第3話 超極限!スパルタ☆魔法トレーニング!
筋肉トレーニングならぬ魔力トレーニング
光魔法…使えそうだな…
名前の通り、洞窟を照らすのには光魔法がピッタリだと判断した。
よくライトノベルとかで
『体の中をめぐる血液のようなもの。これが魔法エネルギーだ』
ってやってるけど…
ステータス見てた時とか気になってたんだよね。
こう…じっとしてると分かっちゃうんだ。
心臓が鼓動してない。
心臓くん!前まではずっと一緒じゃなかったか!
なんで…なんで行っちゃうんだよ…!!!
…もしかすると精霊は血が通ってないのかも。
精霊って、よくエネルギーの塊という設定で登場することが多いからね。
魔法使っても大丈夫かな…MPとHPが共有されてるみたいなことはやめてよね?
…考えてても何も始まらない。
早速魔法を使ってみる。
意識を研ぎ澄ます。
あらぬ方向に向いた力が体の中を巡るのを感じる。
これが魔法の元…言うならば『魔力』…なのか?
意外と簡単に見つかったな。
血流が流れていない所為か、やけに静かだ。
このような環境で勉強出来たらどんなに良いか……
早速その魔力的なエネルギーを右手に集める。
十分に貯まったかな?…よし!
魔力の十分に集まった右手を洞窟の入口に向ける。
ここは試しにled電球の明かりを想像して、呪文を唱えた。
ライト!
『MPが足りません。』
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目が覚めると、目の前には何年も放置されて、草がボーボーになったような屋根なし井戸を、700倍原始的にしたような大穴。
その底から空を見上げたような景色が広がっていた。
…頭がクラクラする。
空はまだ青い。
気絶する前から数分程……長くて1~2時間ほどしか経過していないことが伺える。
洞窟の方へ目を向ける。
周囲は先端が少し焼けて、少しばかり黒く焦げた苔。
入口周辺は煤で黒く汚れていた。
えっと…ステータス
氏名-------
年齢 0歳
種族 インスパイア
性別---
ーステータスー
LV 1(5)
HP 10/10
MP -25/18
STR 20
VIT 40
DEX 3
AGI 6
INT 500
ースキルー
『鑑定』『状態異常完全抵抗』『超回復』『全ステータス10倍』『超隠蔽』『貫通』『炎魔法』『水魔法適正』『土魔法適正』『風魔法適正』『光魔法(1)』『闇魔法適正』『並行思考』『タキサイキア』『不眠不休』『必要食事量超軽減』『生殖機能低下』
ー称号ー
『憤怒』『神殺し』『アビス』『復讐姫』『人格なき学識』『禁忌』『法王』『管理者の加護』
うわMPマイナスになってるじゃん。
よく鼻血出なかったな…
やっぱこの体って血が通ってないよかもな…
MPの現在値の隣…MPの最大値…8増えてる…
これはあれか。魔法を使用したからか。
スキルの方は『炎魔法適正』と『光魔法適正』が
『炎魔法』と『光魔法(1)』になってる。
まぁ光魔法は分かる。洞窟の入口を囲う灰色の岩、それらの表面が、ガラスの表面を火で炙ったように黒くなっている。
相当な光量だったのだろう。
炎魔法はなんだ?
あまりにも強い光で、苔が焦げたからか?
取得条件曖昧だな…
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少ししか気絶していなかった?
…彼は気絶してたのではない。
ぴったり1日昏睡していたのだ。
彼は助かった…いや…助けられたのだ。精霊の体に。
もし血が通った生物が、一日中昏睡する程、自身の最大魔力量を超えた魔力を使ったら…
体中の血管が、血圧で崩壊。
数分で死に至るであろう…
そうならなかったのも血の通わない精霊の体のおかげ。
1日を要してやっとマイナス2桁程まで回復するほどの魔力。
これほどの量、全回復するのに、周囲を漂う魔力を吸収するのも足りず、
太陽光からの光エネルギー、周囲の熱エネルギーなどを吸収してここまで回復しただろう。
彼の寝ていた周辺の苔はまるで霜が降りたように凍りついていた。
気絶から回復したばかりの神経は、未だ回復の兆しが見えないようだ。
感覚が戻る頃には、既にこの苔も太陽の暖かな光により解凍されるであろう。
果たして彼はこの凍った苔に気がつくのだろうか…
『うわっここの苔凍ってるやん!』
気付くの早くない?
…せっかくカッコつけたんだから…
ちょっとは乗ってよぉ……(悲しみ)
『よし!MPの上昇も順調だな! 少しだけ気絶するだけなら大丈夫だし、MPが完全回復したらもっと練習しよう!』
…おい誰か止めろ。
ここまで読んでくれた皆さんありがとうございました。
とある行事が終わった関係で
今日から投稿ペースが
1日二部→1日一部へと減る可能性があります。
ご了承よろしくお願いいたします。
(あれ?逆じゃない?)
土日は1日二部投稿できる...と思われる。