センス
「あの……聞にくい事を聞いてもいいですか?」
打撲のダメージから回復した流が、後頭部をさすりながら立ち上がります。
「おふたりの、その、なんと言いますか」
珍しく口ごもる流を察してか、委員長が先に答えました。
「このおかしな能力の事ですね。私も驚きました。気が付くとこのような場所に来ていて、しかも目の前にもう1人、私が立っているのですから」
それに続いて。
「これはあれや、夢の中やからな。願望やったりトラウマだったり、そんなもんがこんな形で出てくるんよ」
自分の腹ん中みたいなもんやし、あんまり人に見せたいもんではないわな。
津村はそう、独り言のように呟いて手の紐に目を落としました。
「あ、いや。そうじゃなくて」
「なんや?」
「なんですの?」
少し重くなった空気を打ち消すように、流は慌てて付け加えました。
「その痛痒いネーミングは自分で考えたんですか?」
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「紳士的な…………」
「もうひとりのわ…………」
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「言いにくくなったやんけー!!」
「恥ずかしくなってしまいましたわ!!」
結局、流は後頭部と腹部を同時に殴られ、再びガレキの上に崩れ落ちたのです。




