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ギルドと共に異世界へ転移し、美少女ハーレムを手に入れた  作者: 曲終の時
第四章:滅びへと導く外来者――滅亡の序曲
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番外:方舟要塞の闇2【失われた宝物】

今回の内容はすべてAIによって翻訳されています。読んだ後の感想をぜひお聞かせください。読みやすかったでしょうか?不自然に感じたり、理解しにくい部分はありませんでしたか?皆さんのフィードバックをお待ちしています!

「──いったいどこに行っちゃったんだろう……ね」


整った顔立ちのエルフの少女、シーエラが、焦った様子で部屋の中を行ったり来たりしていた。


彼女は指先を軽く噛みしめながら、紅玉色の瞳に焦りの色を浮かべていた。


「ちゃんとしまったはずなのに……なんで一枚足りないの……?」


つい先日のことだった。エルフの少女、シーエラは新しくできた水上テーマパークで、愛する主人・ユリオンとの初めての野外プレイを経験していた。


その際、シーエラは密かに隠し撮り用の魔法アイテムを使って、獣のように自分を貪るユリオンの姿を何枚も撮影していた。


シーエラは非公開組織『ユリオン・ファンクラブ』の一員であり、普段からユリオンに関する写真を大量に保管していた。彼女は自分が持っていないコレクションを手に入れるため、同じ趣味を持つ仲間たちと写真を取引することもあった。


彼女たちにとって、レア度の高い写真ほど価値があり、もちろんこれらはすべてユリオンには内緒の「闇取引」だった。


今回の戦利品は、シーエラにとって計り知れない記念価値があった。


彼女の調査によれば、これまでユリオンの野外プレイを題材にした写真は出回っておらず、つまり今回の写真がユリオンの『初』野外プレイである可能性が高いのだった。


自分がその特別な相手に選ばれたことに感激しながらも、シーエラは記念撮影を欠かさなかった。


もしこんな写真が闇市場に流出すれば、どれほどの騒動になるだろう。ユリオンに憧れるNPCの少女たちが、一枚の写真を巡って激しい争奪戦を繰り広げるに違いない。


隠し撮り用の魔法アイテムには容量制限があり、回収できたのは50枚。その中から厳選を重ね、気に入った14枚を収納空間に保管したはずだった。


ところが、現在残っているのは12枚。紛失した2枚のうち1枚はユリオンの単独写真、もう1枚はシーエラとユリオンのツーショットだった。


「まさか……鑑賞しているときに落としちゃったの……?」


シーエラは必死に記憶を辿り、手がかりを探そうとした。


最後に分類作業を終えたのは一昨日の夜で、紛失に気付いたのは今日の夕方、約1時間前。その間、彼女は複数の場所で何度も写真を取り出して眺めていた。


普段なら屋外でそんなことはしない慎重派のシーエラだったが、今回は戦利品の貴重さに舞い上がり、まるで新しいおもちゃを手に入れた少女のように浮かれてしまったのだった。


「早く見つけないと……誰かに拾われたら大変なことに……」


ユリオンを含む7名の君臨者(プレイヤー)は、『ユリオン・ファンクラブ』の存在すら知らない。情報統制は完璧だった。


だが、今回のミスで組織が危険に晒されることになる。もしユリオンが、自分の写真が女子の間で密かに流通していることを知ったら……考えるだけで背筋が凍る思いだった。


シーエラはこれらの写真を使って、同好の士である『天狐姫』こと美羽と連絡を取り、幻のコレクション──ユリオンの『初体験』写真を手に入れるつもりだった。


『天狐姫』だけが持つ、原初級(Lv7)アイテムに匹敵する至宝だ。


しかし、この緊急事態で計画は延期を余儀なくされた。


今は失った2枚の写真を、7名の君臨者(プレイヤー)やクラブメンバーに気付かれずに回収することが最優先だった。


昨日寝る前には枚数を確認していたため、捜索範囲はさらに絞られる。


「──まずは今日行った場所を整理しないと」


シーエラは眉を寄せながら、昼間の行動を細かく思い返した。


この二日間、『方舟(アーク)要塞(フォートレス)』から出ていない以上、確実に拠点内で落としたに違いない。


候補となるのは《会長室》《会議ホール》《ギルド食堂》《美羽の個室》の4箇所だった。


「やばい……どれもまずい場所ばかり……」


前三者は公共スペースで、主人であるユリオンも頻繁に出入りする場所だった。


不安に駆られながら、シーエラは急いで可能性のある場所を調査し始めた。


怪しまれるリスクよりも効率を優先し、彼女は《探査魔法》を躊躇なく使用した。写真を見つければ所有者が自分だと判明するため、隠蔽工作より迅速な回収が重要だった。


一つずつ調査を進めるたび、何も見つからない現実がシーエラの心を重くしていった。見つからないということは、落とした場所が違うか、すでに誰かが拾ったかのどちらかだった。


