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「旧作」闊歩する禁忌  作者: ふぇるさん
29/58

第25話 勇者?

異世界転移!?




ここはとある平行世界のとある島国




「あぁー…だりぃょぉー…」


私はとあるラストティ王国の伯爵家の…落胤(らくいん)


私は正室でない女性から産まれた子供…父はそれを良くは思っていなかったらしい。


私は父に、正式な血統の一族として見なされていない。


父は私のことを世間から隠したいようであった。


…私は産まれてこの方11年は屋敷の中で軟禁されている。


こっそり外に出ようとも、召使い共が全力で追っかけてくる。



「はぁ…こんなこと勉強しても役に立つわけないのに…」


私は今、礼儀作法の教科書を読んでいる。


どうせ20歳になったら、この屋敷から追い出されるのだ。


やるんなら、少しでも役に立つ計算とか勉強して、官職にで就きたいものだ。






「はぁ…お外行きたいなー…」









その願いが神様に届いたのか


彼女の真後ろには、真っ黒な魔法陣が展開される…




その陣の中からは、真っ白な手が…



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」




あれ?そこは『きゃぁぁぁぁぁぁ』って甲高い声で叫ぶ所じゃないの?





普段誰とも喋らない彼女の声帯は少し鈍っていたようだ。





「どうしましたか、お嬢様?またおもらししたんですか?…しょうがないですね。えヘヘ……あれ?」



召使いが部屋に入る頃には時すでに遅し。


彼女の姿は霧となり闇となり…


「おじょう…さま…?」







ーーーーーーーーーーーーーー






「旦那様!!ベルティエお嬢様が!!」


「また抜け出したのか?…ふん…あんな奴もうほっとけ…」


「ですが!」


「安心しろ。あいつの事は公に出してはおらぬ。もしあいつがこの家名を名乗っても相手にされないだけだ。」


「くっ…」


…彼女の父はマジモンの屑であった。






ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー







ここはギルティノ帝国




現在、魔王を倒すべく、異界から勇者を召喚しようという試みが行われている。


もちろん他の平行世界に干渉することなどできる訳もなく、苦戦しているようだ。



「ここはこの術を足して…」


「地脈のエネルギーを利用すれば…」


「○○○を媒体にして…」


今日も今日とて、研究員さんが頑張っているみたいだ。



地面の陣は、既に魔法陣と言っていいものなのか判断に苦しむほど混雑している。


魔法技術がもっと進んでいれば、この陣も少しはコンパクトになったであろう。


「カラナ様…これなら…」


「あぁ…行ける!みんな配置についてくれ!」


真ん中で指示をしている女性…名前をカラナと呼ぶらしい…


あれ?この名前聞き覚えが…というあなた!記憶力いいですね。


カラナ魔法学校…この世界で1番敷地面積が広く、施設や教材なども、国の支援などにより充実している学園…

(23話を読み返してくるのだ。さすれば全てが分かるであろう。)



カラナ魔法学校…その名前の由来…チェーザレ・カラナ


何百年もの月日を生きてきた…まさに生きる伝説と呼ぶべき人物。


彼女の魔法技術は凄かった。


魔法だけなら彼女が人類最強と唱える人も少なくない。


暗黒期の戦争で、要塞を1人で落とした。という話まで…


そんな彼女も今は丸くなったようだ。


今は学校を構え、若い世代の教育に力を入れている。







彼女以外の研究員は陣の人間1人入れるほどの大きさの円に立つ


彼女は中央で術を唱えてるようだ。



「・・・クロイツ・ユーヴァートレーテン・ツヴィンガー・・・」



術を唱え終わるまでもう少し時間がかかりそうだ。






ーーーーーーーーーーーーーー



重低音が部屋中に響く。


カラナの白衣があまりのエネルギーでめくり上がる…


(もちろんラッキースケベ的な展開はない。スカートじゃあるまいし、ちゃんとズボンを履いている。)




魔法陣を描いていたチョークが浮かび上がる。


その他の小物も浮かんだ。どうやら物理の概念が、この部屋の中だけ崩れ始めてきたようだ。


魔法陣が禍々しく、黒色に輝く。


中央。カラナの目の前に、真っ黒な穴が発生する。



「開いた!!」



「カラナ様!早く!陣が閉じてしまいます!!」



「分かっている!」


彼女はまた、術を唱えながら、これで数百歳とは思えないような、まだ育ちきっていない幼い手を穴の中に入れる。


「よし!捕まえた!」


「引っ張れぇぇええええっ!!」


「…凄いエネルギーだ!これなら!」



プラズマが発生する。


彼女の手が焼けて来たようだ。


「くっ!」







轟音と共に救世主が召喚された。















「ぁぁぁぁぁぁぁぁ…あ?…あれ?」




魔法陣から出てきたのは高貴な格好をした、まだ成人していない少女であった。




ーーーーーーーーーーーーーー



!!!?!!?!?!!?!!!!?!


