第16話 覚醒する深淵
最近投稿ペースが落ちて来ました。
再来週あたりから、また1日2個投稿が出来ると思います。
それまでは、1日1つのペースになりそうです。申し訳ないです。
m(_ _)m
15話の内容を弄りました。申し訳ないです。
「もう時間が無い」
『うん』
「本当は色々な事を君に教えたかったんだが…事情が変わった。今回は君に、力を一時的にだが貸す。」
「エネルギーの譲渡は、距離の減衰があってだな。足りない分は、話す時間を削ってそれを変換したんだ。」
「俺からこちらに出向いたのも、もう時間がないからなんだ。」
「だから今度…次は、『神の門』よりも深い所で会おう。」
「死なないでくれ…今、俺から君へ言たいのはそれだけだ。」
彼、深淵の手が俺の頭に触れる。
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土砂が、爆音と共に崩れる瞬間
徘徊者が、大鎌を逆手に持ち、姿勢を低くした。
空気を切り裂く音。
徘徊者の手から離れた大鎌は、崩落する土砂に滑り込み、空間を切り裂く。
土砂を通過してもなお、その大鎌は目標を目の前に捉えていた。
視界を遮る砂煙が切り裂かれる。
「ユウト!!」
彼の左腕が、体から切り離された。
『深淵【禁忌】が開眼しました。』
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生前以来の心音が今、体から発せられる。
体中の魔力が力を蓄え、鼓動しているように膨れ上がっているようだ。
体を巡るエネルギーは、その行き場を探している。
『滅槍!!』
体中の魔力がここぞとばかりに放出される。
体の中の”何か”が壊れる音がした。
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『滅槍【開眼】』
過去にこれを発現できた者は、ひとりの英雄のみ。
黒く染まった彼の想いが、この槍に宿っている。
空間を割く音は、まるで彼の叫び声のようだ。
体力を削り、槍にする。
削った分だけ威力が増す。
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徘徊者が土砂をのけて部屋に入ってくる。
大鎌を無くした彼は、両手を掲げ、何かを唱えているようだ。
…まだ俺の『滅槍』は発現に時間がかかりそうだ。
耐えられるか?
『デューォ』『デューォ』『デューォ』……
『滅槍』の術式の言葉と言葉の合間に身体強化の呪文を唱える。
これにより『滅槍』を発言するのと同時に身体強化魔法の重ね掛けができる……んじゃないかな?
…ぶっつけ本番だったけど結構出来るもんなんだな。
『…ヴァイス!俺の後ろに!』
「う…うん!」
ヴァイスに魔法を撃たれたらたまったもんじゃあない。
もし、この術が失敗したとしても、すぐ抱えて逃げれるように、今はできるだけ近くにいて欲しい。
ヴァイスが俺の後ろに隠れるのと同時に、徘徊者の魔法が放たれた。
色的に闇属性魔法、投擲系だろう。
無数の黒色の魔力の塊が、こちらへ向かってくる。
『タキサイア』が発動する。
直に魔法のエネルギーを受けないために、角度を付けて受け流すようにする。
一発目。
右足の甲殻に被弾
表面が破壊されたが、まだ動きそうだ。
良かった。
二発目。
元あった左手の部分を通過。
被弾はしなかった。
三発目。
鈍い音を出して腹に被弾した。
爆発音と共に、肺の中の空気が全て吐き出させられる。
まだだ。まだ術を止めるわけにはいかない。、
4発目。
ちょうど頭の部分。
甲殻が割れ、脳に衝撃波が伝わる。
激痛が走り、崩れ落ちそうになる。
ここで気絶したら終わりだ。
もう少し…もう少しで…
5発目…
『滅槍』の術が完成した。
1本しか出来なかったが、それで十分だ。
残った右手を徘徊者に向ける。
『飛べ!!』
滅槍が、叫び声を上げる。
徘徊者の5発目の術とすれ違う。
その槍は、前へ突き出された両腕を掠り、腹へ吸い込まれていく。
徘徊者の右腹を貫いた。
『爆ぜろ!』
その槍が、最後の叫び声を上げるのと、俺に徘徊者の魔法が直撃するのは同時であった。
上下が反転する。
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『はぁ…』
退けられた土砂の狭間からは、血の道が、
仕留めきれなかった。
あの滅槍3本以上敵に刺さってないと、最後のプロセスが完了しないらしい。
だが、刺さった場所が良かった。
恐らく、徘徊者がそれを治すのにかなりの時間を要するであろう。
その間に俺はあいつを越える。
『死神の森』生態系下層の奴らに挑むのはもう少し先になりそうだ。
『レベルが上がりました。』
LV34→LV58
……やったぁ!!
空白が多い?今回だけだ。気にするでない。




