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別視点…R

生徒会室に向かうと、悠が言った通り、姫花が生徒会室で優雅に紅茶を飲んでいた。

艶やかな赤毛を、美しいと褒めそやす者が多いが実は俺は、この赤毛が苦手だ。

赤い髪が嫌いだという訳では無いけれど、姫花の髪がどうしても苦手だ。

俺が物心つく前から決まっていた婚約に異論は無いけれど、幼い頃に毎日の様に見ていた悪夢に出てくる魔女の髪色に似ているからだと思い込むようにしていた。

「姫花。」

俺が声をかけると、紅茶をテーブルに置いて、立ち上がり俺に抱き着いてくる。

「お待ちして居りましたのよ」

「此処は、生徒会役員しか入室不可だと思っていたんだが、どうして此処に居るんだ?」

「麗斗に会いたいから待たせて欲しいと言いましたら、快く入れて下さいましたの」

きっと、断れなかったんだろうなと察した。

「何か重要な用事があったのか?」

本題を早めに聞いておこう。

「あの…庶民が、いお…稲生様に馴れ馴れしく接していましたの。庶民の分際で!」

稲生…ああ、別の地域から突然この学校に入学要請してきた…

「其れがどうかしたのか?」

「稲生様と言えば、()()稲生財閥の御曹司様ですわ。それなのにあんな庶民なんかに」

姫花は、何でこんなに、特待生に突っかかるんだ?

それを問い質した所で何にもならないだろうから、危害を加えなければいいか。

「そもそも、この学園は由緒正しい人が通う学校ですのに、幾ら成績が優秀だったからと言って庶民が通うなんて許されない事ですわ」

確かに姫花と同じ思考の者が居るのは理解しているけれど、あの特待生は別に不正を働いた訳では無いのだから、こんな場所まで報告して来なくても良いのに…

取り敢えず家柄だけで入学している姫花には何も言う権利が無い気もするんだが…

(伯爵家の令嬢がDクラス)

色々言うと姫花の力が暴走しない可能性の方が低いからな…

「姫花、俺は稲生の事を知らないし、今の所無関係だから、交友関係に口出しは出来ない。それは理解して欲しい。」

「でも」

「其れと、これから大事な会議なんだ。」

「分かりましたわ。では学食で待って居ますわね」

待ってる間に勉強をしようとか一切考えてないのが姫花らしいというか…

呆れて物も言えなくなりそうだ。

其れと待って居るという事は、有無も言わさず一緒に帰ろうと言う事なんだろう。

正直とても面倒くさい。

今朝は人目も有ったから、姫花に駆け寄ってみたけれど…

色んな男に囲まれて、嬉しそうにしている婚約者なんて出来れば見たくはない(好き嫌いではなく貞操観念的に)


姫花が去った後、久々に俺も会議に参加した。(意見を聞いていただけで口出しはしない。お飾りの生徒会長だと言われている)


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