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光ある概念の終日  作者: 茶三朗
参加ではない親交会
148/217

ミナールからの依頼 12

投げられ、先程のギポンブ戦により失くなった天井から広がる空に舞うアタッシュケースをミナールは指先からの放たれる光の力で撃ち砕こうとするも、隣にいたモトキの本能は警告する。撫でるように、明らかな嫌な予感が刺激してきた


「ミナール!伏せてろ!」


「へえっ!?」


思わずそれだけを叫び、彼はあの高所からこれ以上の落下を阻止する為に跳びはねると、アタッシュケースを胴体と腕を使い抱きしめる形で捕らえる

ミナールは床に伏せるも、指先はまだ向けている

しかし、彼女の指先から光を放たれることはなかった

モトキがアタッシュケースを捕らえた直後、光を握った拳を撃ち込もうとするも、寸前で凄まじい波打つ青き光の波動が全方向へ放出され、モトキの姿は一瞬にして空高くへと消えてしまう

その衝撃により親交会が開かれた会場、ロザ・ゴームは一度大きく揺れ、崩壊する


「どうやら、ぶっ飛んでしまったか、モトキの方が。飛んでいってしまうのか・・・あれでどちらかがくたばる、どちらともくたばるが良かった」


崩壊した会場の瓦礫の山に座る男は、落ちてきたアタッシュケースを掴んだ

あの飛び方は高くは上がるが、遠くに落ちることはないだろう。モトキが飛んでいった方角を目指す


「12部隊の隊長が一戦交え、目をかけるようになった理由をこの身に体感してみるか。ボス、同じ力を持つ者を同類として、その情を持ち慈悲を与えるつもりなのだろうとあいつは邪魔をしてきたんだ。悪いが、いずれあんたを倒す攻略の一手段の鍵をあいつから探らせてもらうことにした」


モトキの大まかな落下予測地点へ移動する。アタッシュケースの片方横側面に排気管に似た短いパイプのようなものが2本飛び出し、その上に乗ると青い光を噴射して宙を高速で飛ぶ

去った後、瓦礫の山の頂きよりミナールが埋もれる中からぶち破って現れる。辺りを見渡すが、モトキも、あの男の姿もない


「モトキ・・・」


彼なら大丈夫だろうが奥底での本心だが、ちょっぴり心配してしまう本音で名前を呟く

その心配の結末は、これより決まる。落下中のモトキは着地のことばかりを考えていたが、そこに男がアタッシュケースに乗り迫ってきた

ニハの時と同じ、青の光があった

右手に盾を出現させ、迫る男に向け投げる。投げられた盾の回転は竜巻となり、男を巻き込もうとするも彼はアタッシュケースから跳び、それを蹴り放つ

蹴られたアタッシュケースは盾と同じく回転し、それにより噴射していた青き光は光円となって竜巻を切断すると落下スピードよりも速くモトキに接近

だが、モトキは両手で上下から挟む形で捕らえた。見てくれは少しかっこ悪いが、身体への直撃を防ぐ

視線を前に戻すが、男の姿はなく、先に落ちたか?とも考えたが、上からの影を感じ気づいた。やつは頭上よりモトキに迫る


「くるか!?このやろう!」


握った右拳を向けている。何を仕掛けてくるのか、警戒ながらも先手として捕らえたアタッシュケースを投げ返す。ぶつけるつもりで

しかし、アタッシュケースは独りでに男を避け、その次の瞬間に右拳を放つ。パンチを撃ち込んできたのではなく、上腕部の先、前腕となる節から外れ、発射してきた


「なにぃっ!?」


声を挙げて驚いた。拳を放ってその威力により生じる衝撃や、属性エネルギーを飛ばしてくることはあったが、本当に拳自体を飛ばしてくるとは思いもしなかった

発射された右拳に、モトキもまた、右拳で迎え撃とうと放つも、ぶつかり合った瞬間にその拳からは振動が生じ、大気と空間に目に見えて振動の力による波が放射状に走る。最初にアタッシュケースで撲られた時とは威力も規模も格段に違う

モトキにその振動の威力を与え、放った右拳が押し切り、彼を真下へ一瞬にして落下させ、叩きつけた

一回の凄まじい衝撃音と共に、叩きつけられたことで地の砕かれた破片が飛び、戦塵が舞う


「生きてるか?生きてるなら、真っ二つにされようが、中身がぐしゃぐしゃのハンバーグ調理過程の挽肉になろうが治癒され、再生されていくはずだ。ボスはそうだった。ニハも確認済みだと言っていた」


いつのまにか戻ってきたアタッシュケースの上に乗り、降下してある程度地に近づいたところで男は降り立った。モトキの姿を確認する為、戦塵が収まっていく中を歩き、彼の落下地点へ足を進める

