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夏休み1

家に帰って直ぐ、リビングで宿題を開始した。

「りり、其れ、暗号化何か」

横で同じく宿題をしている、類が覗き込んできた。

「そんな様な物」

普通の小学生からすれば、暗号以外の何物でもないだろう。

序に私も最近まで暗号にしか思えなかった。

「高校生って暗号が勉強なんだね」

「いや、此処が特殊なだけだと思う」

けれど、学校の授業何て、判らない人が見たら、暗号の羅列と思われるか。

「それで?何処が分からないの?」

類が集中力を途絶えさせて、話し掛けてくるときは、勉強が終わった時か、解らない問題がある時だ。

「え、今日の分は終わったんだけど、自由研究で悩んでいる。」

「朝顔の観察とか?」

「…」

呆れ顔で見てくるのは止めて欲しい。

「自由研究なんだから、自由にすればいいんじゃない?」

「自由って難しい。」

分かる。自由が一番難しい。


「素麺に合う漬けダレ研究でもするかな。」

「例えば?」

「黒蜜?」

「まあ、素麺の原材料的にはアリだろうけど…」

「素麺の漬けダレとしては遠慮したい?」

「素麺のリメイクとしてスイーツはあるけれど」

「…もう少し悩んでみる」

(…特に何の意味も無い会話)

「明後日、何の用事も入れて無いよね?」

類が言ってくる。

「明後日」

「りりが、言ってきたことだよね」

「類の方こそ、デートとかデートとかデートとか」

「無い。」

「最近の小学生は、彼氏彼女が普通に居るって言ってた」

「また、ネットの情報?」

「違うよ!エリザベスが」

「……誰だよエリザベス…」

「センハレ(漫画)の登場人物」

「漫画と現実を混同させない!」

ズバッと言われてしまった。

「恋人が居ても、明後日、凄い楽しみにして居るんだから、予定何て入れる訳ないだろ」

頬を膨らませて起こる姿、あざと可愛い。

家の弟は天使かも知れない。

「あのアミューズメントパーク、入場料だけでも結構するから気軽に行けないし」

伊織ちゃん達と行った、アミューズメントパークの入場料金、学割が使えるけれど、気軽に行き辛い金額だったりする。

まあ、施設内はかなり充実しているから、安いのだろうけれど、其れでも躊躇われる。

庶民脳。

「武士恋のぬいぐるみ残って居るといいなあ…」

ウキウキしていると

「スポーツやりに行くんじゃないの」

「え」

「……え」

「あ、も、勿論!」

慌てる。

「試合で勝ったら、ジェラート奢って」

呆れ顔で、類はそう言う。

「何の試合?」

モノによってはかなり不利になる。

「行ってみないと解らないでしょ?行く前に決めて其れが混んでたら、困るでしょ」

「そうだね…」

家の弟、可愛いだけじゃなく、こういう事も考えられる子なんです。

天才かな?(弟溺愛)


「バスケは混んでいますように…」

「…声に出てる」

呆れている、類。

「フットサルも混んでいますように」

「空いて居ても、フットサル1対1ってかなり無理がある」

「難易度高めの謎の競技とか混んでいますように」

「せめて、1対1で出来る物で悩んでよ…」

「何があるかな」

「卓球、バドミントン、エアーホッケー」

類はいつの間にか、タブレット端末で検索していた。

「…」

家の弟かなり優秀なのでは?

「他」

「他って」

「随時変更いたします。って書いてあるから、他なんじゃないの?」

なるほど…。

取り敢えず納得しておく。

「楽しみだねー」

家族で遊びに行く事自体久しぶりだから、かなり楽しみだったりする。

「あ。武士恋のクレーンゲームまだあるらしいよ」

「ま」

「マ」

期待してなかったのに、まだあるとか。

ありがとう。とても有難う(語彙力消失)

「まあ、行った時に売り切れている可能性もあるけどね」

「それは…シカタナイヨ」

「片言で言っている時点で、仕方ないと思って居ないな」

類は苦笑いを浮かべている。

「そもそもの目的が、クレーンゲームじゃないよね?」

訝し気に見てくる、類。

「勿論!一番の目的は、家族で遊ぶ!なんだから」

「良かった、良かった(棒読み)」

「本当だよ」

と言い訳している時点で、信憑性が無い。



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