モブキャラらしく
クラス分けの発表は、校舎前の掲示板でしている。
Aクラスは成績優秀者15人のクラス
B、CクラスはAクラスには入れなかった生徒が入るクラス
Dクラスは…。
ついでに、私は入学できている時点でAクラス確定だけれど
一応確認。
この世界がゲーム世界だった時のメインメンバーは
そのままのクラスで確定。
ツンデレわんこ系男子、白柳 大和
いつでもどこでも寝ている別名眠り王子、松川 冬真
はAクラス
無口でクールで運動神経抜群な藤堂 蒼
はBクラス
それと…本来なら転校生として来るはずだったのに
既にいる人が一人…
ゲーム内では2週目以降で出てくる
稲生 伊織
凄く可愛い、成績優秀、女の子の制服を着ているけれど
れっきとした男の子。
説明文で「恋愛対象は君だけ」と書いてある、ヤンデレ男の娘。
彼もAクラス。
まぁ、私がヒロインじゃなくなった時点でこの世界はゲームと違う世界なのだけれど。
モブキャラはモブキャラらしく
周りを引き立てるために頑張りますか。
と意気込んでみる。
あ、でも、一般庶民は、テストで1位以外になると即特待生から落とされる=退学だから、それだけは阻止しないと。
恋愛は出来なくても、彼等に見て貰えなくても
私が、彼等の事を見て居たい(ストーカー駄目絶対)
それにこの学校の卒業生って言うだけでこの先の就職が有利になる。
そう言う意味でも頑張らないと。
そういえば、ゲームの世界でBクラスだったはずなのに、仙崎 姫花の名前が見当たらない。
飛び級制度もあるから、飛び級した?
と思ったら、どうやら違うらしい。
Aクラス用の玄関で泣いている女子生徒がいる。
特徴的な赤い髪は、この学園では仙崎 姫花のみだったはず。
ゲームの世界でモブだった人たちも髪の色はカラフルで、顔だちもハッキリしている。
けれど、赤い髪は姫花だけで、間違いようもない。
「私頑張ったのに…なんで」
「姫花の頑張りは、僕たちが知ってるから、落ち込まないで」
蹲って嘆いている姫花の横で、しゃがみ込み姫花を宥める、銀髪で物語の中の王子様を投影したような都筑 悠3年Aクラス生徒会副会長。
飛び級制度はあるけれど、飛び級をしない人達。
「私、聞きましたの。今年庶民の方が“特待生”として入学したと…そのせいで」
棘を感じる言葉だな。
取り敢えず横をすり抜けて教室に向かおうとすると
「あの人ですわ!」
姫花の叫び声がする。
何急に怖い(棒読み)
「姫花、人を指さしちゃ駄目」
そんな声がするけれど、振り返ることが出来ない。
振り返ったら存在を消される
モブキャラらしく慎ましやかに生きようって決めたのに
何これ、どういう事!?




