10 ステータス
ブックマークして下さった方、本当にありがとうございます。ステータス能力少し変更しました。
─── これは夢か? 僕は何処にいるんだろう? 周りはゴツゴツした黒い溶岩石で埋め尽くされ、四方が囲まれている。熱い、立っているだけで体力が奪われる。ここは何処だ?
そして目の前のあれはなんなんだろう? 暗くてよく見えない。
赤く光るモノがある。一つ、二つ、三つ・・・・全部で六つありギョロギョロと右左と動いている。
これはまさか生物の眼なのか? 鋭く全てを妬むようなその眼。背筋が凍りつくようだ。
それにこんな大きい眼を持った生物は見たことがないし、聞いたこともない。どんな生物なんだ?
僕はいったい何を見てるんだ?
─── 何か聞こえる。
「・・・・・!」
なんだ?
「・・・・・ちゃん!」
え?
「おに・・・ちゃん!!」
エルサ? エルサが僕を呼んでるのか?
「お兄ちゃん! いい加減起きてよ! もうみんな出かけちゃったよ!」
「エルサ? あれ? 今のは夢だったのか?」
「何寝ぼけてるの? もう!! せっかくオリヴィアさんとリリアさんが家に泊まってたのに! もう二人とも出かけたよ」
「あっ! そうだった! ヤバい、寝ちゃってた。二人は帰ったのか?」
「はあ、まさか昼まで寝てるとはね。オリヴィアさんは学院に行ったし、リリアさんは教会に行くって」
「ええ? オリヴィアは学院? ヤバい遅刻どころじゃないぞこれは。それにリリアさんが教会に行ったって? なんで?」
「? リリアさんは修道女なんだから当たり前でしょ?」
そうか、エルサは教会が燃えてなくなったことを知らないんだ。きっと向こうは大騒ぎになってる筈だ。
リリアさん、大丈夫かな。いくら自業自得とはいえお父さんのマグリアス神父も殺されたんだ。
昨日は考えないようにするって言ってたけど今日は実感としてそれが襲ってくるだろう。
それに、リリアさんには悪魔の生贄としての呪いが掛けられているし。大丈夫なのか?
「お兄ちゃん! 聞いてるの? あたしももう出かけるからね」
「ああ、わかった。僕も少し出かけてくるよ」
「そういえばね、最高に面白いことあったよ」
「な、なんだよ。面白い?」
「ふふっ、あははっ。お父さんね、オリヴィアさんとリリアさんが家にいるの見て腰抜かして倒れそうになったんだよ! あははっ。あー、おかしかった」
「おいおい、笑い過ぎだろ。父さんと母さんは出かけたのか?」
「うん、父さんはお仕事だし、母さんは奥さま会だって」
「そうか。父さんが驚くのも無理ないよな」
「じゃあ、あたし行くからね。今日はこれから友達と遊ぶんだ。じゃあねー」
エルサ、わざわざ僕を起こしに寄ってくれたみたいだな。しかし、もう昼過ぎだって?
なんだか昨日のことが信じられないな。体中が怠かった。
きっと昨日は最強の悪魔と戦ったからだ。急激に肉体の限界を超え戦ったからなんだろう。
あの死神の力、たしか「ステータスオープン」だったかな。もう死神の僕はいない。
出来るわけがない、分ってはいたが何となく口に出して言ってみたくなった。
「ステータスオープン」
何気ない言葉とは裏腹に、僕の前には半透明のガラスが現れ、僕の情報が記載されていた。
【名前】アルム=エイスト
【年齢】15
【種族】ヒューマン
【職業】医療魔術学院生徒
【称号】ソウルブレイバー
【レベル】55
【体力】A+
【魔力】A
【攻撃】B
【防御】B
【敏捷】A
【スキル】
炎剣:S
【魔法】
ヒール:C キュア:B
【固有】
魔眼 吸収 限界突破 他
「「!!!」」
嘘、だろ? なんだこれは! どういうことなんだ? なぜこんなことができるんだよ!?
しかもレベル55? 高いのか低いのかわからないけどこれって・・・・。
それにソウルブレイバーってなんなんだ? 聞いたことないぞ。
それによく確認すると魔眼に炎剣? なにやら怪しくなってきたぞ。たしか昨日ステータスを確認した時に魔眼はあったような気がする。でも『炎剣』はなかったぞ、絶対に! 僕にそんな能力は当然ない。
「これって、昨日べリアルが使ってきた炎の剣じゃないのか? あの無数に召喚して僕目掛けて襲ってきた・・・・」
死神の僕から話を聞かなくてはいけない。なんで僕がこんなことをできるんだ?
死神の僕が離れたら僕は死神のスキルが使えないんじゃないのか!?
もしも、天に帰ってたらどうしよう。いや、そんなことはあるわけないけどさ。
黙っていなくなることだけは無い。
そして僕は出かける支度を整え、死神の僕とオリヴィアが来るのを半刻(30分)ほど待った。
そして、家に数人の誰かがやって来た。
そして僕は───。
最後までお読み下さりまことにありがとうございます。
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