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プロローグ『狂いだす運命、その序章』
「―――レイネシア・シュネーシュメルシュ・ロマノヴァ」
それは、将来この国の王妃になられるお方の名前。
それは、第一王子であられるエリアス・ライヒェンバッハ様の婚約者の名前。
―――それは、『主人公』の『ライバル令嬢』として登場するキャラクターの名前。
そう『ライバル令嬢』だ
だから、
「お前には失望したよ」
だから、エリアスにそのように憎しみを込めた目で睨まれるような、
「お前との婚約は今夜、この場を持って破棄させてもらう」
―――婚約破棄イベントが発生するような、
「悪役令嬢」なんかじゃないのだ―――!!
乙女ゲームをプレイしてても小説を読んでいても、第3者目線で主人公とそのキャラを応援してしまいます。そんな気持ちから生まれたお話です。