しかし立ち止まり、男は目を細めた険しい表情で、先の見えにくい戦塵の中で遠くを見つめる。そして、そのすぐに戦塵を搔き消し、剣を両手で握るモトキが姿を現わす。剣先を下に、地面から低空に飛び、素早く男に接近して下から斜めに斬り上げた

だが、発射され、失われたはずの男の右腕は突如として修復され、金属色の右腕が振り上げられた剣の刃を掴み止める


「その手、義手か?」


「そうだ。失われた理由など野暮なことを語るつもりはねーぜ」


両手剣の刃を力任せに握り砕いてやろうとしたが、足元の盛り上がりを察知した。刃を離し、ワンステップの後退で切り上げの斬撃を躱した直後、固い地面を突き破って盾が現れる

回転し、上昇した盾は男の着るパーカー紐の両先端を少し切断


(盾はモトキの手から放たれていた・・・)


盾はモトキの手に戻る。左手に握る両手剣の刃を食べの面に当て、引いて火花を散らしてから剣先を向けてきた。戦うしかないなら仕方ないと、そういったながらもやる気が湧いてきた顔


「やられるつもりはない、か。そうだ、そうだよな、俺ばかりが始末したい意欲の押し付け実行で終わるはずがなかった。争い事が嫌いと抜かしたり、なるべく戦闘は避けたくとも、奥底では闘争本能に逆らえなくなってくるんだ。ボスもそうだ。どうしようもない衝動だ、モトキ!本能に従えよ、モトキ!お前もどこか思い当たりと自覚があるんだろ、モトキ!」


「何度も名を呼ぶな、迷子のお知らせじゃないんだぞ」


男は自らに飛んできたアタッシュケースのハンドル部を掴んだ


「やってみろ、試させてみろ、ボスとどこまで同じなのかをよぉ!」


手前に落としたアタッシュケースは突如弾け、その破片が男の周りを浮遊すると全身に装着され、肌も、服も、頭部も髪も、全てを覆い尽くしていく


「ニハやセニーの衣服が弾け、それらが別の物質となり装着されていくといったものとは、似て非なるものか」


金属的な光沢のある!黒銀のアーマーが全身を覆い終わり、最後に眼部となる位置につり目状に赤ラインが走り、線は後頭部で繋がった

関節にあたる節々からは青い光が発光していた


「ボスは俺に、この性能と力を与えてくれた。これはセニーどころか、隊長を務めるニハなどとは比べものにすらならん攻撃面、防御面、性能の凌駕。他の革命軍のやつなんぞに苦戦した覚えがあるなら、手こずるだけでは済まされん・・・お手並み拝見でクライマックスにしてやる!」


「やってみろよ・・・!」


アン・ロートのちょうど中心にあたる大広間、中央に街のシンボルとして建てられた白レンガが目立つ高さ11メートルの時計塔の鐘がなる

力強く地を蹴り、その砕けた破片が舞う中、破片の落下スピードよりも速く迫り、モトキから仕掛ける。左手に両手剣を手に、右手には光を握り、拳を引いた


「お前の動きを予測させてもらう!」


両眼から薄い赤色をした光を展開、モトキのこれから行われる行動や攻撃パターンに効率、最善、最適解を導き出し対処や反撃を行う。しかし、余計を省き瞬時に何十、何千、何万のパターンを割り出せるはずだったが、モトキに対して「ERROR」の一文字が表示される


「できるかな?は、やはりダメが正解だった。ボスと一緒、やはり一緒、はい一緒!あの野郎に効果無かったものは控えておくことにした」


右腕が変形、三連式の筒状へと姿を変える。回転を始め、そこからスパークを纏った光弾が連続して射出された

モトキは高く跳び上空へ躱すも、追跡してくる

逃げるをすぐにやめ、光で作られた幾多のも剣を周囲に展開すると光弾へ向け放ち、最初に作り出した光の剣だけにとどまらず、次々に生み出し迎撃

右腕から光弾の連射をやめ、男は青い光を足裏と腰より噴射させ、高速でモトキのいる位置へと飛び、接近


「空を飛ぶことぐらいわけないんだ。見慣れてきたろ?」


右腕が開き、畳まれるように収まると変形、突起物の付いたひょうたん形のメイスとなり、モトキの頭部を叩き潰すつもりで、振り下ろす

しかし、一歩遅く放ってきたはずのモトキの右拳が先に腹部に触れた


「まだ右手に握った光の力は解かれてないぞーーーっ!!逆!鱗!パンチぃぃぃっ!!」


拳が最初に、次に白き光の力が腹部を貫いた


「この一撃で終われ!」


その右腕は光化していた。振り下ろされたメイスはモトキにに一歩届かず、意識が殴られたことへの痛みと自覚に追いつくより先に、男は下へ殴り飛ばされる

叩きつけられ、陥没した地の中心で青天の状態から、数秒の間を置いて起き上がった


「こんな痛み・・・あの日に比べれば、ただ痛いだけだ。そうだ、戦闘で受けた只の傷など記憶に残りはしない。経験したことのない、自分が生きてる内に経験することもなかろうと考える惨状体験、思い出したくもないのに思い出してしまう、その場で負った傷は何度も痛み、記憶に残るんだ」


