プロローグ
ここからが本編だ。
さっきのはなんだって?
あれは夢だ。あまり気にするでない。
プロローグかなり長くなってしまいました申し訳ないです。
「んぁ...」
目が覚めると、そこは真っ白な空間だった。
目の前には
✝Lower world✝
と大きく表記された門が
後ろには"earth"と表記された門が…
そうだ……俺死んだんだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
俺の名前は 北上 優斗
どこにでもいる
and more高校生(キラッ☆)
休日は、ほとんど外に出ないせいか、運動能力は皆無に等しい。
よく体育の時間 団体競技などで足を引っ張ってしまう。
ほんとみんなごめんね?
話を戻すが
LOWER WORLDとは日本語訳で冥界と言う意味である。
EARTHは知っての通り地球。
ここは冥界と現世の狭間なのだろう。
呆然と立っていたので、当然だが他の死者と肩がぶつかる。
「あぁ...すいません」
あっ...俺めっちゃ邪魔だな...とりあえずどこう...
「冥界はこちらでーす!!」
「割り込みのないようよろしくお願いします!!」
冥界の門の下。看板を持った2人の男が死者を誘導していた。
ちなみに彼らの持っている看板にはこう書かれている。
『最後尾』『待ち時間あと2時間』
アトラクションかよ!!
「えっと…すいません」
目の前を歩いていたおじさん(この人も冥界の門に進むのであろう)に声をかけてみる
『…』
だが帰って来たのは沈黙、このおじさんの目が虚ろだ。
他の人も目が死んだ魚のように濁ってる。
普通なのって俺以外は看板持ちの2人だけ?
なんか心配になってきた。
迂闊に冥界の門をくぐってしまうと、もう帰れないような気がする。
もうこの景色も目に焼き付けた事だし、地球に帰ろう…
earthと表記された門を潜ろうとする。
バチィッ!
「っ!!」
門には電磁バリアー的なシールドが張られている。
これじゃぁ帰れない。
そうですか冥界の門をくぐれってことですね。
あとなんでダガーで囲ったし、めっちゃ胡散臭いんですが…
看板を持った人に変化が現れた。
「ジョンそろそろ交代の時間だぜ?」
「あぁそうだなトニー。実はこの前知り合いからいい酒を譲って貰ったんだ。帰ったら一緒に飲もうぜ。」
「それがいい。」
見た目はアジア人特有の黒髪に低身長、
それにこの名前だ。
違和感さんが珍しくめっちゃお仕事している。
それから10分後か…門の横から扉が現れた。
いや…もともと存在していたのだろうが、扉の色は真っ白。
周囲の色に溶け込んで保護色となってしまっている。
「ジョン、トニー、交代よ。お疲れ様。後は私に任せなさい。」
「あぁ…ありがとなサリー、夜勤頑張れよ…」
さっきの2人とは変わって、今度は1人が看板持ちをするみたいだ。
よく見ると新しく来たサリーとやらは、目の下に隈が出来てる。
看板持ちも大変なんだろうなぁ…(他人事)
白い扉が妙に気になる…
サリーがあくびをしている間に、見つからないようにこっそりと。
…俺は白い扉に入ることにした。
こちらは地球の方の門とは違い、あっさりと入れた。
扉をくぐるとそこは清潔感溢れるオフィス。
規則正しくデスクが並んでる。
その上にはpcが…あっ…
これM○Cじゃん。いいなー。
特に面白そうなものがあるわけでもないので、オフィスの外も探索してみることにした。
…今までいた所は『地球管理局』という部署らしい。
…冥界も日本語使ってるんだな。
周りを見渡すと『○○管理局』というように
いろいろな部署が並んでる。
だが現在、ほとんどの部署は人気がない。
あれか?ここの世界は夜だからか?
「ん?」
ここは他とは違い『○○管理局』というような名前ではなかった。
「メモリ倉庫?」
扉は鍵がかかってないようだ。
ちょっと覗いてみよう。
『スキル』『称号』『資格』…
ゲームのステータスにありそうな項目が貼ってあるダンボールがずらっと並んでいる。
その中で特に目を引いたのは真っ黒な箱と赤いファイルであった。
この2つは異様な存在感がある。
黒い箱は…っと…なになに?研究用。ご自由にお使いください?
『超回復』『超隠蔽』『鑑定』…
なにやらチートの匂いがする。
これって何のゲームで使えるんだろう…
ご自由にお使いください。
…って書いてあるし持って行っても問題ないよね?
