間章:友人と過ごす夜
<方舟要塞>のある寝室にて――
二人の容姿が似た少女が、同じベッドで休んでいる。
一人は月の光のような銀髪をしていて、幼さの残る顔に微笑みを浮かべて、まるで素晴らしい夢を見ているようだ。
もう一人の少女は、空のような水色の短髪をしていて、薄く目を開けて夢の中の少女をじっと見つめている。
(リゼリア様…リゼ、まさか彼女にこんな過去があったなんて)
安らかに眠る銀髪の少女を見つめながら、エレノアの心には昔の光景が蘇ってきた。
当時の彼女は、今のように自由に体を動かせなかった。自我はあったが、それはまるで夢の中のようで、非常に曖昧だった。
しかし、彼女は自分の創造者であるこの少女が、仲間と一緒にいる時や外に出て探索する時に、いつも元気いっぱいの笑顔を見せているのを覚えている。それはまるで普通の女の子のようだった。
ただ、ほんのわずかな時間、正確には自分と二人きりの時だけ、彼女の顔に寂しさが現れることがあった。
創造物としてのエレノアは、主人の悩みを解決できると伝えたい気持ちでいっぱいだったが、声を出すことができず、ただ無言で見守るしかなかった。
(リゼ、本当に強い…これほど多くの不幸に遭っても、感謝の心を持ち続けている。たぶん、ユリオン様もそこに惹かれたんだろうな)
あの細い肩にどれほどの重荷が背負われているのか、想像することは難しい。自分に似た容姿を持つ明るく楽観的なリゼリアが、自分の知らないところでどれほどの苦難を経験してきたのかを考えると、エレノアの心に強い尊敬の念が湧いてきた。
(私も…彼女のようになれるのだろうか?彼女のように強く、どんな苦難にも屈しないように。いや…たとえできなくても、私は彼女のそばにいたい!過去の私は彼女の騎士であり、彼女の従者だった。でも今の私は、彼女――リゼリアの友人であり、これからも友人として、リゼと一緒に前に進んでいくんだ)
寝ぼけているのか、リゼリアは甘えるように頭をエレノアの胸に擦りつけた。
エレノアは驚いて目を大きく見開いたが、リゼリアの子供のような寝顔を見ると、優しく微笑んで銀髪の少女を抱きしめた。
互いの体温を感じながら、エレノアの意識も夢の世界へと落ちていった。
本作をお読みいただき、誠にありがとうございます。
これからも引き続き頑張って執筆してまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
最後に――お願いがございます。
もし『面白い!』、『楽しかった!』と感じていただけましたら、ぜひ『評価』(下にスクロールしていただくと評価ボタン(☆☆☆☆☆)があります)をよろしくお願い致します。
また、感想もお待ちしております。
今後も本作を続けていくための大きな励みになりますので、評価や感想をいただいた方には、心から感謝申し上げます!