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⑦
「という話でした。不思議な現象だと思いません?
色で性欲を刺激されるなんて、調べても出てこないですし」
「いや、本当に不思議過ぎるだろう・・・」
かすみのそれはかなり稀な例に違いない。
というか彼女と同じ性癖を持つ人なんて、世界中を探しても見つかるのかどうか怪しい。
「とにかく、この話は絶っっっ対に秘密にしてくだいよ? 二人だけの秘密ですからね?
嘘ついたら、私の言う事何か一つ・・・いや、二つは聞いてもらいますからね!」
「ああ、わかった」
「言いましたね? 言質取りましたよ! 今の発言、スマホで録音しましたからね?」
かすみは、ちらりとスマートフォンをちらつかせる。
「わかった。命に誓う」
めちゃくちゃ必死に口止めされてしまった。
まぁ確かに「好きな男子の下着を見てしまったせいで、青い色を見ると興奮するようになった」なんて話、
他人に知られるのはかなり恥ずかしい秘密だろう。