最終章<プロへの登竜門>
入学してから早くも1年半。
開幕からの大型連敗も懐かしい過去の記憶となり、最近では最弱クラス4組と言えども成長が実感できていた。神城や新本。宮島や神部についてもいい息抜き手段がみつからないという点は置いておき、野球技術の向上はめまぐるしいものがあった。
そんな彼らは運命のドラフト会議に向け、有終の美を飾るべくペナントレース最終戦に挑む。
試合は来季に備えてシーズン途中から導入されたブロック禁止の影響もあり、一歩も譲らない熱戦が繰り広げられる。
本崎・長曽我部両先発の好投。甘い球を見逃さない神城の打撃に、野手転向したばかりの新本の好走塁。神部の好リリーフに、貧打・宮島なりの得点に向けた貢献。意地と意地とのぶつかりあいは、最終的に4組のサヨナラ勝利にて幕を閉じた。
長く続いたペナントレースが終わると、彼らの真価を問うドラフト会議。
メジャー行きを表明していた鶴見は指名回避されたものの、多くの有力選手が指名を受けた。しかし宮島や、NPB初の女子選手を狙う神部を筆頭に、多くの生徒が指名ならず。
落胆する宮島だったが、その時、指名を受けていた他生徒からの急報。育成選手として宮島が指名を受けたというのである。
育成選手。決して評価は高くなく、契約金はなし、年俸も最低額。それでもプロに行くべきか。それとも大学・社会人などで力をつけて、上位指名を狙うべきか。拒否するにせよ、他の指名されなかった生徒に悪いという思い。そもそも自分に指名されるだけの価値があるのだろうかという疑問。多くの思いが渦巻くなかで、小牧の言葉で宮島はプロ入りを決意した。
時は流れ……
育成選手としてプロ入りした宮島だったがプロにて芽が出ることはなく、しかし彼の性格や能力を買われてブルペン捕手としてプロ球団に留まっていた。そんな中、彼の所属球団が優勝を果たす。嬉しい一方、選手として優勝に貢献できなかった思い。複雑な心情の彼であったが、直後のコーチや監督、そしてチームメイトからの歓迎によって彼は知らされる。
土佐野球専門学校の最大の教え。
勝利を得るために必要なのは選手の力だけではなく、裏方の存在も必要であること。そして今まで自分が支えられる存在であったが、これからは自分が支える存在になることを。
自分が選手外の存在でありなが、大事な立場にいることを。
<プロ野球への天道 完結>
最終章 あらすじ
テーマ:得る権利と果たすべき義務,裏方の存在
以上にて『本編』並びに『あらすじ』の完結となります
最終章については上記のとおり、テーマは『権利と義務』『裏方』の2点です。
が、日下田としてはこれまでの総集編、なかでも大きなテーマが上2つである。
との認識ではあります。
ただこのプロ野球への天道、全話通しての一番大きなテーマは
結局のところ『裏方の存在』についてとなります
どうせなら書きたいこともまだあるのですが、
これ以上書いてしまうとキリがありませんのでこれまでといたします
また他作でお会いしましょう。では!!




