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赤実かすみの青欲  作者: 朱音めあ
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「お、おい。そんな強く噛んだらペンが折れるぞ?」


「ぎゃー!!! 近づかないでください!!!」


 心配になってかすみに近付くと、凄い勢いで教室の端まで逃げられてしまった。


「・・・あ、ゴメン」


 流石の僕も、そんなに避けられるとは思わなかった。


 少しやり過ぎたかと思い、僕はYシャツのボタンを閉める。


「それにしても先輩、なんでそんな恰好してきたんですか? 誘ってるんですか?

わ・・・私に惚れられても知りませんよ」


 かすみは軽い調子でそう言うが、途中から照れた様に口ごもる。

 そして自分の発言を思い返して恥ずかしくなったのか、頬を紅潮させ下を向いてしまった。



「えっと・・・」


「う・・・」


 なんだか、部室は変な雰囲気に。


「・・・あー。僕は別に、赤実に惚れられても構わないんだけど」

 

 意を決して、口を開く。

 


「っ・・・!?」


 だが僕がそう言った瞬間、パキッと乾いた音が鳴り響く。


「ひゃあ!? 折れたぁぁぁ!!!」


 見ると、かすみの咥えていた青色のペンが見事に真っ二つに折れていた。  


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