平穏な日常
私、采原藍佳には、不思議な力があります。
人に触れる事で、心が読める。
俗に言う、テレパシーというものを持っています。
「藍佳!おはよう」
後ろから話し掛けてきたのは親友の新島沙紅。
「沙紅、おはよう」
「あ、藍佳。
今日さ、放課後用事在るから、一人で帰って。
ホント、ゴメン!」
顔を下げて、手を合わせる沙紅に
「全然大丈夫だよ!
沙紅、気にしなくていいの。
晴と立ち食いでもして帰るだろうし」
「あはは…晴ってば。
そうだ今度、晴に奢って貰おっかな?」
財布が空だと叫んでいた晴に向かって軽く手を合わせた。
前に、見えてきた学校。
予鈴ギリギリだと気づいた私達は、急いで校門へ走り出した。
◇◆◇
何とかギリギリで教室に着いた私達。
「うわ、朝から汗だくだく…」
「鞄持って走るのは、やっぱ辛いよ」
走ったせいで疲れた私達は呟いてると
「朝から、おつかれー。
お二人さん」
暢気な声が聞こえ、すぐに沙紅はその元にはしりだし
「おつかれー、じゃ無いわ!!
先行くなら、そう言え!!
お陰で遅れかけたわ!
バカ晴!!」
暢気な声の主は、私達のクラスメイトで、沙紅の幼なじみの、佐久間晴。
って沙紅、キャラ変わってる!!
「沙紅ぅ…
藍佳ちゃんが驚いて固まってるよ」
「藍佳?」
沙紅は、私のおでこに強力な(ここ重要)デコピンを繰り出した。
「いだっ!
沙紅の意地悪…」
スッゴク、痛い…
ジンジンする。
「晴!
あんたもだっ!」
沙紅は晴にもデコビンをする。
「いった!
沙紅、昔はそんな事しなかったよね…
それっ!」
お返しにと晴が沙紅のこめかみをグリグリし出した。
「あー、すっきりした」
「晴のバカ…」
「沙紅、落ちつこ…」
そんな朝の賑わいが続きながら、HRが始まっていたために、三人そろって先生に怒られる事になった。
背伸びしながら体をほぐす。
疲れた…
「藍佳、晴。
まった明日~!」
荷物を纏めた沙紅が私たちに向かって言う。
「「また明日ね」」
「うん!」
「藍佳ちゃん。
何か食べにいく?」
「うん。いいね」
「よし行こう!」
「嘘でしょ…」
始まりはすぐそばに、いや…
すでに始まっていた事に、私達は気づいてなかった。
悲劇への物語 を…
変えられない結末へ、
足掻き続けるために…
はじめまして、初めて書いた作品ですが、こんな暗そうな話ですが、お読みくださりありがとうございます。
次話から本格的になります。
完成できるよう頑張りますので、よろしくお願いします。