夢の中
「流いうんかー、わっかいなー。高校生?」
「あ、ええ。高二です」
「俺な大学生やってん。大学四年や。でもあれなやー、高校までは高一やら中三やら小五やら言うやろ。なんで大学だけ大二やら大三やら言わんのやろな?」
「……え? いや、そんないっぺんに言われても、わかりません」
一気に喋られました。
しかもその大半が意味の分からない<今聞くこと?それ>という内容です。
と言うか、聞きたいのはこちらの方なのです。
「えと、その。それより、ここってどこなんですか?なんか気がついたらここにいて。
それにさっき津村さん、その紐掴んで浮いてたような気もするんですけど」
「なんや、ずいぶん喋るやっちゃなー。一気に喋られると返事に困るわ」
「いや、それさっきの俺のセリフですから」
「お、一応突っ込み入れれるんや。ヘタクソやけどなー」
流の戸惑いの中に、ほんの少し殺意が芽生えました。
「突っ込みはともかく、ここがどこかだけでも教えてくださいよ」
「あー、やっぱ気になる?」
「それはもちろん」
「はあ? とか言わん」
「言いません」
「頭のオカシナ奴見るような目で見たりせーへん?」
「見ません」
「ほんならええわ」
「教えてくれるんですか?」
「ああ、ええよ」
「お願いします」
「ここなぁ」
「・・・はい」
「夢の中や」
「はあ?」
流は思いっきり頭のオカシナ奴を見るような目で津村を見てしまいました。