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所謂、餅は餅屋的な

ホールから抜け出し、更衣室に向かい

制服に着替える。

スマホをチェックすると、

弟から、メッセージが来ていた。

【今日は遅くなるの?】

一応母親には連絡しておいたけれど、

伝わって居なかったのだろうか。

【今から帰るよ。友達に送って貰う事になったから、心配しないで】

即、既読マークが付く。

【気を付けてね】

承知と書いてある、武士キャラのスタンプを使う。

好きなゲームのキャラクターだ。

基本的には、前の学校の同じ趣味の友人と弟にしか使わない。

【あ、コンビニに寄ろうと思うんだけど、何か要る?】

【フライドチキン】

承知と書いてある、武士のキャラクター(再び)

スマホを鞄に仕舞い、ドレスは渡された時の箱に片付ける。

本当は、余りしては行けない行動なのだろうが、他の方法で持ち歩いたら、皺や、型崩れが起きそうだなと思ったため仕方なくこの方法にする事にした。

コンビニの近くのクリーニング店に任せて良いのだろうか…

材質からして、何か凄いって事しか判らないけれど。

更衣室から出ると

伊織ちゃんが、男子の制服を着て立って居た。

「お待たせしました。男子用の制服持っていたんだね?」

「あー…うん。ウィッグもメイクも短時間じゃ出来ないから、正装と一緒に持って来て貰った。まさか本当に着る日が来るとは思ってなかったけど…」

苦笑いを浮かべる、伊織ちゃん。

「凄いなぁ…女子のも男子のも似合ってる。」

頷きながら見ていると

「何か、そう見つめられると照れるんだけど」

ほんのり耳が赤くなって居る事に気付いた。

可愛い。

「約束通り送っていくよ。どの辺?」

「あ、最寄り駅は…」


会話をしながら、靴を履き替えて、校門に向かうと

制服姿の冬馬がうつらうつらしながら立って居た。

「先に帰ったんじゃ」

「ん…あ。待ってた。」

「ボクが送って行こうとしてたんだけど?」

「俺も送ってって」

「なんで」

「今家の車全部出払ってるみたいで…」

「大和待って居れば?」

「無理」

「なん」

「眠い」

「人の家の車で寝る気満々…」

「一人送るのも、二人送るのも変わらないよ」

「それ、送る側が言うセリフ」

「松川君の家と伊織ちゃんの家って近いの?」

そう口を挟むと

二人は声を揃えて

「知らない」

そう答えた。

「どの辺?」

「俺の家、あっちの方」

左側を指さす。

「あっちって言われても…」

「姫花の家の斜向かい」

「初めからそう言って。ボクの家の通り道だから、送ってあげる。でも璃々那ちゃん優先だからね」

「ん」

頷く、冬馬。

伊織ちゃんの家の車に乗り込む

流石にリムジンとかでは無く

6人乗りの車だった。

ただ、流石にシートが物凄くフカフカで

其れがお金持ち感だった(頭悪そうな感想)

如何にも執事と言う感じの人が、運転席に座っている。

「さっき、連絡したけど、彼女が璃々那ちゃん。」

「こんばんは。璃々那様。私は、稲生家に仕えます、林田(はやしだ)と申します」

「あ、雛川璃々那です」

「あと、こっち」

「存じております。松川様でございますね。」

「うん。俺も送って貰う事になったんだけど…」

「畏まりました。先に雛川様のご自宅へ」

「あ、あの、家の近くのコンビニに用事があるので、其処まででお願いします」

「畏まりました」

家の近くのコンビニの住所を伝えると、車は発進した。

「伊織ちゃん、訊きたいことがあるんだけれど…」

「何でも聞いて?」

「ドレスってどうすれば良いかな?多分私の行動範囲内にドレスのクリーニングして貰えるお店が無くて」

「其れなら…」

「少々宜しいですか?」

林田さんが口を挟む

「使用人の中に、そう言った事を得意としている者が居りますので、そちらのドレスをお貸し頂ければ、クリーニング致しますけれど、どうでしょう?」

「宜しいのですか?」

「勿論で御座います。」

「では、宜しくお願いします」

提案されて良かったと心の底から思う。

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