炎神
暗し喰らむ
黒し摑む
眼にささる
眩しさに
息しに見るは
生き死見る
燃ゆる炎は
もう逝くと
もうもう燃ゆる
黙々と
揺らめき
燦めき
きらきらと
景みせては
影みせる
落ちる
散る散る
火花散る
火は瞬きに
瞬く間
また暗闇に
姿消す
消し炭
消さずに
しばらくは
柴の内みる
明明と
灯りに夢見し
命みる
火の身につくは
炎神なり
太刀切り
断ち切り
煩悩の
懊悩せし身の
迷い絶ち
世に逝く末を
照らすなり
寺に護摩炊き
五万の影
送る姿は
火炎かな
還らぬ人の思いもち
火炎が昇る
還る世に
夜に立ち昇る
炎神なり
延延続くこの夜には
世を絶つ術は無しとして
泣く泣く燃ゆる炎みて
炎の内に悲しみに
身に染み身内に
炎みる
熱く滾るは
命なり
祈り鳴る夜に
滾滾と
湧き出る光
命なり
眩く照らす
命なり
光輝く
命なり