飛来してきた転換期
ドォォォン!!!また隕石が落ちたのかと心を躍らせながら研究所へと向かった。
僕の名前は、星野竜平。ここ、日本一隕石の落ちる町「流星町」で隕石の研究をしている隕石研究者だ。この町には隕石と、それを見に来た人の笑顔であふれている。3年前出した隕石の論文が社会的に認められ、この町のはずれに研究所を置き研究をしているが、最近は新たな発見がなく退屈している。
「はぁ。今日も収穫は無しか。いい加減結果出さないと、研究所ともおさらば、か。」
研究所(兼自宅)のベランダで晩酌をしていた。その時夜空に一本の光が流れてきた。またいつもの流れ星か、と流していたが普段とは違う感じがしてきた。
「なんか近づいてきてないか!?」
とっさに扉の裏に隠れると、次の瞬間、
「ドゴゴォォォン!!!!!!」
という轟音と地響きに僕は包まれた。外に出て様子を見てみると、なんと庭に推定1.2mほどの隕石が落ちていた。しかもその隕石はよく見る石状ではなく、ガラス質のように透き通っていた。
「これはいいネタになる!」
そう確信した僕は、この石(と呼べるかは怪しいが)に触れてみた。
すると、ガラス質の表面から黒い液体のようなものが流れ出し、僕の体を覆った。驚くほどの速度で。その刹那、町のほうから悲鳴が聞こえた。体の奥底から感じる。「助けに行くのだ。」と。すぐに向かおうと足を進めたときものすごい跳躍力で吹っ飛びながらっ悲鳴のもとへ向かった。
ドォォン!着地しあたりを見回すと、衝撃が走った。見たこともないような異形の怪物が人々を襲っているのだ。今にも5歳ほどの小さな少女が襲われようとしている。思わず少女を背中で守っていた。泣き出す少女に背を向けて、怪物とにらみ合う。怪物が殴りかかってきた。パンチを躱して殴り返す。怪物が数メートル吹っ飛ぶ。先ほどの超人的な跳躍力を思い出す。体の中心からエネルギーが集まるのを感じる。天高く跳躍し、エネルギーのこもったパンチを繰り出す。怪物が爆散し、そのあとやっと「この怪物は何だろう。」、「なぜ超人的な力を使えるんだろう」と疑問の泡が浮かんできた。
そのころようやくパトカーのサイレンが聞こえてきた。パトカーから降りた警察は、焦りながら少女を保護し、僕に拳銃を向けてこう言った。
「動くな!怪物め!」
困惑しながらみたビルの大型液晶では、この場面が映っている。そこには、警察と彼らに拳銃を向けられる黒い怪物が映っていた。