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「旧作」闊歩する禁忌  作者: ふぇるさん
27/58

第23話 強くなりすぎた魔法

蜘蛛さんのライフはもうゼロよ!


アデュリオドラゴン…ヴァイス命名アデュちゃんの鱗には、


小学生ほどの大きさの、黒い甲殻に覆われた、二足歩行の竜が反射して映っていた。




『アデュ…ほんとについてくるんだね?』


「キュッ」コクコク


そうか…参ったな…



もし、アデュがついて来ることになると大きさ的に、この地下峡谷の上と下を繋げる坂道が使えなくなってしまうのだ。


『…どうしよう』


「キュッ」


『えっ?乗れって?』


コクコク


ーーーーーーーーーーーーーー


黒色の竜が2匹と真っ白な精霊が1人峡谷の底を進んでいる。


1匹の竜は、体全周囲が黒っぽい金属質の甲殻に覆われている。


その上に乗る黒色の竜は、体が完全に黒1色に染まっている。


種族名を『エイビス』という。


見た目はヴィーグル…

『カラナ魔法学校出版 使い魔大全』の最初のページに乗っているほど有名な竜に酷似しているが、サイズが異様に小さく、そして甲殻の形も所々違う。


だが、恐らくカラナ魔法学校の教員は、こう答えるだろう。


『これは…ヴィーグルの赤ちゃんですね。』

『いや…これってヴィーグルの亜種なんじゃないの?』

…悲しい事に、それほどまでにエイビスの知名度は低いのだ。



そしてその上に乗る真っ白な精霊


魔法か何かで姿が見えなくなっているようだ。


俺じゃなきゃ見逃してたね。



ーーーーーーーーーーーーーー




ここか…


アデュの連れて来た場所は緩やかな上り坂となっている洞穴だった。


『光球』


完全に空気と化した光球君をもうひとつ出現させて、1歩先に進ませる。


この洞窟は螺旋状になっているようだ。


『先を進もう。』


コクコク






螺旋状の坂道を登り切るとそこはまだ元の岩がゴツゴツしている洞窟であった。


この道は横穴が、『神の門』から入ってすぐの洞窟よりかなり多い。


奇襲される恐れがある。気を張ってゆかねば…


道幅は、大体電車が1両通れる程


中央を通って行けば、死角から奇襲されても、ある程度対処できるだろう。



『気をつけてくれよ。ここは死角が多い』


「クルッ…」

「うん」





…ん?


光球に照らされて何かが光るのが見えた。


「ユウト…どうしたの?」


『いや…なんか糸みたいなのが…これ…蜘蛛の巣か?…すまないアデュ、そのまま前を向いたまま後ろに下がってくれないか?』


「キュァ…」





…カサカサカサカサカサカサ



うわっキモッ!!


前方からは、俺の半分ほどの大きさのタランチュラのような蜘蛛が、俺たちを逃がすまいと追ってきた。


口にはヴァイスの身長程の牙が。


これは噛まれたらまずいな…




『アデュ逃げろ…』


と言いたいところだったが、いつの間にか囲まれていたようだ。


『「「……」」』


『アデュ…後ろ頼めるか?』


「キュッ…」コク


『ヴァイス…離れないようにちゃんと捕まっててくれよ。』


「うん。」






右手を進行方向に向ける。











『プラッツェン!!!』




爆風が前方に広がる。



魔法の爆風で、10メートル程離れた場所にいたやつまでは全滅したらしい。


…あれ?全滅?『プラッツェン』ってこんなに強かったっけ?



後続は先程の魔法で前に出るのを躊躇っているようだ。






この距離じゃ威力の減衰があって、ダメージ通らないか。


ここは投擲系の魔法を。



『グレイ』


光属性投擲魔法の『グレイ』を飛ばす。







パァァァァァァァァァン!!!




爆竹のような、大きな破裂音がした。







『グレイ』の着弾した直線上の地面がえぐれている。


まるで月の表面のクレーターのように。


…さすが上級魔法。




…じゃなくてえっ!?おかしいよね!?数日前までは水風船みたいな威力だったのに。

(水風船7個でサソリって殺せるんだね!知らなかった!)


やはりあれか。strが爆上がりした影響か。


まぁともかく前方にいるヤツらをぶっ飛ばしとこう。(極論)


『アオス・ブルフ』


前方が真っ赤に染められる。



後に残ったのは、表面が溶けてマグマ状になった洞窟が。



んんん?????



『アデュ…こっちは終わった。そっちは大丈夫か?』


アデュの方を見ると周囲には数匹の蜘蛛の死骸、そして肝心のアデュは、口を開けてこちらを見ていた。



彼女がぼやけている間に、甲殻を食い破ろうとしてた蜘蛛たちは、逆に牙が折れて可哀想なことになっていた。


『アデュ…蜘蛛ついてるぞ。』


アデュにくっついてた蜘蛛を掴んではマグマと化した洞窟へ放りこんでいく。


蜘蛛が噛んだ場所はキズが全くと言っていいほど、付いていなかった。さすがvit50000。






『レベルが上がりました。』







『お疲れ様…申し訳ないが、この先の洞窟…加減を間違えちゃって溶けちゃったから、固まるまで休憩な。』




「「………」」




ユウトは大きな勘違いをしていた。


彼女達が静かになったのは、休憩して静かになったのではなく、自分の魔法によるものだと。




…もしかするとアデュって戦闘慣れてない?(ブーメラン)






ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー






30分程待っただろうか。固まる気配がない。


…ついでに水魔法の練習でもしてるか。







既にヴァイスとアデュは少し後ろの螺旋状の坂の所へ避難している。


よって存分に魔法を使っても影響は出ないでしょ(適当)


ええっと…水魔法水魔法…





水魔属性使用可能魔法



『ブラーゼ』『フルス』『フリーセン』





ええっと…どれにしようかな…っと



『フルス!!』


ドドドドドドドドド…



腹の奥底から揺れるような振動と共に大量の水が現れた。


あれ?これ水魔法の初期状態で使えるやつだよね?



当たった瞬間、溶岩の熱を奪い、水が蒸発していく。


もちろん蒸気も溶岩に熱せられ高温になる。




『うおぉぅ!!あっつ!あっつ!!あちぇぁ!!』


…もちろんその蒸気は自分の方にも帰ってくる。


おいint3万…何やってんだよ。



『炎耐性を得ました。』



どうやら状態異常完全抵抗は、属性攻撃までもはレジストしてくれないみたいだ。





うおっあちぃっ!!


熱がる彼とは裏腹に、水魔法は発動し続ける。






たくさんの応援ありがとうございます。


ブックマーク、評価、コメント、本当に励みになります。



よければこれからも応援よろしくお願いします。


m(_ _)m

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