せっかくだし一緒に飯でも食べるか。」

 「うっし!そうと決まれば俺の家に集合だな!今晩は豪勢に行こう!」


 ゼロ達はザックの家に招待され、共に夕食を取りに行く。

 家に着くと、何やら賑やかな団らんが聞こえてくる。


 「たっだいま〜!」

 「「「「「「「おかえりなさい!」」」」」」」

 「兄弟姉妹だったのか。」

 「おう!俺含め8人のな!お前達〜!今日はこの兄ちゃん姉ちゃん達も一緒に飯食うから仲良くしろよ〜!」

 「大丈夫だよ兄ちゃん〜!」

 「そう言っていつもうるさいぞ。お前」


 ザックと同じ黒髪の男の子が二人、一人はやんちゃ坊主のメカ(6人目)、もう一人は眼鏡をかけ本を読んでいるホン(4人目)。真面目くんなのだろう。


 「お姉ちゃんたちはなんでそんなにまっかっかだったりぎらぎらしたおめめしてるの?」

 「だぅ〜」

 「真っ赤っ赤?」

 「ギラギラ?」


 黒髪の眠そうな男の子ネリ(7人目)が黒髪の女の子の赤ん坊モア(8人目)をおんぶして寄ってくる。二人とも小動物のような可愛さだ。


 「ザック兄ちゃん!今日の第一回戦負けちまって本当にごめん!」

 「私もごめん!ザックお兄ちゃんの足引っ張りたくなかったのに…!」

 「大丈夫大丈夫!俺が勝ったからモーマンタイ!それより、ラトはどこにいるんだ?」

 「ザックお兄ちゃん!おかえりなさい!」

 「おーいたいた!ただいま!ラト!」


 ザックとほぼ同年齢ぐらいの黒髪ツーブロックの弟ロイ(2人目)と黒髪ポニーテールの妹アス(3人目)、そして黒髪ショートヘアの女の子ラト(5人目)が何か持ってやってくる。


 「ラト?それは?」

 「お兄ちゃんとお姉ちゃんが頑張ってるから美味しいケーキ作ったの!これ食べてやる気満々にして!」


 少し崩れたケーキを持ってくるが、そんなこと気にしない。愛する妹が作ってくれたケーキ、その事実だけでも嬉しさで心が満たされる。アスとロイとザックはラトに感謝を伝える。


 「ありがとうラト…!」

 「美味しそうだなこのケーキ…!」

 「ありがとよラト!食後に皆で食べようぜ!」

 「うん!」


 仲睦まじい兄弟姉妹、ゼロは優しく微笑みながらそれを眺めると同時に、少し羨ましそうな目をしていた。


 「何そんな目してるの〜?」

 「いや、少しな…」

 「そんな目しなくても、今のゼロには私達がいるじゃない!」

 「気持ちは分からなくもないけどね。」

 「……そうだな。今はお前達が傍にいる。」


 その後、ゼロ達はザック家族と夕食を楽しんだ。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 翌日、第二回戦当日


 トーナメントの次の対戦チームが決まる。


 「メルドサズチーム…悪討伐騎士団のチームか。」

 「あのチームは中々に強そうだったわね。」

 「私が共に悪種族と戦った時、彼らの戦闘を見ていた私からすると、正直今回の戦士祭で一番の敵になる。あの隊長は昨日のみたいに余裕で勝たせてはくれないぞ。」

 「そうか…悪討伐騎士団が相手だろうと俺達は必ず勝つ。第二回戦を勝ち上がって、明日の決勝にも勝利するんだ。」


 そうして始まった第二回戦、イゼとアルクの勝敗についてだが…


 「おんどりゃー!」

 「うがっ!?」


 メルドサズと共に参加した悪討伐騎士を火縄で縛りつけ思いっ切り地面に叩きつけて気絶させ…埋め込ませてイゼの勝利


 「はぁっ!!」

 「ぐはっ!?」


 鎧がへこむ威力のストレートを腹に打ち込み、一発KOノックアウト。アルクの勝利


 そして今回の第二回戦、本命であろう試合が始まろうとしている。


 「参加予選以来だな。隊長」


 試合前に挨拶をする。それに対しメルドサズは気高き騎士の眼差しで答える。


 「私はここで君を止めなければならない。これ以上、君のような少年に命の危機になるようなことを…七大悪の情報を君の手に余る。悪種族を討伐するのは悪討伐騎士団に託させてもらうぞ!」

ゼロワル豆知識


ザックは戦士祭を優勝し、弟妹達にもっと美味しいものを食べさせたり欲しいもの買ってあげたいと思っている。

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