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~始まり~

女神に転生するか、ニートのまま人生を終わるかと、究極の選択を持ちかけられた。

シュウは決断した。

転生する。

そんな第一章が始まります。


 俺は十二歳の誕生日を迎えようとしていた。

 ヒモジイい……。

 家は隙間風(すきまかぜ)だらけで、異世界だというのに、なぜか貧乏(びんぼう)で辺境の地にある掘立小屋(ほったてごや)に住んでいた。なぜ、ここに住んでいるのか分からない。

 わずかに残る記憶によれば、もっと素晴らしい人生が待っていたはずなのに……。

 シュウは外に出ると、ベリーの実をつまんで食べた。

 鳥が飛んできて、くわえていた手紙を投げてよこした。

 シュウは、その手紙を受け取った。手紙には、こう書かれている。『十二歳おめでとう。これからあなたも一人前の冒険です。頑張ってください!』

クソ、何が頑張ってくださいだ。

 シュウは、手紙を投げ捨てた。

 この集落で、十二歳になると、一人前の冒険者となって、自由に生きていくことができる。

 早々に支度を整えると、冒険者の街へ向かった。

 冒険者の街は、シュウの住む街全体の事を指していた。

 この異世界では、世界の九十九パーセントが未開の世界だったので、世界のほとんどがどのようになっているのか、まるで分かっていない。

 ギルドに着くと、冒険者端末(たんまつ)に登録した。

 名前は『シュウ』。それ以外の項目は、不明……。

 ただ、受け取ったカードの枠の部分だけが、光り輝いていた。

「おい、まさか」

 人々が騒ぎ始めた。

「トリプルX(えっくす)・ライセンスカードだ」

 シュウは、ライセンスカードを見た。それは、きらきらと輝き、裏面にXの文様が見えた。

 老人が話しかけた。「そのライセンスカードを売ってはくれないか?」

「いくらで?」

「一億ジュエリーでどうかな?」老人は笑った。「一億ジュエリーあれば、大きな家が建って、一生遊んでいくのに困らないお金がある。悪い話しじゃないと思うが?」

 シュウは首をふった。「ライセンスカード失くすと、冒険者になれないから、無理!」

 冒険者とは、この街のシンボルのようなものだった。

 ライセンスカードとは、いわば身分証だった。なくなったところで、困ることはなかったが、身分証は世界でたった一枚だけの証明書なので、大切に(あつか)いたかった。

 受付のお姉さんに、尋ねて依頼を受ける。

「えっと、あなたのような子どもが受けられるお仕事は……」

 シュウのライセンスカードが光る。

「ちょっと、そのライセンスカード!」

「そうだよ。トリプルX・ライセンスカードだよ」

「見るの初めてだわ」

「どう、驚いた?」

 お姉さんは頷いた。「驚くもなにも、この世界に数百万人の冒険者がいるけど、そのカードを持っているのは、その中でもごく(わず)かなのよ。確率で言えば、数百万人に一人てところね」

「すごいって事?」

「勿論よ」お姉さんは頷いた。「それだけじゃないわ。そのカードを持っていれば、どんな依頼だって大抵は受けられる」

「子どもでも?」

「大抵わね」お姉さんは、頷く。「冒険者カードには、カードを受け取ったものの資質が、最初から記載されて発行されるの。つまり、あなたが将来どのような人間になるのか、おおよそわかってしまうのよ」

「ライセンスカードを見れば、その者の資質が丸わかりって事だ」

 健斗は今までの苦労を思い出した。

 苦節、十一年……。

 親はなく、捨て子で、家は掘立(ほったて)小屋。

 隙間(すきま)風が寒く、食べるものが乏しく、いつも森にある木の実か、誰かのいえにやっかいにななって、食べてものを分け与えてもらうか、時にはお腹がすきすぎて、盗みを働いたりもした。

