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光ある概念の終日  作者: 茶三朗
巻き込まれの護衛任務
21/217

夜明けは過ぎて陽射し入る 5

ノレムの足周りから地が陥没していく。液体のような闇の属性エネルギーを両手に生ませると互いの掌を合わせ左手を左斜め上に、右手を右斜め下に広げ中心に黒紫の闇球を発生させ撃ち出す

モトキとミナールの顔は変わることもなく、光を手に闇へと呑まれた


「重いな・・・」


両手首の血管より少量の出血、闇に呑まれ姿のない2人に放ったはずの闇球はこちらへと押し返されそうになるがノレム自身も押し動かなくなる

やがて小さな光の粒が、膨らませた風船に針を刺したのと同じでそこから光が闇球の半分まで侵食したところで突き破った


「っ!」


自身の闇が光と共に溶けていく。光を握り纏わせた2人の拳が眼球前に

突き破ってからここまで一瞬も必要なかった。だが、それよりも速く、ソニームによって間に細く、長く、光に反射する光沢が2つの拳から守りる

押す力により反動し、光が撒き散らされ兄を救う為に間に入った妹の巨大縫い針に闇が走り、闇を散らせる


「はっ!」


闇エネルギーを解放させ、衝撃を生み、3人を吹き飛ばす

ノレムは置いてかれた馬車に激突し壊してしまった。ミナールより身長があるモトキから着地し、彼女を繋がる腕でうまく支えゆっくりと足を着かせる。なかなか粋なことを


「ありがと、でもやっぱり戦いにくいわね。微妙に痛いし」


「だよな・・・しょうがない」


モトキは繋がってない右腕の手でミナールの繋がる右腕を掴み固定すると、繋がる自分の左腕に力をいれ引っ張る

皮膚と肉が千切れる痛々しい音、地に滴り落ち増えていく血液の量


「まっ、かっこいいことしますね。お兄様」


「正気でやっているな」


外れた。代償として自分の左腕は自分の血で真っ赤になってしまったが

ミナールの繋がっていた右腕には気味悪さを覚える繊細に縫いつけられた青糸とモトキの血液

モトキは深く息を吐き、ミナールは唖然とした顔が戻らない


「あ、あんた・・・!ちょっと!」


「これで離れた、一緒に死ぬ危険性は減ったぞ」


鮮血の滴る左手に剣を、右手に盾が光と共に戻り独りでに歩み始める。その背を向けられる前にミナールに映ったモトキの顔は、瞳は、橋で対峙した時のものへと

左腕からの彼が進めば描かれる赤い道しるべ、傷口を指でいじれば骨すら覗く。無理矢理すぎた行い


「お兄様、邪魔はいたしませんよ」


「お前がいなければあの2つの拳が撃ち込まれていたかもしれない。助けられたこの身だが、お前の言葉に甘えさせてもらおう」


ノレムは走り出す、それに合わせモトキも駆け出した

技などないただ力任せに剣を振るう。両者の剣が接触すると刃は小刻みに揺れ両足も地へ沈む

2人からの発せられる何かと何か、剣と剣のぶつかりにより生じた衝撃は風のように女性の髪と衣服を靡かせ地を削り、建物に小さな亀裂を刻み、崩壊した馬車の瓦礫を舞わせ落とす

