光と影
尊敬する人が近くにいる
この人が活躍すればするほど
光が強くなっていく
眩しくなっていく
私は嬉しくなる
でも、薄ら暗い影が
背後に見えることもある
普段は見せないその影は
負の部分と言える
これまで歩んできた人生の中で
絶えず付きまとっていた
苦労や苛立ち、憎しみ、悲しみ、過ち
栄光とはかけ離れたもの
でも、土台となるべきもの
かつて、私はこの人が大嫌いだった
私の人生を奪った人でもあるから
でも時間が経つと
不思議と責める気持ちがなくなっていた
眩しすぎる光の裏にある
どんよりとした影を見たから
そして、ことごとく乗り超えていくのも
私は影だ
あの人の光に当てられた影
活躍すればするほど
あの人は照らされ、見られていく
でも同時に、私という影も
色濃く露わにされる
なんの価値もない影なのに
影はこちらから干渉しない
あちらが振り向いてしまうから
目にしてしまうのだ
干渉する影は存在してはいけないのだ
歩んでいくその足を
引っ張ってはならないのだ
なら、私も……