ここどこ!?


薄暗い部屋の中


床には子供の落書きを極限まで極めたような、絵なのか文字なのかがぎっしりと…


そして私を取り囲むように6人のフードを被った人が。


そして目の前には両手に火傷を負った少…幼女が…



「だ…大丈夫!?」


私に気がついた彼女は私の前に跪いた。


「いきなりお呼びしてしまい申し訳ございません。本日は、救世主様にお願いがありまして…」



いつ間にか黒フードの人達も跪いていた。


え?何?私が救世主なの?



「魔王退治にご協力を…」



なんか言ってる。何?どゆこと?


私が魔王を倒せばいいの?




この展開は、お屋敷の書物の中に入ってた絵本に似てる。


異界から召喚された救世主がドラゴンを倒す物語…


書物に入っている絵本がそれぐらいしかなかったから、その頃の私は穴が空くぐらい読んでたな。




んんん?

ということは私、異世界の救世主になれる感じ?えっ!?私弱いよ?



「喜んで…って言いたいところなんだけど…私弱いよ?」



「いえ…これで弱いとは…貴方様からは、とても強い魔力を感じます。今一度ステータスを確認なさっては?」



「は…はぁ…」








氏名 パヴェル・ベルティエ


年齢 11歳


種族 人間


性別 女



ーステータスー


LV 1


HP 500/500

MP 2000/2000



STR 10

VIT 400

DEX 500

AGI 500

INT 430




ースキルー


『光属性魔法適性』『計算処理(23)』『完全防御』




ー称号ー


『救世主』『成り上がり』



ー資格ー


『礼儀作法(6)』『裁縫(5)』




えっ!?1部を除いてステータスが凄い上がってる!?


「えっと…私str10しかないよ?」


「えっ…」



「もしかして失敗してしまったのでは無いですか?」


「馬鹿野郎!失礼だろうが!」



黒フード共はコソコソ言っているつもりなのだろうが、よく聞き取れる。



「す…すいません…LVはいくつでしょうか?」


「1です(ドドン!!)」


「OH……」



「で…ではもし良ければ、他のステータスの値を…」



「HP500 MP2000 VIT400 DEX500 AGI500 INT430です」


「は?…えっ!?」




「嘘だろ!?LV1で400を越えているだと!?」


「そうか…彼女は前線を張るタイプじゃなくて、魔法の遠距離からの攻撃が得意なタイプなのだな。」


「なるほど。」




あっなんか褒められるのいい!!






「これならカラナ様の学園で…」


「そうだなそれが良い。」


「ん?私学校行くの?」



「はい救世主様。もし良ければの話なのですが、これから魔法学園に通って訓練を受けていただくことにしようかと…」


学校か…そう言えば私、来年には学校に行ける年齢なんだよね。


父は許してくれる気配はなかったけどね…



「ぜひお願いします!」


「!!良かった…では手続きはこちらの方でさせていただきますね。」


「私、11歳だから来年からですよね?」


「それなら、学園に入学する前はこちらで訓練をしましょうか。」


「はい!」







異世界の学校か…楽しみだなぁ…




「そういえば、何か質問等はございませんでしょうか?答えられる限りお答えします。」



「それならこの国のことについて教えてください!私この世界に来たばっかりで、右も左も分からなくて…」


「あぁ!そうでしたね、すいません。いきなり知らない世界に呼び出されたら困っちゃいますよね。」


「ははは…お恥ずかしながら…」



「ではまずこの国名から…この国の名前は、」














「ギルティノ帝国です!」












なるほどなるほど…よく耳に挟む名前だ。


あれ?うちの同盟国…





…異世界転移してないじゃん。

(絶望)











ラストティ王国は、ギルティノ帝国と、長い年月同盟を結んでおり、友好関係が深い国である。





どうやら北上のいる世界に救世主が転移(誕生)したみたいです。



同世界転移でした。

^o^

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