右手の盾がノレムの首を狙うが、彼の左拳が盾を掴む右手を下より殴り手甲へ打つ。盾と手は上へあがり、そのまま左手でモトキの顔を掴むと後頭部から地へ叩きつけた

地を砕き、5歩引きずってから博物館へと投げつけるる。先程自分が出てきた壁穴とは違う穴ができ向こうの壁までも突き破り、モトキは広場へ飛ばされてしまう

さらにノレムは剣で突きを放ち、螺旋状が拡がり突き進む闇エネルギーにより博物館は完全に崩壊

ミナールは指先をノレムへと向けるが前に妹が立つ、にっこり笑顔で巨大な縫い針を掌で一回まわしてから先端での斬りにかかる

独鈷杵の伸びた光刃が下から受け止め、彼女へ蹴りを撃ち込んだ

しかし、ふわりと舞うように跳び回避されたと同時に縫い針は地へ突き立てられ、それを中心に青糸が走り星を描く

縫い針は刺さる部から溢れた闇へ沈み彼女の手へ戻ると先端をミナールへ向けウィンク

描かれた星から同じものがいくつも次から次へ地に張り巡らされ、縫い針の先端を上にあげる合図と共に星から青黒い闇エネルギーの柱が天へと昇った

真上から見れば星の形、晴れ空の雲を貫く


「空に星が刻まれる」


ミナールは独鈷杵をクロスし闇を防ぐ。身が呑み込まれることも闇と共に昇ることもなく、自分に直撃するはずであった柱を独鈷杵で受け、光エネルギーを送り込み消滅させると闇柱を光と水の刃で斬り進み彼女との距離を無くす

斬った。ソニームは抵抗せず切断されたが2つに分かれた体は糸となり地に落ち塊へ


「だーれと戦っているの?」


声は上から、宙に居座る彼女の周りには糸で作られた不気味な人型。吊るされており力ないようにぐったりしている

数は数えるすら面倒になるほど

ソニームが手を叩くと吊るす糸が切れ落ちていく。ミナールは指から放つレーザー状の光で薙ぎ払い着く前に消していくが全ては不可能

糸で作られた人型は起き上がると歩き始め、手の形を変え鋭利状に


「行きなさい僕・・・と呼ぶのもかわいそうだからジョーカー様が糸人形だなの御言葉を頂いて、糸人形とお呼びさせていただきましょう。こうして指示を出すことはしてこなかったので自分の内では斬新感」


ソニームの言う糸人形はミナールを囲み四方から迫り、歩みから走りとなり一定の距離まで進むと彼女へと飛び掛かってきた

ミナールは身体を反らし、左手を独鈷杵ごと地に着け右手の独鈷杵の両刃を光に変え伸ばすと最初2名を突き刺してから振り回し糸人形を斬り裂く

次々と斬っていくが数と追加するだけでなく、斬られた糸同士が繋がりまた新しい糸人形を生む

密集率が増え、ミナールの姿は最早確認できない数であり彼女がいた場所には乗り掛かり山となっていたが、光が漏れ糸人形達を吹き飛ばす

同時に彼女周りから水の竜巻が発生し、弾ける水粒は凍り弾丸の如く貫いていく。水の竜巻から抜け両手の独鈷杵で斬り進み、跳ぶとソニームへ左手の独鈷杵を投げるが彼女は余裕を持ち歩み退がった


「沈んで・・・!」


刺さった場所から激しく水が噴き出し、水は間も無くソニームを囲い捕らえ集合した水の中へ

水へと閉じ込めた。彼女は口からだけでなく全身から泡を出し笑顔


「窒息死を待っても何されるかわからないからトドメを討たせてもらうわ」


右手人さし指から輝き、細い光を発射し彼女を撃ち抜く。連続で撃ち続けていくが急遽攻撃をやめてしまった。もういいだろうではなく異変に気付いたのだ

水にあるのは糸だけ、糸人形も動かなくなってしまいただ呆気にとられてしまう


「ずっと糸と?また?もう、本人はどこにいるのよ!?」


動かなくなった糸人形全てが解れ、一束となり捻りを少し加えながら突き放ってきた。2本の独鈷杵で受け、威力が到達する前に流すが衝撃が街の建物を遥か遠くまで貫いていく

残りの集まった糸山よりソニームは姿を現した。巨大な縫い針に糸を通し、それを投げ糸を掴むと振り回す

縫い針は暴れる、速さを増していきながら。独鈷杵で弾き流し、避け躱すことで肉にギリギリ届きはしなかったが斬られ、左肩から右腰へ服に一線の斬りあと、頬も掠めた

独鈷杵で弾く際に縫い針の先端位置を変え、地へ深く突き刺させると糸を踏みながらも3歩跳み進み彼女との距離を無くし、斬りつける

糸束が独鈷杵の刃から彼女を守り、糸は刃へ絡み始めた




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