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023-“流命の腕輪”と“羅津銘”(5)

平入(ひらいり) 愛紗(あいしゃ)は、ナイスバディ美少女(自称)な高校2年生。

そう遠くない未来、第237霊界の神獣ツヨと、ツヨの半身『シン』をみつける約束をしたらしい。


【前回のあらすじ】訓練中に気を失う。

「――ん?」


気がついて起き上がると、いつの間にか寝室にいた。


「あ、愛紗。おはよう」


 横を見ると、ツヨが白い狐のような姿で寝そべっている。


「……連れてきてくれたの?」

「うん」


 どうやら、黒夢(くろゆめ)で気を失っていたらしい。


「今、何時?」

「まだ明け方かな? ツキカゲさんはご飯の準備をしてるようだけど」

「そう……」


 ふと、昨日のことを思い出す。

 目の前の光景は変わりないようだが……、まわりのものが、わずかにキラキラしているように見える。


「ん?」


 そのキラキラはツヨに向かって吸い込まれている気がする。

少し意識をツヨに集中させることにした。


“名称:形成時期不明、全なるものによって創造されし第237霊界の管理者(1/2)、第零世代、属性:全(遺以外)、耐性:全(遺以外)、弱点:遣、容量:10極ロチ、充填量:1000億ロチ(約0%)、シンによる(ことわり)の干渉率:約0%――”


 昨日、黒夢でみたような情報が視界のところどころに出てくる。文字が大小様々なので若干見えにくいが、気絶しそうなほどの情報量ではない。意識を集中させないと見えてこないところをみると、少しは宙の法(そらのほう)に慣れたということだろうか。


「うん、そうだね。まだ物質に干渉することはできないだろうけど。シンの手がかりを探るための技術は身についたってことかな」


 私の考えを読んだのか、ツヨがやや得意げに伝えてくる。何かその様子が”僕って凄いでしょ? 褒めて褒めて”といったように思えた。

 私はついツヨのフワフワのおでこを撫でてしまう。

 

「むう。……僕一応、高位の存在なんだけど」


 ツヨはあまり撫でられるのに慣れていないのか、少し頬を膨らませてむくれていた。だが逃げ出さないところを見るとまんざらではなさそうだ……尻尾もパタパタさせてるし。まぁ、見なかったことにしてあげよう。


「……この“シンによる理の干渉率”っていうのが、手がかりにつながるの?」

 

 私は少しでもツヨを撫で続けるために、話題をそらせた。


「うん」

「“(ことわり)”って何?」

「僕やシンのような高位の存在の役目の一つに、法術の創造と管理があるんだ。宙の法(そらのほう)理の法(ことわりのほう)は法術の基本のようなものでね。第237霊界を含む世界の神髄でもあるんだ。僕は宙の法を、シンは理の法を創造したんだ」

「……ということは、私が宙の法をすぐ覚えられたのはツヨの影響もあるってこと?」

「まぁ、そうだね。適正があっても普通の鍛錬でこの情報量を得るのは500年とかかかるんじゃないかな」

「500年?!」

「だからあまり言いふらしたりしないでね」

「……うん、わかった」


 ツヨは私に対してかなりすごいことをしてくれたようだ。それは得意げに話しても仕方がない。

 私はついでにもう少し撫でる範囲を広範囲にしてみることにした。

 ツヨは顔を上にあげ、少し顔を赤らめている。……本人は隠しているようだが、どうやら気持ちがよいようだ。


「あと今日のタロとの訓練もきっと零因子の扱いに慣れる訓練だろうから、できる限り“羅津銘(らしんめい)”に零因子を溜めるよう意識してほしい。愛紗の世界に戻った時にきっと役に立つからね」

「……うん……そうだね」


 やばい。ツヨの得意満面な顔が可愛すぎて……思わず吹き出してしまいそうだ……。

 私は思わずツヨから目を背けて、枕元の“羅津銘”を見る。

 ……すると不意に情報が浮かんできた。


“名称:羅津銘、形成時期:1500年前、第壱世代、ツヨ・ソラノミタマノカミの創造物(1/1000)、属性:全、耐性:全、容量:100京ロチ、充填量:1000万ロチ(約0%)、シンによる理の干渉率:約0%――”


 ……極とか京とか、知らない単位が見える。単位は兆までしか知らない。この世界の零因子の量は知らないがそんなに容量があるんだな。


“名称:咲夜姫の夢、形成時期:1500年前、第弐世代、ツヨ・ソラノミタマノカミの巫女姫サクヤが創造・管理する世界(1/300)、属性:全(宙・理以外)、耐性:全(宙・理以外)、容量:100京ロチ――”


 そう思った瞬間。この世界の情報も浮かんできた。

 どうやら、見える情報は自分で選ばないといけないらしい。


”――シンによる理の干渉率:約0.3%――”


「ん?」


 私の考えを読んだツヨも同時に反応する。


「――シンが?! この世界にも?!」


 どうやらツヨも気が付かないような反応だったらしい。

 だが0.3%って……、この世界には来たけどもういないってことかな? 一体何処に現れたのだろうか……。


“シンの零因子……検索中……0.1%まで完了”


 その考えに反応するように、私の宙の法が反応した。

 検索は滞在中に終わるのだろうか?

いつも読んでいただき、ありがとうございます。完結に向けて少しずつ頑張ります。

引き続き、評価・感想・ブックマークよろしくお願いします。

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