相手にもだが、主に自分に言い聞かせるつもりで。腹部の装甲を突き破っていたが、修復される


「復元された!?」


「ただの金属ではないんだ。革命軍が生み出した生きてるメタルなんだ。このアーマーが破損されても、随時に修復される。あんたの持つ剣や盾とも違う、物に宿るおとぎ話の精霊とは違うんだ。ボスが与えてくれた力だ、もう右腕以外は失うつもりはない!」


右手のメイスが変形。一見、なんの変哲もない刃物へ変わるが、細かく小さな鋸状の刃となっており、電撃が走る

その電撃が溢れるほどに膨大となり、刃に集中的に集め、右腕を振ることで広範囲に電撃が解き放たれた

モトキは光を帯びた剣を大振り、道を切り開くも、すぐに電撃は密集して直撃。彼の叫び声が轟く

まともに喰らった。倒れるか?と思ったが足を踏み込み、全身より灰色の煙が立つも、一気に距離を詰め、両手剣で頭上めがけ振り下ろした

右腕先端の刃が上方へ薙ぎ払い、その一撃を受け、刃と刃が接触した瞬間に右手首辺りから2本の鎖が伸び、両手剣の刃に絡み衝撃と威力を和らげる

刃の1本だけで受ければ折られそうだったからだ


「与えてくれたやつに反逆の意を見せてたよなお前!」


「いずれの話だ!ボスも承知してくれているんだ!」


刃から発する少量ながらの電撃が、両手剣とチェーンを伝達して両者に流れ、その影響のせいだろうか、モトキの髪が荒々しく逆立った

受け止めた相手の両手剣と、モトキごと両断しようと刃に細かな振動を発生させ、火花が散り、金属が削らるような細かな音がし始める

また剣が折られるのは嫌なもので、柄を握る力を更に入れ、刃に鎖を絡ませ離れられない男ごと持ち上げると自らの真後ろへ頭上から叩きつけた

硬いものに硬いものが衝突した音が響く。地が砕け、男は首から上が地中に埋まる

残酷な追加攻撃を、その首へ身を低め足払いの要領で回し蹴りを放つ

だが、男の身に纏うアーマーの両足底から、三日月状の形が2枚合わさったかのような刃が展開され、左右それぞれの足底から計2枚が射出

1枚はモトキの足を、もう1枚は首を狙う


「うわっ!盾よ!」


男の首に回し蹴りが炸裂する寸前で思わず足を引っ込め立ち上がり、瞬時に出現させた盾で首を追う刃を受け弾く

足を狙ったもう1枚は、地に深々と刺さっていた

一度距離を置き、後退しながら両手剣の剣身に風を纏わせる

男は、頭部の埋まる周りの地盤を砕き、空中へと飛んだ


「見下ろす位置より、ロックオン!必要以上に穴の空けられたチーズの王様となれ!」


右腕は口の開いた老人を模した黒光りする砲身へと変形し、モトキのいる方向に向けると対象の身体中にびっしり照準マークが浮かぶ。彼だけはなく、周りの地面や近くにあるせいか時計塔にも照準のマークが。範囲をモトキを中心に絞れど、少しの無差別さはしょうがない


集電光(しゅうでんこう)!バーストミッション!」


「させるかぁぁぁっっ!!」


咆口に電撃が走り、発射されると同時に盾の面に光を溜めたモトキが素早く男のいる位置へ向け跳び上がる


「馬鹿だ!空中にいながら、こちらに来るは標的の標的だ!」


照準マークはよりモトキへ、そして容赦なく連続発射が開始。発射の反動で、徐々に上空へ上がっていく

盾は展開された光により面積が広がり、砲撃からモトキを守るも、威力凄まじく進みはするが押し返されそうであまり距離は進めてない。気を緩めば盾が手より弾かれるか砕かれてしまいそうだ

攻め負け、やられるかもしれない考えを捨て、意識を集中。これまでに何度かあり、後に起こる、現れる、何か凶暴性の面が出る恐れがありながらも気にするのをやめ、力を解放してみようと試みる

しかし、モトキは何故か盾を手から落とす。それから一瞬にして連射される光線がモトキに炸裂し、空中にて広大な爆発と光に包まれた

叫びも、何も聞こえやしない


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