最初のクエスト!
こんにちは、今日もがんばって行きます。
物語は、主人公とヒロインがクエストを受けた所からです。
「てぇ、おまえ使えねぇ」
シュウは肩を落とした。
「これでも、私は必死に頑張っているんです」
「お前こっちだって言ったのに」シュウは天を仰いだ。「このクエストって、ものすごく簡単な初心者用だったような……」
「私が悪かったですよ」少女は涙をためた。「どうせ私が地図を失くしたから」
「そうだ。お前のせいだ」
「うう。私のバカ!」
「そうだ。お前はバカだ」シュウは、サナのお腹を冗談でパンチした。
「うう、痛いです」サナは頬を膨らませた。「女の子のお腹にパンチするなんて」
「俺は悪だ」
「悪過ぎます」
「そうだ。俺は悪なんだ」シュウは笑った。「だから、道を間違えた責任を取ってもらう」
「私にどうしろと?」
「探せ! 正しい道を」
「分からいです」
「分かるまで探せ」シュウは意地悪な笑みを浮かべた。「見つからなかったら、お腹パンチだからな」
サナは道を探した。
二人は、地図を失くして未開の森の中を彷徨っていた。すでに、二時間以上時間が流れていた。辺りは薄暗く、日も暮れかけている。
「さすがにまずくないか」
少女は体を震わせた。「まずいですよね。未開の地は、捕食者がいて、わたしたち食べられちゃいますよ」
「おまえが餌だな」
「もう、許してください。この、オニ、悪魔!」
草原の中から、何かの気配がした。
二人は、怯えて逃げ出した。
「こ、怖いです」
「お前が、囮になれ」
「いやです」サナは体を震わせた。「こういうときは、男の子のが守ってほしいです」
シュウは首をふった。「男とか女のとか関係ない。俺は、真の平等主義者だ。だから、何かったら、間違いなく、おまえを囮にしてげるからな」
二人は、どんどん森の奥深くへ入り込んでいく。
やがて、日が落ちて、夜の帳が下りた。
「いったん、火を焚こう」
シュウは自前の生活力を生かして、薪に火を付けた。辺りが明るくなって、身体を暖めた。
「温かい」
少女は、丸い岩に座った。
二人は、横並びに座った。
「一時はどうなるかと思いました」
「俺に、生活力があって、よかっただろ?」
少女は頷いた。「はい。あのままいたら、獣たちに襲われていたかもしれません」
「あ、そうだ」シュウは提案した。「きみの名前を教えてよ」
少女は手を打った。「わたしはサナです」
「サナか」シュウは少女の名を繰り返した。
「わたしの生い立ち聞きたいですか?」
シュウは何となくな頷いた。「まあ、何となく」
「なら、話します」サナは微笑んだ。「わたしは、ここよりもずっと西にある田舎からここまでやってきたした。そして、両親は病気がちで……」
「おいおい」健斗は首をふった。「お涙ちょうだいはいらないぜ」
サナは頬を膨らませた。「そんな話ししようと思っていませんよ」
「本当か?」
「本当です」サナは胸を張った。「ただ、本当に両親は病気がちだったので、わたしがお金をたくさん稼いで、楽させてあげたいと思いまして」
「ありがナチな話だな。でも、どうやっ出世するんだよ?」
「うぅ、それはこれから考えます」
「大変だぞ。貧乏で、才能のない奴が出世するのは」
サナは頷いた。「大丈夫です。わたしは魔法が使えますから」
シュウはピクリと反応した。
「魔法!?」
「そうです」サナは種を取り出した。
「それで」
「植えます」
サナはが何か呟くと、植物が大きく……。
「は!?」健斗は首を傾げた。「ぜんぜん育たねぇ」
「今のわたしの実力で、植物の芽を出す事ぐらいです」
「使えねぇ」
「でもでも、見て下さい」
芽を出した種はしゃべった。
「よぉ」
シュウは驚いた。「お前は、話せるのか!?」
「オイラ、話せて何が悪い!」
「だって、普通植物は話せいないだろ」
「ここは、剣と魔法の世界だぞ」
「確かに」シュウは手をふった。「確かに、剣と魔法の国、そして未知の覆われている世界なら、植物だって話しができても不思議じゃないか」
「で、何かオイラに聞きたいことはない?」
「何でも教えてくれるのか?」
「特別に、一つだけ」
シュウは頷いた。「じゃあ、ホタル草の在りかを教えてくれ」
植物は、ホタル草の在りかを指差した。
「本当だろうな!」
「オイラが嘘を言っていると!」植物は怒った。
「当たり前だろ」
「ウソなんか吐かねぇよ」
「本当かな」
植物は、ぴょんと立ち上がると、シュウの腕に乗った。そして、根を張った。そうしながら、うでから腕へ、腕から首に、自由に移動できるように、なった。
「罰じゃ」
「じゃとか、じじくせぇんだよ」
「何を子憎!」
サナは二人を止めた。
「喧嘩はよしてください」
「この小僧が」
「この、バカ植物が」
「と、とにかく、案内してもらえば解決しますから」
二人と一匹は、少し休憩すると歩き出した。
お付き合い有り難うございます。
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