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別視点…H

入学式の為、特別ホールに、生徒全員が集まっている。

教員や、来賓、入学生の親も集まっている。


入学式は8時からの予定なのに、15分前にほぼ全員が集まっているのは

教室に向かわずに、靴を履き替えて直ぐ、此処に来た生徒が多いからなのだろうと思う。

本来なら、教室に行き、自分の席やロッカーを確認の後、スクールバッグをロッカーに置いてから、この特別ホールに来るのが正しい事なのだが、初等科や中等科から通っている生徒が多いせいか、真っ直ぐここに来る生徒が多い(各々の教室に行って此処に来るとなると、何度も階段の上り下りが必要となる為)

初等科、中等科とは違う建物なのだけれど、造りはほぼ同じ。


「麗斗」

横に居る、幼馴染で生徒会長の麗斗に話し掛ける。

麗斗は、忙しそうに入学式の書類を最終確認している。

「何だ」

「流石に、色々見栄えが悪いから、アレ止めさせた方が良いと思うんだけど。」

書類から、僕に視線を移す麗斗。

「アレ?」

僕は視線を、生徒たちが各々の椅子の下に置いているスクールバッグに向けると

「ああ、アレか。仕方ない。注意をするか」

麗斗が立ち上がった瞬間、空気が変わった。


麗斗の威圧感で雰囲気が変わったと言う意味では無い。

僕と麗斗と、数名の生徒を除いて、周りの者や人が、動かなくなった。

「何が起きたんだ?」

麗斗が困惑気味に僕に問う。

「さぁ?」

僕が知るわけもない。

「今この状況で動いているのは」


今年入学の大和と蒼…と恐らく眠っている冬馬(頭が揺れている)

二年の奏太。

このメンバーは、姫花と関わるようになってから、話すようになった人たちだけれど

その姫花は、何とも言い難い(欠伸の途中?)表情で止まっている。

()()姫花の影響かと思ったけれどそうではないらしい。


大和は僕と目が合うと僕の方に来た。

「何ですか此れ」

姫花に見せるような、人懐こいような表情ではなく、真顔で僕に問い詰める。

「さぁ?また、姫花の能力の影響かとも思ったけれど」

大和は姫花の方を見る。

「凄い顔」

苦笑いを浮かべている。

「姫花は関係ない感じだとすると…姫花以外にも能力者が?」

「そうだと思うけれど、今動いている僕達の中に時間を止める事が出来る能力の持ち主は居ない。」

「今此処に居なくて、高校からこの学校に通う事になった人とか?」

「今此処に居ないのは…」

麗斗が物凄い速度で、入学式の書類の外部入学者の確認をし始める。

「二人だな」

「二人?」

「外部入学者は十人ほど居るが今此処に居ないのは、特待生の雛川と、他県から寮生になる稲生の二人だけだ。」

「特待生…ああ、何故か知らないけど、姫花が目の敵にしていた…」

複雑な表情を浮かべた、大和が言う。

特待生の子は公に公表されていなかったのに、姫花が大騒ぎした影響で、

ほぼ全員に知られてしまっていた。

「そういえばあの子、姫花の()()効いて無かったよね」

ふと思い出したことを言ってみると

「そう言えばそうだな。」

姫花には“言霊”と言う能力がある。

通常時には出ないのだが、感情が高ぶった時に、叫んだりすると、発動する。


姫花以外にも、僕、麗斗、大和、冬馬、蒼、奏太はそれぞれ、特殊能力を持っている。(幼い頃に制御していて、姫花みたいに感情が高ぶったとしても簡単には出ない)


「という事はあの()()()の人物は」

麗斗が言いかけた時だった。

時計の秒針の音が大きく響いた感覚と共に、特別ホールの扉が開き

それと同じくして、止まっていた周りが動き始めた。


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