表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
光ある概念の終日  作者: 茶三朗
継がれることのない聖剣
37/217

五星 4

昼の刻となる頃、他4名は時間を守り到着しているが1名だけ遅刻している

ダイヤは苛立ちが刻の経過毎に増していく、彼以外はまったく気にせず各々好きに過ごしていた

1人は無言で待つ事だけに集中し、1人は紅茶を楽しみながら、1人は椅子に力を抜きながら椅子にもたれ眠る


「だーっ!ジョーカーはまだか!?ハートが優雅に2杯目を堪能し始めたぞ!」


「まぁまぁ、香りで心を鎮めてみては?ジョーカーにも都合があるのですよきっと」


「その都合が寝過ごしたや面倒になったじゃないのを願うばかりだな」


苛立つダイヤに紅茶を淹れてあげるが、彼はゆっくりと優雅に紅茶を楽しみはせず、渡されすぐに一気に飲み干したせいで舌を火傷してしまい紅茶を吹き出してしまう

スペードは首を右へ回し笑いを堪えていた。笑いを堪える全身甲冑の男は不気味に映るものだ


「あいつ、ハートが3杯目を飲んでも来なければ酒を飲ませてやる」


「ジョーカーを責めないでほしい、やつは己の部下が責任をとり腹を切ろうとしているのを止めに向かったのだ。壁を突き破っていったのが怒る点であるが」


ハートは2杯目を飲み終え、3杯目を淹れたが飲もうとしない。湯気が徐々に消えていき、ダイヤがどうして飲まず冷ましているのかと問うと


「私が3杯目を飲まなければ、ジョーカーは嫌いなお酒を飲まず済みますからね。いいではないですか、部下を想う気持ちがあるのは」


「これは一本取られましたね、俺にもう1杯いただけませんか?次は楽しみながら火傷しないよう飲みますよ」


スペードも1杯頼み、2人に紅茶を淹れてあげている最中にジョーカーがようやく現れた。全身を覆う甲冑は泥だらけであった


「すみません、遅れました。部下を宥めた帰りに、蛇がリスの親子を襲っていたので魅入っておりました」


「馬鹿!部下を宥めてただけでいいのに、正直に寄り道してたのを言うなよ。いや、言い訳じゃないからいいはずなんだけど・・・あと趣味悪いぞ」


泥だらけの甲冑で席に着くがスペードに拭くぐらいしろと言われたので退室。また4名は待つことになってしまった

しばらくして戻ってきたが甲冑は泥だらけのまま、湯気が甲冑の隙間から漏れている


「お前自身だけが綺麗になってどうすんだよ!?甲冑を綺麗にしてこいよ!外を綺麗にしろー!」


「これはうっかり」


再び退室、先とは違いすぐに戻ってきた。ちゃんと甲冑の泥は落とされている。メイド達数人で拭いてもらってきたのだろう

ようやく5名が揃った。部屋の空気が変わりピリつく


(これだ!これがたまらない・・・五者揃っての引き締め感)


「よく寝たー・・・あ、皆様おはようございます」


「おはようございます。起きてすぐこの空気は嫌ですよね、僕も嫌ですので今から僕の手品で晴らしてみせましょう」


変哲もないハンカチを右手に被せ息を吹きかける。全身の皮膚を覗くことが不可能なほど甲冑で包んでいるのに

ハンカチを左手の中指と人差し指で挟み取れば右手には牙の生え揃う口を蕾をつけた植物が、ゲップに似たような動作をすると口から小動物の頭蓋骨がぽろり


「じゃーん!どうだ?」


「すごーい!どこまで本物?全部が本物?」


(台無し・・・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