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自分

作者: 柳真

いつからだろう?



人との距離を縮めるのが恐く感じだしたのは。


別に人が嫌いなわけじゃない。

そこまで人と話すのが苦手なわけでもない。

死ぬほど嫌な思い出があるわけでもない。


なぜだろう?




幼稚園や小学生の時、自分で言うのもなんだけど中々の人気者だったと思う。



幼稚園での演劇では主役ではないが敵海賊の船長。


かけっこでは誰にも負けなかった。


先生や保護者の人達にも少なからず嫌われていなかっただろう。



小学生の時もスポーツは何でもある程度できたし高学年になればそこそこ人気はあった。


トモダチともよく遊んでいて両親にも今思うと大事に育てられ不自由はしていなかった。



自分で言うのはなんだが、俺は恵まれていた。




俺は

「枠」というのが得意だったんだと思う。


学校という枠。

クラスという枠。

部活という枠。

地域という枠。


枠の中なら別に自分が動かなくとも周りに人はいる。


ある程度普通で、ある程度普通じゃなければトモダチはできるし出会いがあった。



多分初めて

「枠」を嫌ったのは高校生になってからだろう。



部活の人間が嫌いだった。


陰口が多く群がらないと何もできない。


俺は腹黒かったとは思うがB型特有の正義感があった。


うまくはやっていたけど、案の定力があってもチームワークがないチームがそこまで強くなるわけがなく中途半端だった。


俺はクラスが好きだった。


枠を嫌い、枠を好んだ。

居心地がよくて楽しかった。




結局、俺は自分が嫌いで好きなんだろう。



自分が嫌いな事、それは自分がしている事なんだろう。


よく思う事。


こいつ嫌いだって思う人、自分に似てる。

ただ考え方が違って嫌いなだけ。

多分ニュアンスを変えたら似てるんだろな。


そう思うと自己嫌悪に陥ってしまう。


ただ、自己嫌悪に陥っている自分が嫌いじゃない。


気持ちが落ちるっていう感情が好きなんだろう。






自分が嫌いで、自分を嫌う自分が好き。



この連鎖から抜けられない自分がいて嫌い。



そんな自分は




嫌いじゃない。

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