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巻き込まれ体質

目立たないように過ごそうと思っていたのに

なぜ早々に面倒事に巻き込まれているのだろうか。


教室に戻ってすぐ、伊織ちゃんに

絡まれ…ではなく話し掛けられた時から

周りの目が私に向いていた。

解る。とてもよく解る。

とても可愛い子が何でこんな地味な奴に話し掛けているんだと言いたいんですよね。

私も傍観者(そちら側)だったら同じ意見だったと思うし

でも、友達って見た目で選ぶ物じゃないし…第一此のクラスの女子って

私だけだし…?

「可愛い~!昨日の髪形も可愛かったけど今のも似合う!ボクもお揃いにしようかなぁ」

って言われて、腕に抱き着かれている。

普通に女の子の制服を着ているけれど

さっき、男子トイレから出てくる所を見てしまったから

ゲームと同じで男の娘だと言う事が発覚してしまった。

(可愛いは正義)

「戸惑ってる」

そう言って、私から伊織ちゃんを引き剝がそうとする冬馬。

「可愛かったら抱き着きたくなるでしょ」

「うん。でも、嫌がってるから、離れて」

いや、肯定しちゃうんだ?

「ボクに抱き着かれるの嫌?」

そう真っ直ぐ目を見られるから、否定できない。

(可愛いは正義)

「セクハラになるから駄目」

そう言う冬馬。

「え」

周りの男子の絶叫が聞こえてきた。

「どっちが男?」

ざわざわする教室内。

「肉体の性別だけでセクハラとか言われたくないんだけど」

「そうだね。」

「だったら良いじゃん」

「うん。じゃあ言い方変える。そろそろ席に着いていないと迷惑になるから」

「席変わってくれたら良いよ」

「駄目」

もしかして窓際が良いのかな?

そう思って

「じゃあ、私と変わる?」

そう言ったら

二人、声を揃えて

「駄目」

と言われてしまった。

…うん?

どうやら、窓際が良かった訳じゃない様子。

「勝手に席替えしたら迷惑でしょ」

冬馬がそう言うと

納得いかないと言いたそうな表情を浮かべながらも

「分かってる」

そう言う伊織ちゃん。

そして私の腕を離すと

「お昼ご飯一緒に食べようね?」

そう言い残し、伊織ちゃんは、自分の席に着席した。

伊織ちゃんの席は、真ん中の列の一番前

(あの席なら移りたくなる気分も解る)

「じゃ、寝る」

そう言って、机に突っ伏す冬馬。

早っ。

多分冬馬はどの席でも堂々と眠れそうだから

席変わってあげても良かったんじゃない?

とか思ったけれど、突然知らないうちに勝手に席替えなんかしていたら

困るだろうから仕方ないか。

そう納得する事にした。


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