 近所の人間もシュウに親がいないく、寂しい声の子だと分かっていたので(とが)めたりしなかった。

 立派に強く育った。

 いつか、自分の誕生日で、鳥を一羽、盗んだことがあった。

 街で大騒ぎになった。

 だが、シュウだと分かると、(うわさ)は静まった。

 シュウは、その時(さと)った、自分は大変(あわ)れなんだと。そのとき、学んだ。自分は、冒険者の街でも、本当に可哀そうな身の上の子供だと知った。

 あれから、ずっと一人でで強く生きてきた。

 それが、今日報われた。

 冒険者カードを見る。脇にラメが入って光っている。

 裏には、トリプルXの紋章が刻み込まれている。

 これが俺だけに与えられた才能だと思うと、今までの苦労も悪くはない……。

「仕事は、どんなものが受かられるの?」

 お姉さんは言った。「どんなものでも」

「本当に?」

「だから、どんなものでも受けられます。あなたは才能は、すでに証明されたようなものなので、あなたは子どもという条項は特別をのぞけば、どんな依頼でも受けられます」

「エッチな依頼とかも」

 お姉さんは、吐息を漏らした。

「それは、そのカードを使わなくても、受けられるます。ただ、年齢制限付きのものもあります。それについていは、そのカードでも受けられません」

 シュウは理解した。「年齢制限さえ引っかからなければ、大丈夫みたいだ」

「では、どのようなものを検索しますか?」

「例えば、、特別な依頼とかは?」

「あります。ランクAから、SSSクラスの依頼ですね」

「ほう。俺にぴったり」

 お姉さんは首をふった。「でも、注意してください。ランクAの任務からは、簡単に死にますから」

「死ぬって?」

「文字通り死にます。いきなり、ボス討伐クエストとか」

「いや、やっぱりやめとこうかな」シュウは頷いた。「せっかくの才能無駄使いしたくないし……」

「それがお勧めです。いきなり、無謀なクエストをこなして、死んではカードが泣きます」

「お勧めは?」

 お姉さんは、画面を操作した。「まずお勧めなのは、初心者の同じように簡単なクエストから徐々に難易度を上げていく、というのがいいはずです」

「クエストでいったら?」

 お姉さんは、三つを選択した。

「これなど、どうでしょう」

 選択肢には、ラックルの討伐。ホタル草の採集。わたしのワンちゃん探して……。

 お姉さんは笑った。「どれも簡単なものばかりですが、こう言ったものをこなしていくところがから始めるのが、順当に成長できますよ」

 シュウはひとしきり迷った。「じゃあ、『ホタル草の採集』の依頼で」

「分かりました。では、頑張ってください」

 シュウはギルドを出た。



 ギルドを出ると、人だかりができた。

 シュウは、人だかりをかき分けた。

 この人だかりも、トリプルX・ライセンスカードを見ようと押し寄せた人たちによるものだった。あとは、自分を仲間に引き入れようと企む者たちばかりだった。

 今まで、見向きもしなかったような人間たちが振り返って手を指し述べた。

 シュウは、街外れまでやってくると、川辺(かわべ)に座った。

「きみ、何やっているの?」

「私ですか?」少女はぼんやりと尋ねた。

「そうだよ。君しかいないだろ」

「わたし」少女は(うつむ)いた。「冒険者になったんですけど、才能ないようで……」

「そんなの普通だろ」

「そうですけど、自分ではすごいか力を秘めていると思っていたので」

「元気出せよ」健斗は言った。

「ええ、そうですね。いつまでも、落ち込んでいても仕方ないですしね」

 シュウは言った。「だったら、オレと一緒にパーティー組まない?」

「私とですか?」

「そうだ。見ず知らずの、おまえと組むことにした」シュウは胸を張った。「それも、驚けよ。俺は、トリプルXライセンスカードの持ち主だぞ」

 少女は、シュウの持つカードに見入った。

「本物ですか?」

 シュウはカードを手渡した。

「本物だろ」

「確かに、本物みたいです」

「みたい、じゃなくて本物だよ」シュウは頷いた。「まあ、落ち込んでいるようだけど、こんなのただのカードだから、元気出せよ」

「だけど、ライセンスカードは才能を見通すって」

「中には、あとから開花する奴だっているらしいって」

「ちょっと、元気出ました」少女は笑った。「でも、なぜわたしと?」

 シュウは街で受けた勧誘(かんゆう)について話した。

「なるほど」少女はにこりと笑った。「私なら、安全ですものね」

「でも、いいんですか?」

「何が」

「あなたのようなすごい人が、わたしのような凡人と」

 シュウは肩をすくめた。「いいんだよ。街の連中は、俺のこと金の(にわとり)だと思ってみたい」

「あなたを見るというより、カードを見ているんでしょう」

「そうそう。あの目が嫌なんだよな」

 シュウは、ずっと一人で生きてきたので、人の目には敏感(びんかん)だった。

「では、わたしとチームを組んでいいんですね?」

 シュウは頷いた。

「短い間だけど、頼むよ。俺は、『ホタル草の採集』って依頼受けたから、一緒にやってみよう」

「はい。わたしも、同じクエストを受けます」

「じゅあヨロシク」

 二人は、握手(あくしゅ)した。


お付き合い有難うございました。

いいね、コメント大歓迎。

作家になる為、練習しているので、どうぞ応援してくださいね。


明日の投稿は、だいたい七時前後。

毎日投稿します☆

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