5/10
05 神さま
目が覚めると、夕方っぽい。
お腹すいたなとテントから出ると、あの人からにらまれた。
「何でまだいるのさ」
「本当に助けてはくれないの?」
本当に本当に面倒くさい。
無言でふたり分の食事を用意する。
あの人の前に食事を置いて自分はテントで食べようとしたら、
「話も聞いてくれないのね」
神さま、僕最近何か悪いことしましたっけ。
こんなひどい目にあうようなことの心当たり、無いんだけどな。
もういいや、聞けばいいんでしょ聞けば。
「事情、どうぞ」
食べながら、あの人の話を聞いてみた。




