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いわゆる、ギャップ萌え的な?

ふと横を見ると、伊織ちゃんは、いつの間にか、大皿に山盛りにした料理を持っていた。

「何かあったの?」

どうやら、さっきの姫花の事は全く気付かずに料理を盛り付けて居たらしい。


乙女ゲームなら此処で選択肢が出る問いかけだなぁ

なんて思ってみる。

A.何でもないよ

B.姫花さんが…


みたいな。

でも、そんな事よりも

「凄い量だね…」

「お腹空いたからね。」

そして気のせいか、全体的に赤い。

「大丈夫、ボク実は結構食べるんだよ」

「赤いね」

「赤唐辛子より、緑の唐辛子の方が辛いから、大丈夫だよ」

そう言う問題ではない。

と言うかやっぱり、それ、スパイスの色なんだ…

トマトとかの可能性を少し考えたんだけどな。

なんだろう、視覚的に痛みを感じる。

「凄いね」

語彙力を失うと言うのはこんな感じなのかと、身をもって実感する。


テーブルに置いて、器用にカトラリーを使い分けている様は、流石貴族と言う感じがした。

立食なのに、上品に食べていて、立ち食い蕎麦とか、そう言った類の物とは全然違うんだなとか

どうでも良い事を考えていた。

「ん?」

白いペーパーナプキンで口元を拭って

伊織ちゃんが此方を見た。

「食べる?」

「いや、要らない」

多分私其れ食べたら悶絶死する。

その位痛そう。

「そう?」

再び、視覚的にも痛い食べ物を、涼しい顔で食べ続ける伊織ちゃん。

凄い。


――別の場所――

校内の小さなパーティーとは言え、(ただ1人を除いて)貴族の子どもしかいないから

何らかの繋がりを作るために、挨拶を交わす。

表向きは笑顔で、だけれど、心の中は、腹の探り合い。

そんな、黒い考えを殆どの者が抱えながら、個々なんか見ていない。

見ているのは、家柄だけ。

例え、そんな事の為に開催した訳では無くとも、そんな事はお構いなし。

そう言う雰囲気が嫌だから、1人にならなくても良い場所に居たら

気付いたら、一番厄介な人達と一緒に居てしまって、何とか逃げ出そうとしている人が1人。

(眠い)

立って居る事すら面倒だと、冬馬は思った。

さっき、男の格好をしている伊織と璃々那を見て

自分もそっちに行こうかと思ったけれど、その後、姫花が謎の行動に出たから止めた。

此処で姫花の機嫌取りをするより楽しそうなのに

「顔出したから、帰って良い?」

隣に居た大和に問うと

「普通に駄目だろ」

そう返されてしまった。

「じゃあ、寝てていい?」

「駄目だろ」

「暇」

そう、暇なのだ。

ただ、交流するだけの暇な会。

一応、飲食物はあるけれど、メインは交流するだけの会。

「何か飲んでくる。」

そう言って、漸く抜け出した。

ドリンクコーナーに行き、100%オレンジジュースを、グラスに注ぐ。

ふと、遠くに真っ赤な料理を食べている伊織を見つけた。

(人間じゃない)

そう思った。

どう見ても、そんな伊織を璃々那がドン引きして見ているのに

伊織は、全く気付いていない。

まぁ、そんな事を気にしていたら、今伊織は、此処に居ないだろう。

そう思いながら、オレンジジュースを飲みながら観察している。

言わずもがな、此のオレンジジュースに使用しているオレンジは物凄い高級品だ。

その辺の庶民御用達のレストランやカフェにある様な、オレンジジュースとは違う。

甘さ、苦み、酸味のバランスが良く、舌が肥えている人達が飲んでも、満足させる逸品だ。

(全く関係のない事だが、セレブっぽい事を書いておく。)


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