第17話 先へ先へ
誤字の修正は7時頃するつもりです。
「ユウト左手がっ!!」
『むむむ』
「そんな…これじゃあもう…」
『大丈夫。くっつくから。』
「ごめんなさい…私がもっと早く…」
『大丈夫やで。くっつくから。』
「えっ?」
『ヴァイス…申し訳ないんだが、俺の左腕持ってきてくれないか?』
「え?…えっと…うん。」
持ってきてくれた左腕と、肩の切断面を合わせる。
…超回復と魔法『回復』を併用する。
ちゃんとくっつくよね?
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
……少し昔話をしよう。
それは、200年前時代は暗黒期。国々は戦火に包まれていた。
大陸の端の方の小国も例外ではない。
大陸の北の方に位置するヘルナヴィエ王国は、帝国の圧倒的な軍事力に圧倒され、既に前線はとある森まで押されていた。
少年や老人は、最前線に駆り出され、戦えない女性は、衛生兵として怪我人の介抱を行った。
帝国の戦略的要所を迅速に確保する戦法は、実に効率的であり確実性があった。
とある少女ヘレナは、包囲されかけていることに気が付き、動けない患者を置いて前線から撤退しなくてはならなくなった。
彼女は己の非力さを怨んだ。
自分に、この傷を治せる力があったら。
『空白の時代』の魔法技術に劣るこの時代の魔法は、部位欠損の怪我を治せるようなものではない。
彼女は願った。
『私に力をくれ』
と
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
『ふぁぁぁ……』
……眠くないのに退屈で、あくびが出てしまった。
ずっと左手を持ってたので、右手が疲れる。
ん?
あっ…もうくっついてる。
左腕を動かす。
ぶんぶんぶんぶん
「えっっっっ!?」
『称号【聖女の願い】を手に入れました』
『えっっっっ!?』
ここはヴァイスちゃんが驚いて、俺がドヤ顔する所だったのだが、俺も驚いちゃった。
『聖女の願い』
修道女見習いは後に聖女と呼ばれるようになった。
彼女は、悪魔に呪いを受けることを対価に力を得た。
後に契約期間が過ぎると、その見た目は魔物に変化した。
彼女は、かつて命を救ってきた人達により殺された。
…彼女は何のために生きてきたのであろうか。
うわっ話が重い。
なんで今これを手に入れたんだろ。
…まぁ今考えてもしょうがないか。
それよりもくっそ腹減ってきた。
『超回復』の副作用か。
『ねぇ。ヴァイスちゃん一緒にご飯たべよ。』
「!!??!??!」
困惑しているようだ。少しそっとしてあげよう。
ーーーーーーーーーーーーーー
けぷっ
フェルマジロのお肉、これ完全に豚肉や。こんがりと焼けててめっちゃ美味かった。
ヴァイスちゃんはどうやら、周囲の魔力を食料としているらしく、ご飯は食べられないらしい。
なんか可哀想なので、さっさと食べちゃうことにしたのだ。
『なんかごめんね。』
「だ…大丈夫だよ?」
なんでハテナ付けたし。
徘徊者が戻ってくる可能性があるので俺達も移動することにした。
フェルさ…フェルマジロの巣は既に血の臭いを嗅ぎつけた魔物で埋め尽くされていた。
この数を相手にするは流石にまずい。
最初にこの巣に入って来た通路は、既に魔物の出入りする道となり、そこから元の場所に戻るのはリスクが伴いそうであった。
しょうがないので巣から繋がるほかの横穴を通るとこにする。
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
…1時間ほど進んだ所だろうか。
洞窟の中一面が全て水晶のようなもので埋め尽くされている。
「わぁ…綺麗」
ヴァイスちゃんは落ちている綺麗な水晶のようなものを拾っている。かわいい。
『これ、ネックレスとかにするといいかもね。』
「うん。」
ちなみに俺も彼女に内緒でめっちゃ拾ってる。
拾う度に『深淵』に仕舞っているので、俺は手ぶらだ。
『持ってるの大変そうだから、俺が持っとこうか?』
「ううん大丈夫」
とか言っときながら重そうなんだよな。
ヴァイスは俺の身長の約半分
もちろん持てる量も少ない。
それを無理に持っているのだ、ちょっと足がガクガクし始めている。
『深淵』
ぽいぽいぽいぽぽいぽい
ヴァイスの持っている水晶のようなものを入れていく。
『これからスタミナは重要になってくる。あんまり無理はしないでね。』
「…はーい。」
ヴァイスも納得したのか、渋々承諾した。
ーーーーーーーーーーーーーー
少し深い地下峡谷だ。
水晶の洞窟を進んでたらここに出た。
『光球』の明かりだけでは底まで照らせないようだ。
この峡谷も水晶のようなもので包まれており、『光球』に照らされて輝いている。
ここで進化してもいいけど落ちたら怖いな…
洞窟と地下峡谷の狭間、人間が1人通れるほどの通路を見つけた。
どうやら底まで続いているらしい。
…底の方なら進化出来る場所があるかな?
またまた、水晶のようなものを拾っていたヴァイスに声をかけ、下に降りることにした。
あとがきはないよ!!ごめんね!!




