第15話 さらにその下へ『えっっ!?上じゃないの!?』
内容をめちゃくちゃ弄りました。本当にここまで読んだ方、申し訳ないですm(_ _)m
もっとだ。
もっと下へ。
『神の門』なんぞ比では無い程の深みへ。
ヤツには知ってもらわなくてはならない。
この世界のこと。
『俺』のこと。
そして神代の遺産を。
男性にも、女性にも似つかない声が、暗闇の中で響いた。
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
フェルマジロの巣の横穴を少し進んだ先
下り坂なのでかなりの時間走っていられたが、そろそろ限界が近づいて来たようだ。
『くそっ』
道の先に広がるのはテニスコート1面分程の空間。
前方は土砂崩れで通れないようになっている。
ひたひたひたひたひたひた…
血なまぐさい臭いと、湿った足音が近づいて来る。
これしかないか。
先程通ってきた道の上に右手を向ける。
今のレベルで使える爆裂魔法は…っと。
『アオス・ブルフ!!』
大量の衝撃波と熱線が、耳を貫くような爆音と共に広がった。
くぐもった岩と岩がぶつかるような音が聞こえる。
成功したか?
砂煙が止んでいく。
…あれ?
目に飛び込んだのは殺風景な洞窟ではなく、どこまでも広がる草原。
空は夜のように真っ暗なのに、地上は昼間のように明るい。
地平線を少し進んだ先には、空高くそびえ立つ一閃の光が。
なんかおかしな景色だな。
…!
背後にいたのはヴァイスではなく、俺が『グレイ』で倒したはずのサソリが。
『こちらへ』
そのサソリは俺を追い越し、先へ進んでいった。
見失うと不味そうなのでついて行く。
『えっと…ここって何処ですか?』
『ここは仮想世界、爆発と同時に、あなたをこちらへ引き込みました。』
『それじゃあ…ヴァイスは大丈夫なのか!?
そろそろ、あのキモイのが土砂退けて来るんじゃないか?』
『その心配はありません。こちらの世界での1日は、現実世界で数秒もしませんから……時間の流れが違うのです。』
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーー
暇だったのでサソリなんか話を振ってみる。
『そういえば君って、俺が攻撃しちゃった奴だよね?本当に申し訳ない。』
『いえ…あなたが攻撃したのは私ではありません。このサソリです。』
…?言ってる意味が分からない。
『それってどういう意味?』
『さぁ…』
…………
『君、名前なんて言うの?』
『これと決まった名前はありません。』
『君どこに住んでるの?』
『この世界です。』
『君頭良さそうだよね。intいくつ?』
『0です』
『えっ…』
『哀れみの視線を向けないでください。』
『『…』』
『…ねぇねぇ君可愛いね彼女いるの?』
『い ま せ ん』
『あっ…』
同士よ…
『…そうだそうだ。君たちって話せたんだね。知らなかったよ。』
『奴らと私を同じにしないでください…喋れるのは私だけです。』
んん?
もしかしてこれってあれか?年相応の『俺って他とは違うんだぜ!』アピールか?ほうほう…
『…な…なんですか。その生暖かい目は…気持ち悪いです。』
『ん?酷いなぁ…何でもないよぉ。』
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
『俺ってこれからどうなっちゃうの?』
『…私を鑑定してください。』
…?『鑑定』
氏名 アビスの使者
年齢 5
種族 ハルトスコーピオン
性別 男(?)
ーステータスー
LV 0
HP 0/0
MP 0/0
STR 0
VIT 0
DEX 0
AGI 0
INT 0
ー状態ー
憑依
『なっ!?』
アビスの使者!?
これってあれか?
深淵からの救いの手ってやつか?
『私の主はあなたに救いの手を差し伸べようとしています……死んでしまったら困るらしいですよ。』
『そ…そうなのか。』
『…着きましたね。ここです。』
そこには、天高くそびえ立つ光の塔があった。
【深淵行きエレベーター】
【↑深淵 現実世界↓】
エレベーターかよ。
ツッコミどころ多すぎて困るわ。
なんだよ。なんで、エレベーターがこんなに光ってんだよ!!
それになんだ?なんで深淵なのに上なんだよ!
『お乗りください。』
『あれ?サソリ君は行かないの?』
『私は…使者は主の許可がないと深淵へは行けないのです。』
そう呟くサソリはどことなく寂しそうであった。
チーン
ういいいいん
…雰囲気ぶち壊しだな。
…ん?誰か乗ってる?
『主様!?』
主様…ってことは…
「君が北上 優斗君だね。よろしく。
俺の名前はアビス、深淵の主だ。」
エレベーターからは黒髪のイケメンが。
『君可愛いね。彼女いるの?』
「……………………」
…どうやら彼も我らと同じ、同士のようだ。
この場をお借りして感謝申し上げます。誤字報告誠にありがとうございました。(_ _)




