どの世界も校長の話は長い
私のクラスの人たちが集まっている場所の空席に座る。
誰かの視線を感じる。
誰かは分からないけれど、姫花と同じように“貴族絶対主義者”みたいな考えの人か、姫花の親衛隊の人たちか、もしくは…ってどれだけ私、敵が多いんだろう。
好意的な視線なら、まだ良いけれど、どう考えても明らかな悪意のある視線が幾つも…
正直此処に居る人たちと同じか、其れ以上に努力をしてきたのに(後ろ盾がない為実力で入学するしかない)、こんなに悪意がある視線を向けられるなんて、本当に主人公補正って凄かったんだなぁ(しみじみ)
なんて考えていたら、入学式が始まった。
大体入学式ってどの世界でも代わり映えしないんだなぁ…
校長先生の話とか、凄く聞き覚えがある。
「わが校の恥にならないように過ごしなさい」
とか
「文武両道で…」
とか
聞き飽きた言葉をよくこんなに語れるんだなと思う。
今朝、この学園に入学できる楽しみで眠れなかった事と、さっき此処迄来る時、ずっと走って来た影響でとても、疲れている。
校長や来賓の方々の長い…とても長い御言葉の間、生徒と教師はずっと立たされている。
あ、やばいと思った時私の視界は真っ白に否真っ暗くなった。
倒れてはいない。
重厚感のある椅子に凭れるようにして、意識を途絶えさせた。