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血脈 - The Iron Vein  作者: Tasawwuf(タサウフ)
第1部:基本に向かって
3/3

Part1。デモルポセカ、陰地に咲く。(2)

すみません、PCが壊れちゃって遅くなりました。


原作: Tasawwuf(タサウフ)

翻訳: DosKeryos

原文: http://www.joara.com/view/book/bookPartList.html?book_code=19431

「ち~いくしょお。」

ティトゥルは愚痴を言いながらありったけの力を上げた。クウッして一度力を上げると橇がようやく彼について動いた。やっと一歩ずつ移していた彼は橇の下に滲み出ている血を見てはもう一度驚いて横に向けて吐き気をしてしまった。何人かのスラム街の人々が吐き気の音に窓を開いて、頭を出して見た。

「おや、今日は大きな生肉片でも手に入れたのかい?夕方にちょっと取りに行っても良い?」

「うぜ、からかうなよ......そうだ、ワートンの奴をちょっと呼んでくれ、急ぎでな。」

みすぼらしい小屋、土で造った雨が漏れる家達がぎっしり密集し地には汚水がいっぱいたまったスラム街をようやく過ぎてティトゥルはゴミ達を一枚一枚集めて急造した橇を家まで引いてきた。町から少し離れた彼の家も町の家よりなかったらなかったで決して良いこともなかった。一度橇を外に擱いたたまま家の中に入ったティトゥルが顔をしかめた。


先ほどの大雨で天然スレートで作った屋根がまた漏れてしまったのか机の上に開いておいた本一冊がビッシリ濡れていた。


「クソ。」

彼は本達を整えようとしてたが再び橇の方を振り返えて見た。

「そう......人が優先だな。」


また外に走って出てきたティトゥルは橇を覆った大きな葉を片付けた。そしてその上で気を失ったまま横たわっていたカーレルを精一杯肩に巻いて結んだ。

「ウグゥ。」

凄い重さにティトゥルの足がふらふらした。背が高いカーレルのつま先が地面に引き摺れたが小さいティトゥルとしてはそれ以上なす手がなかった。さらに体にふさふさと付いている武器はその重さがティトゥルが耐えられるレベルを超えていた。結局、背負って入ることをあきらめたティトゥルはカーレルを地面で引きずりながら入ってはその巨体をやっとヒイヒイしながらベッドに横にしておいては完全にくたびれて椅子の上にどっかりと座り込んだ。


「生きれば良いことで......だめもとだが......」

ドアが開き、ティトゥルの友人であるワートンがふわりと跳び込んだのはその時だった。

「チイクショオオ、良く寝ていたのになぜ呼んだのよ、今がいったい何時なのか分かってるのか......はっ!」

ワートンが目を丸くしてベッドの上のカーレルを指で指した。

「あれなの?」

「本を買いに行って来る時に......近道でオネトを通じて来たんだけど、ところが、その真っ中で死にかけていたのよ。雨もザーザーと降り注いているしそのまま置いて来るのも何だと思ってよ......」


「良い物を拾ったな。」

ワートンがくすくすしながら手のひらを揉がいた。彼は持ってきた大きな袋で鋸と大きな包丁二つを引き出してベルトにさした。

「あれをよくバラバラに解体して荒野の人々に肉として売れちゃえば、少なくとも5ゴールドは受けられそうだね、図体も大きいのが、男か?......おっと、女じゃない、なぜ女がこんなに大きいんだ?とにかく値段も良く貰えそうだな。.....ところで気味悪いな、なぜ家の中に入れた?清掃するのも難しいだろうなのに外で解体しようぜ。」


