02 死神スキル
それじゃあ、僕は何をすればいいんだ? やっぱりここはまずオリヴィアを助けないとな。それに今オリヴィアはレストランで1人僕を待っているはずなんだ。
「なあ、僕。早く僕に力をくれないか? オリヴィアが危ないんだろ? こうしている間にも・・・・」
「大丈夫だ。まだ間に合う。いいか、俺がお前に取り憑けばお前は俺の力を使える。だが、注意しろ。ソウルを使い切ればお前も俺も死ぬ。俺もお前も魂さえ残らず消滅するからな」
「ええ? わ、わかったよ。気を付けるけど、どうやったら君の力が使えるんだよ?」
「まずは、取り憑くぞ。そうすればお前には全ての力が見えるからな。[ステータスオープン]と心で念じろ。そうすれば俺の能力が分る」
「わ、わかったよ。それじゃあ、頼む」
「よし、行くぞ。『憑依』を発動だ!!」
「う、うわわっ」
(心配するな、大丈夫だ。もうお前に取り憑いたぞ。だが、どうやら自分自身に取り付くことにこのスキルは対応していないようだ)
「ええ?? 大丈夫なの?」
「わからん、俺の意識が消えそうだ。だが俺の手に入れた知識と力はお前に還元されている。なんとかなる、やれ」
「お、おいっ! 待ってくれ、全然大丈夫じゃないぞ!?」
「・・・・・・・」
「おーい」
「・・・・・・・」
なんてことだ! 無責任じゃないか!? い、いや仕方ないか。自分自身に取り憑くなんてある分けないからな。まず、早くしないとオリヴィアが心配だ。えっと、なんだっけ・・・・。たしか、
「ステータスオープン?」
すると僕の目の前に半透明のガラスのような物が現れ何やら記載されていた。
ソウル:335,125/999,999,999
死神スキル:攻撃(全てMAX)
【即死の大鎌】
【即死の中鎌】
【即死の鎌】
【デス・リーパー・シールド】
【デス・リーパー・アックス】
【デス・リーパー・ランス】
【デス・リーパー・ソード】
【デス・リーパー・アイ】
死神スキル:補助(全てMAX)
【浮遊】
【透視】
【透明化】
【形状変化】
【物質操作】
【物理無効】
【属性無効】
【限界突破】
死神スキル:固有(全てMAX)
【譲渡】
【融合】
【吸収】
【憑依】
【召喚】
【眷属化】
【次元移動】
【刈り取る】
【魔眼】
【能力解除】
死神エクストラスキル
【遡りし者】
「おおっ、なんだこれ! 凄いじゃないか!」
なんて力なんだよ、死神の僕は! 900年間も鍛えたってのは伊達じゃないな。
でも、この力を使うにはソウルが必要なんだよな。どうすればいいんだ?
それに一秒でもこんな所には居たくない。
「しかし、なんだってこんな最悪の場所に僕を連れてきたんだよ。オリヴィアを救う前に僕が殺されるよ」
でもどうしよう、どの能力を使えばいいんだ? こんな多くちゃ分らないぞ。
「・・・・・・」
「よし、このスキルだ。この【次元移動】を使おう。今使うならこれしかないよ」
えーと、どうすればいいんだ。どうやって使うかすら分らないんだけど・・・・。
【次元移動】一度行ったことのある場所に瞬間的に移動可能になる 消費ソウル 50,000
「おっ、頭に浮かんだ! これが還元された知識ってやつだな。よし、一度行ったことのある場合って、これであのレストラン[貴婦人の花園]に行けるぞ!」
「「ギャガガガガアアアアア!!!」」
「うわっ!!?? え、何? 気づかれた!?」
とてつもない咆哮で鼓膜が破けそうだ。その咆哮の先にいるのはもちろん、あのケルベロスだ。
僕を食い殺そうと涎がダラダラだ。それに、あの3つの頭から僕を睨みつける6つの眼。ヤバい、僕を見てる。何か来るぞ。
次の瞬間ケルベロスの3つの口からはまるで黒い稲妻を思わせる程のエネルギーが放出され空間が捻じ曲がり歪んだ。着弾まであと1秒。
「でも、お前と遊んでる時間は無いんだ!【次元移動】を発動だ!!」
その刹那、気が付くと僕はオリヴィアといた高級レストラン[貴婦人の花園]の入口に一人立っていた。
「すごい、なんなんだこれ。これが死神のスキルの力なのか」
あの一撃を受ければ間違いなく死んでたぞ。でもこんな一瞬でここに戻ってこれるなんて。まるで先刻の出来事が嘘のように感じてしまう。
ても、この漲る力が嘘じゃないと僕に告げている。
気のせいか、さっきよりはなんだか力が抜けたような気がするな。
【次元移動】の消費ソウルはたしか50,000だった。
このソウル分が僕から無くなったからなんだろう。
まだまだ余力はあるから大丈夫だけど。
「おっと、まずは早くオリヴィアの所に行かないと! でもきっと怒ってるぞ」
オリヴィアが怒ることはあんまり無いけど怒ると凄まじく恐いことだけは知ってるんだ。
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