第0.2話さくらと裂九羅
かおりは魔法少女になった時、1つのグループと戦っていた。名前はカウンターズ。戦いの中で、かおりの魔法生物は魂を2つに分けられてしまった。
「かまへんかまへん2人になって便利やさかい」なんて言っていたが、食費が2人分になるのは勘弁してほしい。まぁそれは冗談として、魔力も半減してしまったのはとても痛かった。
「しっしっしっ!だいぶピンチだわ」今まで1人で街の平和を守ってきたが、魂に直接干渉してくるのは初めての経験だった。
カウンターズの中でも、一番と三番は別格で、絶対に関わるなと先代魔法少女から言われていた。
ただ、最弱と呼ばれた2番でさえ、魂を割るというめちゃくちゃなことをしてくるのだ。
「しっしっしっ裂九羅、9番のあんたは何番目に強いんだ?」
炎を身にまとったさくらに問いかけた。学ランを着崩した様は、威圧感が凄まじく、目は炎とは真逆の冷たさを持っていた。
「魔法少女99人切りの裂九羅」
炎を宿した妖刀で、魔法国に反抗する魔法少女を切り捨てる、嫌われ者。
「なんか、三番さんの子孫さんらしいですね。」
ふわふわとした髪のような甘い声。
「あ?三千代なんざしるか。私は私だ。しっしっし」
「すみません、死んでください。炎に抱かれて」
「しっしっし、抱くのはてめぇだよ。氷漬けにしてやる。」
二人の戦いは一年かけて行われることとなる。
「すみません。かおりちゃんのことが好きになっちゃった」
「あーうちもだわ」
氷と炎が入り乱れ、赤と青の輝きが闇夜に浮かぶ冬どけに彼女たちは魔法少女となった。