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赤実かすみの青欲  作者: 朱音めあ
2/12

「・・・空の色 、塗らないんだな」


「はい、そうですよ。塗り忘れではありません。これで完成品です!」


 曇り空であればそれもありえるのだが、この絵には太陽も雲の描写もあるので、

 普通であれば「青く」塗るはずである。

 

 しかし彼女は「青色」使わなかったのだ。


 いつも「青色」のペンを咥えているにも関わらず。


 赤実かすみが入部してから半年程経つが、彼女がいつも青いペンを咥えている理由は、未だに謎のままである。



「なんですか、そんなにこっち見て・・・今さら気になりますか? コレ」


 ちゅぽんと、かすみは口に咥えていた青色のペンを引き抜く。


「あ、いや。別に」

 

 そう否定したものの。

 ついついかすみの咥えていた青色のペンをじっと見てしまう。


 彼女が指で摘んでいるその青いペンは、彼女の唾液で濡れていて何だか艶めかしく感じた。 

  

「えぇ・・・なんですか、先輩。そのいやらしい目は」


 かすみは部室に置いてあるティッシュを一枚取ると、青色のペンに付いた唾液を拭き取る。


「いやいやいや、絶対にいやらしい目でなんて見てない。見てないから」


「えー、本当ですか?」


 一応否定はしたものの、かすみに睨まれてしまった。


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