蒼瞳の少女
光を目指し向かっていると、村の入口門が見えてくる。
入口門の周りにはランタンが多く飾られており、先程見えたのはおそらくこの光だろう。
「さっき見えたのはこの光だったのね〜!」
「村の中は明かり一つも無いな…宿ももう入れない時間帯なんじゃないか?」
「え〜!?ここまで来て野宿はヤダ〜!」
そんな会話をしていると、村人らしき一人の老人がやってくる。
「そこの旅の人達、宿を探してるのかい?」
「おじいさん村の人?そうなのそうなの!私達宿探してるの〜!」
「こんな夜遅くに大きな声ですいません。」
「いやいや、全く気にせんよ。それより宿じゃったな。それなら、儂が経営してる宿に来なさい。お前さん達のような旅の人が来たときのためにこんな小さな村でも経営してるのだよ。」
その言葉を聞くと、イゼはとても嬉しそうな顔で老人に感謝の言葉を伝える。
「おじいさん〜!本当に本当にありがとう!こんなに優しいおじいさんには長生きしてもらいたいもんだよ〜!」
「どんな感謝の仕方だよ…おじいさん、こんな夜遅くなのにありがとうございます。」
「困った時は助け合う。それが生きる者達の役目の一つじゃ。」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
こうして老人と共に二人は宿に向かった。
宿に着くと、一人の薄黄色の長髪をし天使のような真っ白な肌をした蒼い宝石のような眼をした少女が出迎えてくれた。
「おじいちゃん、お帰りなさい。それと…旅の人、ですか?」
「今晩ここで泊まっていく旅の人達だ。」
「そうなんですね。私はルピナスって言います。」
「俺はゼロ。今は闘国を目指して旅をしている。」
「私はイゼ!よろしくねルピナスちゃん!」
「はい。よろしくお願いします♪」
ルピナスは二人を笑顔で迎え入れた。
「ところでお主、闘国を目指すと言ったな?」
「はい。明日の朝にここを出て向かうつもりです。」
「だったら七日後に来る闘国行きの辻馬車を使いなさい。七日間待ったとしても歩いて行くよりよっぽど早く着く。」
「凄く嬉しい情報聞けたわね!七日後までお世話になりましょゼロ!」
「迷惑になりませんか?七日間も宿でお世話になるなんて」
「ん〜そうじゃな。宿代とかは要らぬから、村の仕事をルピナスと手伝ってくれれば儂としてはそれでいい。勿論、無理にやる必要は無いぞ?お主達は客人でもあるからな。」
「いえ、タダで七日間もお世話になるので是非手伝わせてほしいです。イゼもいいだろ?」
「もちろん〜!困ったときは助け合いっておじいさん言ってたからね〜!」
老人は嬉しそうな表情をしながらルピナスに仕事を手伝ってもらうよう言った。
「という訳じゃ。ルピナス、お前さんの仕事を手伝ってもらいなさい。」
「私の仕事を…ですか?なんだか少し気が引けます…」
そう言うとゼロは、優しい表情でルピナスに話しかける。
「いいんだよルピナス。俺はむしろ、誰かの役に立ててとても嬉しいんだ。」
「私もゼロと同意見〜!お兄ちゃんとお姉ちゃんに任せなさい!」
「凄いお優しいんですね…それじゃあご厚意に甘えさせてもらいます♪ゼロお兄ちゃん、イゼお姉ちゃん、ありがとうございます♪」
「か…か…可愛い天使〜!!!」
ルピナスの天使のような微笑みにイゼはノックアウトしていた。
美しい天使の人形




