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「旧作」闊歩する禁忌  作者: ふぇるさん
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第13話 徘徊者より。第13番 競走曲【逃走劇】

にいぃぃぃぃげるんだよぉぉぉぉぉ! ヴァァァイスゥゥゥゥ!


朗報だ。ヤツのレベルが34まで来た。


()内の数字では、10を示している。


このことが何を指しているか分かるよな?



これからヤツは進化する。



だが徘徊者は、それを良くは思ってないみたいだ。


あいつ…どうなるんだろうな。




今のレベルじゃ徘徊者に勝てるわけが無い。


ここからじゃ力の譲渡も出来ないしなぁ…



お願いだから死なないでくれよ?




ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー



『鑑定』



『神の門-横穴-【最下層】』


かつては小型の土竜の巣であったが、今は『死神の森』の生存競争に敗れて、逃げ込んで来た魔物の住処となっている。


今は、4つの層に分かれており、それらを接続する通路によって、入れる魔物の大きさが制限されている。


よって、階層が異なると、生態系がガラリと変化する。



最下層


『死神の森』から逃げ込んできた魔物のうち、生態系の最下層の魔物が生息する層。


稀に『死神の森』の生態系下層の魔物が、迷い込むことがある。






あのアルマジロが生態系最下層なのかよ…



『死神の森』貴様…やりおるの?







俺は今休憩がてら、この洞窟に『鑑定』をかけていた。

…まじでかかったのは驚いたけど…





あのフェルマジロこと、『フェル・ゲ・ヴェーヴァ』を倒した俺は、レベルが34になった。


進化…できるのだが、ここは通路の分かれ道…こんな所で昏睡なんかしてみろ。





魔物のおやつに成り上がるぞ?





ーーーーーーーーーーーーーー






今俺は、左の道を進んでいる。


右の道?駄目だ駄目だ。あそこはフェルマジロがわらわらわらしてる。


わら、が1個多いぐらいだ。相当な量いたんだ。


(調子に乗って巣に乗り込んだ北上。フェルマジロの逆鱗に触れ、蜂の巣にされそうになったのは内緒。)


右に進む奴の気が知れないな。(ブーメラン)



左の道…道幅は広いものの、横道がたくさん分岐している。



ここなら安全地帯を探すのも簡単そうだ。






…血なまぐさい臭いが鼻を刺激する。



臭ってきたな…死骸でも落ちてんのか?





初めて洞窟に入った時もこんな感じの臭いがしてたな…










緊張してきた…いや…これは緊張と言うのか?



この感覚…前にも感じたことがある…


それは、悪役令嬢2kに追いかけられている時。


スピードはそこまで早くないものの、ギリギリ、主人公と同じレベルのスピードが出るように調整されている。

よって、彼女と2人だけの時間を数日ほど楽しめるのだ。




…恐怖とも焦りとも似つかないような感情。



思わず視界から取り除きたいような…何なんだろう…()()()に体が拒否しているような…



そう…これは…『毛嫌い』するような感じ…



体が『()()()()()()』と叫んでいるような…






…駄目だ。引き返そう…この道は進んではならないような気がする。



『ヴァイス、戻ろう。』


「うん…この先…怖い…」




踵を返したその時であった。



ヒタ…ヒタ…ヒタ…



…っ!




後ろから何かが近づいて来ている。


俺が止まると、その足音も止まる。


向こうの歩幅の方が長いようで、進むにつれ足音が近づいて来てるようだった。


…このまま歩いてると普通に追いつかれるので一時的に止まる。



良かった…向こうも止まったようだ。



…『タキサイア』がうっすらとだが、発動している。



俺の体が危険信号を発している。という証拠だ。






…後ろを振り返る。



数歩先は闇に包まれている。



そいつがいるであろう場所に鑑定をかける



『鑑定』


『玄武岩』


『玄武岩』


『観察対象がいません』


『観察対象がいません』





『ステータス』




氏名 徘徊者


年齢 29歳


種族 フルーフ


性別---



ーステータスー


LV 283


HP 576020/576020

MP 2053/2053


STR 86430

VIT 30520

DEX 600

AGI 1026

INT 2513











...こいつは駄目だ。挑んでも勝てない。


ここって最下層だろ?なんでこんなに強い奴がいるんだ…







『ヴァイス…俺の左に来てくれ…』


「う…うん。」





…ヴァイスを抱える。


彼女の温もりで、少し心が落ち着く。





考えを巡らせる。



…あの始まりの大穴…あそこは安全地帯だったが、徘徊者が入ってこない。という保証は出来ない。


もし、追って来たら…撒けるような障害物が全くと言っていいほど無い。すぐ捕まってしまうだろう。


あそこに戻るのは悪手だな。



横道に逃げ込んでも、そこが行き止まりの可能性がある。

…横道にもダメだな。



…あのフェルマジロの巣…あそこを突っ切るしかないか。


あの鱗は、『タキサイア』と自分のvitに任せて突破すれば…



フェルマジロの巣。そこにはたくさんの横穴が繋がっていた。


どこかに隠れられれば…




徘徊者のいる方向へ強行突破するのもありかもしれないが、それはリスクが高すぎる。




…よし。


脳内で、光属性 使用可能魔法の欄を高速で読み上げる。


これだ…これなら…















『シュトラール!!』







光属性の魔法を放つ


これは、最下位の放出系魔法。


MP保存のため、最下級魔法を放ったのだ。


徘徊者にはきっとダメージは通らないはずだ。


だが、目潰し程度にはなるはず。

…少しは悶えててくれよ?



ヴァイスを抱えた俺は全速力で走り出す。














…禁忌と徘徊者の逃走劇が今…始まる。



読んでくれてありがとう。

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