「黙れ。」

ティトゥルが友人の手で鋸を荒く奪いとった。

「なぜだ?お前一人で食べる気か?多すぎるだろうよ。」

「私は人食いはしないし......そしてまだ生きている。」

「なに!」

びっくりしたワートンが早く横にいた鎌を手にした。

「お前正気か!あれ見た目を見たらきっと都市の人だ!あれは早く殺してそのまま持ち物だけ取りあげるのが良いよ。」

「やめろってば!」

ティトゥルが声をかっと上げた。

「お前医師だろうが?まだ生きている人を殺そうとするなんて?まだ心臓が走っているのに!......お前も少し前までは、都市に住んでいたんじゃないの?」


ワートンが意気を失って席に座り込んだ。

「お前はまだ都市という所を知らない......なぜ私がここまで来てこんなことやってるのか知ってるか?ファック、クソ見たいなとこさ。」

友達の聖人君子のようなひとっきりの説教にワートンはありったけにごてつきながら持って来たみすぼらしい診療ボックスを広げて置いた。

「俺はまた、解体する方法を教えてくれと来たのかと思って......なんだ?どこをけがしてんだ?」

「腹部だと思う。」

「'思う'?お前はじゃあ傷も見てないの?」

「......恐ろしくて......」

「あほったれえが。」


ワートンは独り言でずっとぶつぶつごてつきながらカーレルが着たマントを外した。血まみれになっているカーレルの姿にワートンの表情がたくさん歪んでしまった。

「......自殺しようとした奴だな。」

「なに?」

「切腹したのか。あらあら、剣もそのまま握っているな。ふっ、剣をみると金をかなり持っていた奴だな......このマントを見て、真っ黒なのが単純に見えても皇室みたいな所で使う最高級防水加工シルクだ.....。んん?中に着たのは......胡?の革見たいよ?この貴重な物を......ベルトと靴はワニの革か?手袋は蛇の革見たいし......ワァ、ブレーサーにはこれダイヤモンドじゃねえか?バックルの装飾はオパールのようだし。完全大金持ちじゃないの?ほお、うまくいけば一儲けできるかも?」


ワートンの関心が変なとこに向かい始まるとたんティトゥルが友人の頭をそのままたたいた。

「バカ!お前人を治療しに座ったの?贓物拾いに来たの?」

友の叱責にワートンが頭を?きながらカーレルが着た革服のバックルを外し、血でまぜこぜになった上体を表わした。

「分かったよ、わかったって......ところで不思議だね。自分の手でこれまで切腹をするとは?通常突いたらその場で横に倒れるのに。本当に自分の腹を縦に斬っちゃったの?この有り様なのにどうしてまだ生きているんだい?一体どうしたやつだ?......ティトゥル?ティトゥル!」

ティトゥルはその間に見えなくなっていた。窓の外を見たら案の定また吐いているところだった。

「あのぼんくらが。」


ワートンは顔をまた顰めては箱からいくつかの粗野な手術器具を取り出した。戻ってきたティトゥルがこちらとは背を向けて座ってずっと尋ねた。

「全部終わったの?」

「いや。」

「......全部終わったの?」

「ちょっと待って、これが何処かの洋服屋の服作るみたいな物だと考えているのか。ところで、この女おかしい。完全に奇形だよ、おっぱいもないのに除去したとは思えない......皮下脂肪層もとっても薄いのが......筋肉が冗談じゃないよ。感触もちょっと変だな、人の筋肉の感じじゃない......とっても堅くてパサパサする、まるで皮を剥がした蛇に触れるようで......これ人間なの?「

「ウウック。」

思わず縫っている光景を振り返て見たティトゥルが再び口を握りしめて外に走って出て行った。しばらくかかって縫合手術を全部終えたワートンはバッグを取りまとめはカーレルの服を適当にただしておいた。

「いいよ。見てもいい。お金持ちみたいだから気が付けば家族らに謝礼金をたっぷりに貰えるかも知れないな。その時に口洗うんじゃね、このやろう。」


ティトゥルは顔をいっぱいひそめて、ようやくカーレルの顔をまじまじ見つめた。

「......正直なところ。」

「なに?」

「美人だな......本当に。」

「黙れ、お前は胸もないこんな化け物女にそんなのが思いつくのか?」

ワートンがとんでもないことを言っている友をぱっと押せた。

「もお私の手を離れたんだ。敗血症や他の合併症の発生の可能性がかなり高いが私じゃ何もできない。生かして上げたいならちゃんと食べ物でも食わせておけ。まあ、死んだらそいつの運命さ。」

「わかったよ......ところで何していた人かな?」

「さあな。」


カーレルの体のあちこちを見回していたワートンがカーレルの手首をつかんでブレーサーの下をこっそり持ち上げてみた。

「うわっ!」

「な、なに!」

ワートンの悲鳴にぎっくりとびっくりしたティトゥルがわけも分からずに壁のコーナーに素早く逃げた。

「こ、こいつはガーディアンだ!やはり!やけに強そうに見えたわけだ!ちくしょう!俺がガーディアンを治したのか!?ファック!こ、これをどうしよう!何の女ガーディアンがいたとは!」

「どうしたの?まあ獣でもないし何をそんなに慌てるのよ?」

「獣なものか!」

ワートンは別の答えもしてくれないままあたふたとバッグを取りまとめて外に出てしまった。部屋の隅でどうするべきなのか知らずにいたティトゥルは勇気を出してカーレルの体を棒で一度クッと刺してみた。何度刺して見ても何の動きもなかったのでティトゥルは少し勇気を出してカーレルのそばに近づいてみた。しかし、カーレルは目を閉じたままかすかな呼吸をやっとつないでいた。


ティトゥルは首を傾げながらドアの外を眺めた。

「まったく、変な奴だな、ノイローゼにでも掛かったのかしら......」

ガーディアンていったい?

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