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「旧作」闊歩する禁忌  作者: ふぇるさん
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第35話 左腕がすっポーン

皆様…気がついたでしょうか…



暗黒期から現代への移り変わり



国家間での戦争が終わり、世界は平穏に包まれた。


民たちは、重い税が軽くなり、兵役という死の象徴のようなものから開放される。と沸いたものだ。


だが、安全が保たれたのは政治的な面だけであり、病気の面では、最悪だった。


戦後、放置された死体達は、病気の温床であった。


死骸を漁りに来た動物や、魔物たちが持っていた病気が死体に移ったのだ。


その感染症は人々を蝕んで行った。


生活が楽になると喜んでいた農民、前線にて己の命を張っていた兵士、後ろでふんぞり返ってた貴族共




その病魔の手は、終戦まで戦争を漕ぎ着けた英雄にも、平等に伸ばされた。






体が動かない…体を動かそうとしているが、怠惰感がそれを遮る。


皮膚から血が出ているが、感覚が麻痺しているのか、痛みを感じないようだ。


変な鳥のマスクをした医者も、よく分からない儀式をした後、変な薬を置いていっただけであった。


もちろんそれの効果がある訳でもなく、症状は酷くなる一方。







そんな時、彼を救ってくれたのは、聖女様だった。





ーーーーーーーーーーーーーーーー







『2人とも…大丈夫か?』








石柱の密集地帯


あの大蟻の密集地帯から抜けて、少し進んだ所


数キロメートル前から、石柱が密集しているところがあったので、そこで休むことにした。



それでは我らの隊の状態を確認しましょうか。


初めに、俺こと北上 優斗


…左手がない


前回、腕が取れた時は、切れてしまった腕が残っていたので治せたが、今回は爆風でどっか飛んで行ってしまった。


回復魔法のレベルを50にすれば四肢欠損も治せるんだっけ?


前回のようには治せそうに無いので、回復魔法のレベルを早く50に上げないと…


目標が出来たな。






次にヴァイス


魔力切れで意識が混濁している。


どうやら、大蟻の包囲網を抜けた後

炎の壁を作った時、風を大蟻側に吹かせたのだ。


お陰で火の手が蟻側に向かい、最も心配していたこちら側に火の手が回る。というアホな展開になるのを防げた。


大蟻の数も減らせたし、これからのこの層の探索の心配事が減って助かった。

時間が経てば回復すると思うので、安静にしている。





最後にアビィ


怪我はあらかた治療したが、綺麗な金属質の甲殻に傷がついてしまったのが気になる。これは磨かなければ。


そして彼女の表情だが、あまり優れないようだ


あの距離をずっと走っていたんだ。

疲れるのも当然であろう。


いっぱい休んで休息を取ってもらわなくては…



自分の見た目が竜っぽくなった所為か、彼女の表情が読み取りやすくなった気がする。


この表情は…今まで見た事のない表情だ。




俺の読み取りでは、何やら悲しげな表情である。




もしかして、このブラックな環境下に晒され続けて生きる気力が薄れてきている…とか!?


ダメだアビィ!!俺より先に逝ったら許さんぞ!!




アビィの近くに歩み寄る


「!?」ビクッ



…そこまで驚かれるとおじさん悲しくなっちゃうぞ。




『…アビィ…前足後ろ足。どれでもいいから足出して』


「キュ?」


覚えていないようだ。

…ほら。約束したじゃないか。


後で足洗うって。








『トロプフェン』



水属性魔法の使用可能魔法の欄にあった魔法だ。


俺の手元には、水のボールのようなのが現れた。


こいつ!!物理法則を完全に無視してやがるぜ!!

空中に浮いた水玉に手を触れる。



ぼよょょょょーん



!?


ダメだ。意味がわかんねぇ。

なんで弾力があるんだよ。



…まぁ、これで洗えるだろ。





ーーーーーーーーーーーーーーーー




アビィは戦慄した



魔法の使えない彼女でも分かる。

この、魔力が篭った水の塊は危険だと。



彼女の本能が告げる。


『逃げろ』と


だが、彼女はその場から動けなかった。


彼女は、このユウトの行動を何となく理解してしまった。


彼女は、どこからかの風の噂で、こういうことわざを聞いたことがある


『角には角を、尾には尾を』


角を折ったら、折った者の角を折る

尻尾を切ったら、尻尾を切った者の尾を切る

という意味のことわざ。どうやら、ドラゴン界では、有名なことわざらしい。


ユウトの左腕が無くなったのは私の責任であり、その罪は必ず償わなくてはならいのだ。


彼女は、ユウトの欠けた腕…左前足を差し出す。


彼女の目には、大粒の涙が…




ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーー










『~♬』ピシャピシャ


俺は今、アビィの左前足を洗っている。


あの、ぬかるんだ道の土が、頑固な汚れとして、甲殻にくっついてしまっているのだ。




なかなか落ちねぇな…




『お湯加減はどうですか?お嬢さん。』


魔法で作った水…なんの細工もしていないので、冷たい水のままだが。


アビィの方を見やる



彼女は、不思議そうにこちらをじっと見つめている。


ただ、彼女の目には、涙が流れた跡が…



いやなんで泣いてんの!?


もしかして、この子水嫌いだったり?(猫かよ)



どうやら、思っていた結果とは違ったような反応だ。



『…えっと…ほら、約束したじゃん?足洗うって…じゃあ次は右足行こうかな。』




『「…………」』




ムギュ……





ーー俺は今、アビィに抱きしめられています。


さっき目が覚めたヴァイスにも抱きしめられています。





ほら、これじゃあ右手が洗えないでしょ。




アビィという名前に違和感を持ったあなた…勘が良いですね。


アビィの名前の由来ってなんでしたっけ?


確か『アデュリオドラゴン』の頭文字『アデュ』から取ったものでしたよね?


あれ?おかしいぞ?


なんで『アデュ』が『アビィ』になっているんですかね…


…すいませんでした


アビィのお名前のことで皆様にお聞きしたいのですが、もし、これからの彼女の名前なのですが、


『アビィ』と『アデュ』のどっちがいいですか?


良ければ、コメントにて回答して頂けるとありがたいです。

このアンケートの締め切りは、日曜日の12時ぴったりとさせていただきます。


(もしかすると予定より遅れる可能性があります。その場合は御容赦よろしくお願いします。)


本当に申し訳ありませんm(_ _)m



【このアンケートは締切ました。ありがとうございました。】

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