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夢幻泡影 ─むげんほうよう─  作者: まみや ろも
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クラスメイト

「それで、二人はクラスメイトを追ってここまで来たのね」


 一番最初に我に返った委員長が、話をまとめました。


 流は未だ動けずにいる津村と竜之介を見ています。


「そうっす。タカオって奴なんですけど。何か危なそうなヤツで。あたしも一度襲われかけたんすよ、その時は航平の『薄膜の道標(ウォータースライダー)』に助けてもらったんですけど」


 夏梅が航平に目を向けると、彼は静かに頷いた。


「そのタカオという生徒はどんな能力だったのかしら?」


「それがよく分からないっす。半透明の何かが向かって来たのは確かなんですけど、すぐに逃げちゃったですから」


「そうなの、でもそれが」


 と、動かぬ二人に目を向ける。


「この二人にも影響してるとなると捨てては置けないわね」


「多分あれだろ、あの赤ん坊に殺られてた奴らも麻痺して逃げられなかったってとこだろ?」


「しかも気になるのは、被害にあった生徒達の制服から、全員が男子生徒のようね。女子生徒は一人もいないわ」


「どうにもイヤな感じがするな」


「そうね、二人が襲われたのが反対側のビル。確か流くんも何か言ってなかったかしら?」


「ああ、誰かに見られてるような気がしたんだよ」


「早急に動いた方が良さそうね」


「お、先輩たちも行ってくれるっすか?」


 頭の上で手を組み、大人しく話を聞いていた夏梅が嬉しそうに身を乗り出します。


「悪いけど、あなた達はここにいてもらいたいの」


「どうしてっすか!! 正直、私たちの方が戦うのに向いてると思うっすよ」


「だからよ」


 憤る夏梅に、委員長は冷静に答えます。


「あなた達は彼に会って一度は襲われているのよね。そしてそれを避けることが出来た。それなら相手は用心して出てこないかもしれない」


「それは……そうですけど」


「なのでここは任せてくれないかしら。私たちが囮になるから」


「でも、危なくないっすか?」


「もちろん危ないわよ。危なくないと囮にならないじゃない」


「何かあったらすぐに教えてくださいよ」


「ええ、約束するわ」


「気をつけるっすよ」


「ありがとう、行ってくるわ」


 そして、流と委員長は……


「って、一緒に行くの委員長(ドッペルゲンガー)の方なの!! もちろん危ないわよって、危ないの俺だけじゃん!!」


「あら、何かあったら連絡出来ないじゃない。それに相手は女生徒を狙ってるらしいんだから、私だって狙われるかもしれないのよ」


「まあ確かにそうだけど、どうも納得いかないんだよなぁ」


「とにかくあれよ。今のところ何一つ役に立って無いんだから、たまには働きなさい」


「何気にサックリとんでもない嫌味言われたよ!!」


「はいはい、いいから行ってらっしゃい」


「先輩頑張るっすよ」


「……」


 三人に見送られ、がっくりと肩を落とした流と委員長(ドッペルゲンガー)は向かいにあるビルへと入って行きました。

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