第6章<最下位争い>
わずか1ゲーム差の対3組戦、1年生リーグ最終カード。
1試合目は終盤に4組打線が爆発して勝利し、ゲーム差は0。わずかな勝率の差で3組が4組を上回っていたが、ほぼ差はない状態で最終戦に。
雨が降る中で始まった試合。双方の先発は友田―河嶋。
雨に悩まされながらもこう着状態にも見える展開だったが、不運にも序盤で河嶋が打球を受け、今季2回目の負傷。その後を継いで神部が登板。絶対に負けないと意気込んでいたが、その気合いが裏目に出てしまう。ボールの出所が見えない投球モーションは肩に負担がかかっていたようで、神部も負傷。3組のキャッチャー・柴田、バッター・宮島が早期に気付いたため軽傷で済んだが交代となってしまった。
2人の負傷者のために勝ちたい3組。
最下位脱出を図りたい、最弱・4組。
両チームの意地が交錯する試合は、6回に3番・小崎が犠牲フライを放ち4組が先制点を挙げるが、直後の7回に逆転ツーランを許して3組が試合をひっくり返す。
わずか1点、されど1点。その1点を追いつけない4組は9回の裏。
2アウト満塁のチャンスでバッターは宮島。
凡退なら最下位確定、ヒットなら最低でも逆転。サヨナラになろうものならば3位浮上。
それだけの重い意味を持った彼の打席だったが、結果はサードライナー。4組の最下位が確定した。
1位・1組、2位・2組、3位・3組、4位・4組で終わった1年生リーグ
あとは秋季キャンプに入り、そしてオフシーズンと流れよく進むはずだったが、またも事件が発生する。
長曽我部が3組に、代替選手として神部が4組へと移籍したのであった。
第6章 あらすじ
テーマ:負けから得られる物