ポケットの中に、気に入ったのをぶち込んでいった。
『鑑定』『状態異常完全抵抗』『超回復』『全ステータス10倍』『超隠蔽』『貫通』…
隣には名簿のようなものがあった。
えっと…ここに名前を書けばいいのかな?
『持ち出しの際は名前、日時、所属の記入よろしくお願いします。』
ふむふむ。名前は…北上っと
日時は…あれ?スマホがない…
これじゃあ確認できないじゃないか…
しょうがないから未記入で。
所属はなんちゃら高校生…っと。
これでいいかな?
次は赤いファイル…っと
『外道』『強欲』『憤怒』『コンカラー』…
やべぇのが入ってた\(^o^)/
…名前かっこいいの取ってこ
『憤怒』『神殺し』『アビス』『復讐姫』『人格なき学識』
また名簿だ…えっと北上…っと
名前を記入してる途中だろうか…倉庫の外が少し騒がしいことに気づいた。
やばそうだから隠れとこ…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
「なんだとっ!!」
彼女の名前はエリス。
なにやら事件の匂いがする。
彼女は今回、管理者権限の通用しなくなった世界の復旧をするべく、
平行世界の人間を転送することにしたのだ。
「魂の回収は終わったのか?実はまだ生きている…とか」
「いえ…先程地球の方から…『転移は終わった。あとは頼む』との連絡がありまして…」
「ではなぜこちらへ転送されないっ!!」
磨かれた玄武岩の床に、黒色の壁紙、そして天井…その部屋の中央には2つのソファーと机。
それらの家具もメインとなる色は黒が使用されている。
シャンデリア、高そうな花瓶、絵画などの家具が、黒い部屋と相まって、高級感、そして落ち着いた雰囲気が醸し出されている。
そこに2人の男女が…
女性の方…彼女は焦った様子で、隣の男性に時間を尋ねているようだ。
男性の方…質問に答えてはいるのだがなんとなく…上の空だ
…口が開けっぱなしだぞ、閉じろ。
…この2人の様子のせいでこの部屋の雰囲気なんてとうに吹っ飛んでいた。(辛辣)
ここは応接間。普段は研究所の所長、政治に関わる方…などなどの重要人物の対応するために設けられた部屋。
だが今回は異例…彼女…エリスの口ぶりから察するに、今回はとある魂を呼んだようだ。
…だがその呼んだ魂が、いくら待っても来ない。
…そりゃ焦るのも当然だわな。
「恐らくですが、こちらに設置した『転送門』ではなく『接続域』の方に転送されてしまった可能性が…」
転送門とは指定した魂を召喚するもの。
そして、接続域とは管理対象の世界の死んだ魂を再利用するため作成されたディメンション『冥界』
とを繋ぐ空間である。
「くそっ!なんでこう問題が連続して起きるんだ…
トーマス。今いる人をかき集めて捜索に当たあってくれ。」
「えっと…顔が分からないと、他の人と見分けが着きませんよ…」
「いや…行動を見てれば分かるはずだ。
彼は他と違って、自分の意思で行動することができるだろう。
恐らくそこら辺をうろちょろしているはずだ。
…というより名前を尋ねれば。」
「なるほど…分かりました。では行ってまいります。」
「あぁ無理を言って済まない。頼むぞ。」
「はい。」
「私もいつ彼が来ても良いように、メモリの準備だけでもしているか…」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
北上さん視点
「やべっ誰か来た」
俺は今ダンボールの中に隠れている。
これはス○ネークなりきりセットと言ってだな?
…と言ってもほんとにただの空きダンボールに隠れただけなんだがな。
…まずいな…足音が近づいて来た。
「えっと…これか?」
あっ……
かぱぁ…
「「…」」
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ』
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
「いや…ほんと、なんでダンボールの中に隠れてたんだ…」
「えっと…私の本能が隠れろと仰っていたので…」
「……」
沈黙が痛い…
今、俺は応接間的な場所で魔王やら、ステータスについての説明を受けている…
ダンボールに隠れていた経緯を話すとジト目で見られた…
視線が…あれ?痛くないや。
…女の子に熱い視線(?)をこんなにも送られると、ドキドキしちゃう////
…という冗談はさておき、俺は、いろいろあって異世界の魔王を倒さないといけないらしい。
…えっ?知ってた?まぢ!?