足取り重く、最後の捜索場所である美羽の個室へと向かうシーエラ。


和室の内装は、ユリオンがアニメを参考にした古風な造りだった。


所有者である美羽──『天狐姫』本人は不在だった。


襖を開け、期待せずに《探査魔法》を発動する。


「──!」


これまでと違い、反応があった。


彼女は興奮を抑えきれず、目標へと駆け寄った。そして、和室の隠れた一角で、畳の上に置かれている二枚の写真を発見した。


「はぁ──よかった……まさかここに落ちてたなんて、昨日美羽と飲んでた時にこぼしちゃったのかな?」


『方舟要塞』の留守中、シーエラは時々この和室を訪れて、美羽と一緒に軽くお酒を嗜んでいた。今日の昼も、ちょうど二人は顔を合わせることになった。


「ん?」


シーエラが写真を手に取り、じっと見つめたとき、彼女はほんの少しの違和感に気づいた。しかし、その原因が何なのか、すぐには思い当たらなかった。


シーエラにとって、ここは今や敵の陣地であり、長居は無用だった。


だから、シーエラは疑念をひとまず心の奥に押し込み、できるだけ早く和室を後にすることにした。

※※※※※※※※※※


「ふふ~、彼女は来たわね――」


シーエラが去った直後、巫女服姿の狐耳少女、美羽(ミウ)が、先ほど『写真』が見つかった場所からゆっくりと身を起こした。


シーエラが物を持ち去ったことを確認すると、美羽は満足そうに口元を吊り上げ、艶やかな微笑みを浮かべた。


その後、美羽は慣れた手つきで複数の結界魔法を展開し、和室を外界から完全に遮断した。これで誰にも邪魔される心配はない。


そして、美羽は大きく開いた胸元から二枚の写真を取り出した。それは、先ほどシーエラが持ち去ったものと全く同じに見えた――いや、よく目を凝らして見ると、美羽の手にある二枚の方が『鮮明さ』で勝っているのがわかる。


そう、これこそが『原本』だったのだ。シーエラが持ち帰ったのは、道具を使って複製された粗末なコピー品に過ぎない。


とはいえコピー品と言っても、その差は解像度程度のもので、専門家でなければ気づくことは難しいだろう。


「あら~、時間がないわね。これから忙しくなるわ。」


美羽は妖艶に舌なめずりをしながら、写真を大事にしまい込んだ。


美羽の予想では、シーエラはすぐには写真を公開しないだろう。つまり、ユリオンの初野外プレイの場所は、しばらくは第三者に知られないままということになる。


この情報を手に入れた美羽は、現在この事実を知る数少ない人物のひとりだった。それこそが、彼女の持つ最大のアドバンテージだ。


美羽はすぐさま《伝訊魔法》を発動し、凪――『黒猫』へと連絡を取る。


約束の場所で会うことを取り決めたのだった。


今の彼女は、ユリオン配下の第一策士ではない。


《ユリオン・ファンクラブ》のメンバー、『天狐姫』として動いているのだ。


公務区域の城壁外、薄暗い路地裏の物陰で、黒いマントとフードで顔を隠した『天狐姫』は、同じく黒装束の『黒猫』を待ち受けていた。


「天狐姫殿。まだ取引の日ではないはずですが、本日はどのようなご用件でご連絡を?」


黒猫は淡々と尋ねた。


「ふふっ~~妾、重要な情報を売りたくて、わざわざ汝と話しに来たんだよ。」


美羽、いや『天狐姫』は、余裕たっぷりの微笑みを浮かべながら答えた。


「『情報』……だと?」


黒猫は目を細め、不審そうな表情を浮かべた。


情報特化型の職業を持つ彼女にとって、世の中で知らないことはほとんどない。


だからこそ、天狐姫が差し出すという『取引の切り札』に対して、ほんの少しの疑念が心に芽生えたのだった。


「汝は知っておるか? つい先日、主君が生涯で『初めて』誰かと室外で愛し合ったことを。」


「――!? な、なにですって!!?」


予想外の情報に、『黒猫』は大きな衝撃を受けた。


幸いにも『天狐姫』が事前に隠蔽結界を展開していたため、『黒猫』の叫び声が外に漏れる心配はなかった。


「場所はどこ!? 写真は残ってる!? 相手は誰なの!? うらやましすぎる!!!」


「ふふっ~~」


『天狐姫』は黒猫の問いには答えず、ただ口元に微笑みを浮かべるだけだった。


その様子を見て、天狐姫が全てを明かすつもりがないことに気づいた黒猫は、しょんぼりと耳を垂らした。


「妾は確かにコレクションを手に入れたわ。でも、今回の取引とは関係ないの。」


「……そうですか。では天狐姫殿、本日の取引内容は?」


『黒猫』が冷静さを取り戻し、話を本題に戻す。


「もちろん、主君初野外プレイの『場所』の情報よ。」


予想通りの答えに、『黒猫』は溜息をついた。


「やはりそうですか……ですが、拙者はただ言葉だけで信じるわけにはいきません。天狐姫殿、何か証拠はお持ちでしょうか?」


「あるぞ――しかし、まだ汝には見せられぬ。」


「うぅぅ……」


もし得意げにその写真を黒猫に見せてしまえば、彼女は卓越した情報収集能力を駆使して、あっという間に事件現場を特定してしまうだろう。


そうなれば、『天狐姫』の商売は成り立たなくなってしまうのだった。


「で、ではどうすれば……?」


『黒猫』が悔しそうに尋ねる。


待ってましたとばかりに、美羽は花のような笑顔を浮かべた。


予想通り、『天狐姫』は『黒猫』にとって痛手となるような高額の取引価格を提示した。


しかし、報酬として受け取るのはモザイク入りの低解像度なコピー写真。


それでも、黒猫は渋々ながら妥協するしかなかった。


しっかりと黒猫から大金を巻き上げた後、天狐姫は満足げにその場を後にした。


その後、水上テーマパークの一角は、『ユリオン・ファンクラブ』メンバーたちにとっての聖地となった。


ユリオンに憧れるNPCの少女たちが次々と訪れ、記念撮影をするようになった。


ユリオンをはじめとするプレイヤーたちは真相を知らず、なぜ突然観光名所ができたのか首を傾げるばかりだった。


ちなみに、シーエラが美羽に騙されていたことに気づいたのは、この情報がすでに広まった後のことだった。


激怒したシーエラが美羽と対峙することになるが──それはまた、別の物語である。

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