表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/35

008-関連夢:愛紗のみた夢(1)

平入ひらいり 愛紗あいしゃは、ナイスバディ美少女(自称)な高校2年生。

そう遠くない未来、第237霊界の神獣ツヨと、ツヨの半身『シン』をみつける約束をしたらしい。


【前回のあらすじ】書店で居眠りをする。

 私は見たこともない廃墟の中にいて、まわりは黒い炎に包まれていた。雨のせいで、最初は誰の声も聞こえなかったが、耳を澄ますと遠くで誰かが歌う声が聞こえている。


「これは……夢?」


 ふと、この場所が自分の夢だということに気づく。この場所を知っているような気もするが……ここはどこだ? とりあえず、声のするほうに歩いていく。


「あら……たま………」


 歩いていくと、黒い動物の面を付けた白い着物姿の集団が見えた。彼らは円形に平伏し、すがりつくように念仏のような言葉を繰り返し唱えている。中央には祭壇があり、酒や鏡やらが祀られている。


「あらたま、にぎたま、くしたま、さちたま……おおきみ……なおひ……」


 どう見ても異様な光景だ。そもそもあれは人だろうか? 人もいそうだが、着物の隙間から毛皮や触手のようなものがみえる者もいる。

 私はあまり近づきたくないので、廃墟の物陰に隠れ、集団の様子を見た。


「……なおひっ!」


 ひととおり、何かを唱え終わったのだろうか? 狐の面を被った長身の着物姿の者が立ち上がり、上半身の着物を脱ぐ。どうやら人間のように見える。胸には光る黄色の印があった。それは私の”死の契(しのちぎり)”のように蛇のようにうごめいている。

 狐の面の男は、中央の祭壇の鏡に向かい、黄色の印に手をあてた。


(ことわり)の四、銀杏扇(いちょうせん)!」


 すると黄色の印から巨大な金色の扇が現れた。


「「「おお」」」


 まわりの集団がその光景を見つめ、歓喜の声を上げる。

 虎の面の男は金色の扇を手にあたりを見回し、こう言う。


「……これで我らは」


 そして次の瞬間――


 ――キンッ!


 狐の面の男は扇を振り回し、まわりの集団を切り刻んだ。

 彼らは苦しむ様子もなく、金色の煙となって扇に吸い込まれていく。


「……これで」

「……悲願が……」

「あとは……」


 彼らは、狐の面の男にそれぞれ感謝の言葉を述べ、扇に吸い込まれていった。

 狐の面の男は、金色の煙を全て扇に吸わせると、暫くその場にたたずんでいる。

 すると――


「――誰だ?!」


 狐の面の男がこちらを振返り、身構えた。

 ……どうしよう……もう隠せない……。私は立ち上がった。

 狐の面の男は、私の顔を見ると、とても驚いた様子だった。


「……ルク?」


 もちろん、私の名前はルクではない。だが、その様子は、私に危害を与えるものではなかった。


「ルク? なぜそこに?」


 狐の面の男は、面を外した――

 それは紅の瞳をした、黒髪短髪の青年だった。

遅くなりました!3日ぶりの更新です!いつも読んでいただきありがとうございます!

できればこのペースで更新していきたいです。

評価・ブックマーク・感想お待ちしております!!!

頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