「今から君の来世となる体へ案内する。ついてきてくれ。」
「アッハイ」
こんな調子で大丈夫か?俺、さっきから『はい』以外何も言ってないんだが。
あっ。ここですね?えっと…
『生物の発生、進化の過程、食物連鎖、それに随する因子についての研究。及び生物構造、生物科学についての研究室』
名前長っ
「ここだ『生物の発生、進化の過程、食物連鎖、それに随する因子についての研究。及び生物構造、生物科学についての研究室』…こちらにて君の体を用意させてもらった。」
「名前大変じゃないですか?…言うの…」
「あぁ…これはな、私の妹が『お姉ちゃん!私も部屋の名前…考えたいです!!』ってお願いしてきて…な?…ま…まぁ…笑わないでやってくれ…」
「あっ…(察し)」
「ともかく…入ってくれ。」
お邪魔しまーす。
この部屋に入った瞬間、目に入ったのはでっかい円柱状の水槽。
中に色んな生物がホルマリン漬けされてる…
俺…心配になってきた。
「これだ。」
彼女が指したのは…卵?
「えっと…これ、中身分からないのですが…『G』とかに転生させるのはやめてくださいよね?」
「まぁ安心したまえ。これは虫じゃないからな。」
そのセリフが聞きたかったんだ。
「なんだ?急に落ち着いたようだな…まぁいい。」
ガラガラ…
彼女は手元に抱えていたダンボールの中身を、卵の隣に設置されたパイプにぶち込んでく。
ってかこれあの部屋のチップ型メモリじゃないか…こんなに乱暴に扱って良いのだろうか…
「何してるんですか?」
「ああ…これか?これはな、メモリと言ってだな…」
(いや名前そのまんまかよ)
「能力…いや…"スキル"を付与させたいときに使うんだ。」
ん?今大事なこと言ったよね?
…………………
彼女が後ろを向いた瞬間
『今だ!』
ポケットの中に入ってたメモリを全部ぶち込んでやったぜ。
悔いはない…
「?」
あっやべぇ……
「なんか…入れたか?」
「…キ…キノセイデスヨー」
「?…そ…そうか…」
冷や汗が止まらない。
……バレてないよな?
「北上よ。これから君にあの世界で有利に立ち回れるよう"称号"を与えようと思う...今から言う中から選んでくれ。」
そう言い、彼女は資料を差し出してきた。
『救世主』
世界を救うものに与えられる称号。
Vit値20倍 agi値10倍 スキル"完全防御"取得
5倍以上の戦力差の戦闘の際 全ステータス2倍
❮Str値5分の1❯
『管理者メモ』
救世主の称号を取得する際デメリット効果を軽減させていただきます。
❮Str値5分の1❯→"str10倍数"
『勇者』
絶対的強者に立ち向かうもの。
そして管理者から認められた者のみ取得可能。
Str値20倍 聖剣の使用が可能になる。
魔物特攻(魔物に与える攻撃が5倍になる。)
リスポーン地点が完全な安全地帯になる。
『禁忌』
彼は力を手に入れるため、禁忌を犯した。
死ぬことのない、無限の苦しみを味わうことになるだろう。
神からの許しを得た時のみその地獄は終わる。
Str値10倍 獲得経験値50倍 ❮睡眠不可❯❮生殖不可❯❮食事不可❯
『管理者メモ』
禁忌の称号を取得する際デメリット効果を軽減させていただきます。
❮睡眠不可❯→"不眠不休"
❮食事不可❯→"必要食事量超軽減"
❮生殖不可❯→"生殖機能低下"
少し迷ったものの、リスクを取って強くなる方を選ぼうと思う。
「もちろん『禁忌』一択で。」
「えっ!?いいのか?」
「うん。」
「うん…って…」
彼女は心配そうな顔で、こちらを見てくる。
しょうがないじゃん。だって一番これがチート臭いんだもん。
デメリット軽減もあるし…これを選ぶしかないよね!
「…」
「他のやつにしろっていっても…無駄だよな…」
「よく分かりましたね。」
「…わかった…申し訳ないが、もう時間がない。転送を開始させてもらう。」
「地上に降りたら、説明の通りまずステータスを確認してくれ。
『ステータス』と頭の中で思い浮かべるだけでいい。そうすれば閲覧が出来るだろう。」
「わかりました。」
「他に何か質問はあるか?」
「大丈夫だ。問題ない。」
「そうか。では転移を開始する。そこの台の上に立ってくれ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ここまで読んでくださり誠にありがとうございます。
頑張って面白いお話にしていこうと思うので応援よろしくお願いしますm(._.)m