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ギルドと共に異世界へ転移し、美少女ハーレムを手に入れた  作者: 曲終の時
第三章:遥かなる場所からの侵入者
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Epilogue:不安の陰雲


<諸国連盟>内の魔物軍が壊滅したその日。


ある迅速な小隊が、森の中を自由に移動していた。


隊員たちは非常に特色があり、全員が亜人で、異なる種族から集まっている。


隊を率いているのは美しい女性で、背中にはコウモリのような翼があり、わずかに開いた口の端からは鋭い牙がわずかに見える。ヴァンパイア……これらの特徴から考えられるのはこの言葉だけだ。


この隊は<諸国連盟>の中心部――エルフの都市国家から、ある存在を追いかけてここまで来た。


「周囲に警戒を! 相手の速度が遅くなったわ」


声を発したのは、隊を率いる女性ヴァンパイアだ。


侵入した魔物を壊滅させる過程で、彼女は戦場の空に隠れた人物の姿を発見した。


その人物が侵入した魔物と関連している可能性があると考え、妹の忠告を無視して隊員たちと共にその後を追った。


超人的な身体能力と強化魔法の助けを借りて、相手を見失うことなく、厳しく追い続けた。


長い追跡の末、彼女たちが追い続けていた目標はついに飛行速度を落とした。


「ここは……魔境の森?」


自分たちがいる場所を見て、ヴァンパイアの少女はわずかに眉をひそめた。


彼女の口にした<魔境の森>とは、人間の国では「アルファス辺境大森林」と呼ばれ、大陸屈指の魔境であり、多くの凶悪な魔物が生息している。


「待って、彼が転移した! この時に<転移魔法>を使うなんて?」


「まさか、何かの囮?」


「<転移魔法>には距離制限がないはずだが、わざわざここまで来てから魔法で転移する理由は?」


小隊のメンバーたちが疑念を抱くのは当然だ。追跡対象の行動があまりにも不合理だったからだ。


「どうやら、私たちの注意をここに集中させたかったようね」


仲間たちの意見を簡単にまとめ、ヴァンパイアの少女は自分の推測を述べた。


「どうする?」


「撤退だ。これ以上深入りする必要はない」


追跡を続けるのが難しいと判断し、ヴァンパイアの少女は即座に撤退命令を下した。


この行動は元々許可を得ていなかったため、これ以上の計画外の行動は実行できないと判断した。


その後、小隊のメンバーからの報告を受けた<諸国連盟>の高官たちは、警戒態勢を維持し、一部の人員を魔境の森の周辺に駐留させることを決定した。


彼らは森林と魔物、そしてその正体不明の人物の間には確かに何らかの関連があると考えたが、状況が不明確であるため、自国の防備を強化することが優先だとした。


その後、聖国から「魔境の森を共に調査したい」という協力の申し出があった。


しかし、長老たちの討論の結果、その申し出は最終的に断られた。

※※※※※※※※※※

王国と聖国の混成部隊が完全に壊滅してから1ヶ月が経過した。


アルファス王国の王宮では、この問題を担当する貴族たちが集まっていた。


「本国から出動した600人の精鋭と、さらに400人の<聖堂騎士>が完全に消息を絶ちました……皆さん、どうお考えてるか?」


「おそらく全滅したのでしょう。あそこはとても有名な魔境から」


「しかし、同行していた<聖堂騎士>たちは、その森林を成功裏に探索した実績がある。それほど簡単に全滅するとは考えにくいだ」


「<聖堂騎士>の実力は一流だから……彼らがそのような状況に追い込まれるとは想像しにくいだ」


会場の雰囲気は非常に重苦しいもので、これまでにも同様の集まりが何度もあった。議題は異なるものの、いずれも「開拓村の壊滅」や「シルドの竜災」、「諸国連盟の魔物暴動」といった悪い知らせが多く、今回のニュースはほぼ最後の一撃となるかもしれない。


本国の精鋭<灰狼騎士団>600人以上が全員消息不明となり、<アルファス辺境大森林>の奥深くで消失した。


以前、王国は調査隊からの報告を受けていたが、それは伝訊魔法を利用していた。しかし調査が始まってから5日目には連絡が完全に途絶えてしまった。


「まさか……あの森林には本当に何か危険なものが存在しているのでしょうか?」


「バカなことを言うな!魔物やシルドの邪竜が森林内の誰かの指示で暴れているとでも言うのか?」


「しかし、今のところその可能性を完全に否定する証拠もない」


「どうするつもりだ?すでに都市を一つ失い、今度は本国の精鋭騎士団まで失った。この状況で、まだあの魔境の調査を続けるべきなのか?」


会議が行き詰まっていると、ある貴族が突然手を挙げて発言した。


「今問題なのは森林ではない。我が国が類似の魔物災害に対処できるかどうかだ」


「「「……」」」


その質問により、会場は沈黙に包まれた。すでに諸国連盟に壊滅させられた魔物大軍、シルドを壊滅させた邪竜の行方も依然不明である。


誰も、その凶暴な魔竜が再び現れないとは言えなかった。


「勇者……勇者を召喚しましょう」


この提案に、会場は混乱に陥った。


「な――!?」


「おい、本気なのか!?」


「勇者召喚は聖国と帝国によって明確に禁止されている……もしその二国に発覚したら、ただでは済まない!」


「本当にそのような手段を取る必要があるのか?少し焦りすぎでは?」


質疑応答に対し、その男性は落ち着いて手を挙げた。


「現状、我が国にはさまざまな突発事態に対応できる強力な戦力が急務だ」


「それが魔竜を打倒するか、または大量の魔物を撃退する助けになる。これによって国家の安定が保たれる」


「我が国は聖国や帝国のように強力な個別戦力を持たず、また諸国連盟のような複雑な地形もない」


「この状況では、異世界から勇者を召喚するのが最も直接的で効果的な方法だ」


彼の意見が述べられると、参加した貴族たちは再び討論を始めた。


しかし、いくら議論を重ねても意見は一致しなかった。


観望、賛成、反対、さまざまな意見が飛び交った。


「決定できないなら、この問題を陛下に上奏しましょう」


最終的に、ある貴族の提案でこの議題は一時的に保留されだ。


国王本人に直接上奏し、意見を求めることになった。


誰も予想していなかったが、この会議がアルファス王国の運命を決定することになった。

皆さん、ここまで読んでいただきありがとうございます!これにて、第三章の物語が正式に終了しました。これからも応援していただけると嬉しいです。


最後に――お願いがございます。


もし『面白い!』、『楽しかった!』と感じていただけましたら、ぜひ『評価』(下にスクロールしていただくと評価ボタン(☆☆☆☆☆)があります)をよろしくお願い致します。


また、感想もお待ちしております。


今後も本作を続けていくための大きな励みになりますので、評価や感想をいただいた方には、心から感謝申し上げます!


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