突然の声
「そうや、俺はここに来るのは始めてやない」
「てことは、目を覚ます方法を知ってるって事ですよね」
「まあ、そういうこっちゃな」
津村は少し間を置きました。
もう、先ほどのヘラヘラした雰囲気に戻っています。
「ここが夢の中やって言うたやろ?」
「ええ、言ってましたね」
「そのアプリが反応すんのは、強ーい感情やら想いやらが影響するらしいんよ」
「反応? ですか」
「そう、そいつを中心にアプリが起動するっちゅう訳や」
「はあ」
「そいつの事を、熱心な奴らはサーバーとか読んでるらしんやがな」
「サーバーですか」
「そうや。でな、そいつを倒すとこの世界から開放されて目が覚めるっちゅう話や」
「倒す、んですか?」
「そうせんとな、ここはいつまでたっても覚めない夢の中っちゅーことや」
「それは、誰かがサーバーってのを倒さない限りここから出れないって事じゃないですか」
「まあ……そういう事なんやけどな」
「なんです?」
「サーバーまでたどり着けるのは7人までってことになってるらしいんや」
「7人ですか」
「なんでかはわからん、意味があるのかも無いのかも知らん。ただ、毎度毎度、生き残った7人がサーバーんとこ行けるんよ」
「今、生き残ったとか物騒な事いいませんでした?」
「言うたよ。そのまんまや。7人になる迄殺し合うんよ」
「死んだら・・・・・・どうなります?」
「別にそんな深刻な顔せーへんでもええわ。死ぬ夢見るのと同じ事なんやから」
「目が覚めたら元通り」
「ちゅーこっちゃな」
「それならいいんですけど、そんな状況で津村さんよく俺に声かけてくれましたね」
「ああ、お前は大丈夫そうやったからな」
「大丈夫?」
「それは後で話すわ。まずは」
「俺達以外の五人でそのサーバーを倒してくれたらおっけーって事ですね」
「お前やる気ゼロやな。しかもそん中に俺も入れんなや」
「でも、早く倒してくれないと困るんですけど」
「なんでや?」
「だって、俺今、スマホ見たまま固まってるんですよね?明らかに変なヤツじゃないですか」
「ああ、それは大丈夫や、心配いらん」
「どうしてですか」
「それはな・・・・・・」
「それはここが夢の中ならば、現実にはまだ一秒どころか一瞬も時間が進んでないからですね?」
津村の言葉にかぶるように、少女の声が聞こえたのと
ヒュッ
と、音がして津村の持つ紐が宙を舞ったのは
ほとんど同時、でした。




